「なりたい自分」をしなやかに目指す
── 「私らしさ」という自分軸を見つけたら、次にやるべきことはなんでしょうか?
岩橋さん:
次は、「なりたい自分」のイメージを描いていくことです。
具体的な仕事のポジションだったり、“ありたい姿”でもいいのですが、まずは自分のなかで「こんなふうになっていたいな」という方向性をいったん決めることが大事です。
“いったん”というのは、状況によって変わる可能性があるから。先のことは誰にも分かりませんから、その都度状況に応じて変えていけるような、しなやかさを持つことを意識しましょう。
ただ、ありがちなのが、「自分が目指す方向に行くにためには、ここにいるのは違う!」と、いきなり転職などの決断をしてしまうケース。
目指したい方向に行くためには、転職よりも、今の仕事に意味があったり、部署を異動すればそのための研鑽を積むことができるケースもあります。
今仕事をしているなら、そのなかから「なりたい自分」になる道筋はないのか、アンテナをはって情報収集することが大切です。
── 理想を持ちながら、情報収集をするのですね。
岩橋さん:
そうです。
そして、もうひとつ大切なのは、自分の思いを周りに発信すること。
「自分はこういったことを目指しているから、こんな経験を積みたいと思っているんです」など、考えていることをできるだけ解像度高く言語化して、職場の上司や同僚などに広く伝えておきましょう。そうすることで、プロジェクトに声をかけてもらえたり、やりたかった仕事を任せてもらうチャンスが訪れやすくなります。
── インスタやツイッター、フェイスブックなど、SNSで発信するのもアリですか?
岩橋さん:
もちろんです。必要な情報もがぜん集まりやすくなるし、同じ目標や志を持つ仲間がみつかることで、モチベーションもあがりますよ。
社会で活躍することだけがすべてではありません。今は子育てを頑張る時期と決めたり、何かに打ち込んでみたりもあり。
重要なのは、誰のものでもない自分の人生だから、自分で舵取りをするということ。それによって納得感のある人生を歩んでいけると思います。
PROFILE 岩橋ひかりさん
株式会社MYコンパス代表取締役、キャリアコンサルタント。オンラインキャリア講座「MYコンパスSHIFT」「ライフキャリアプロフェッショナル養成講座」主宰。10年間の会社員生活を経て35歳で起業。他者との違いにより自分らしさに気づく、N対Nコミュニティ型ライフキャリア支援を行っている。著書に『最強のライフキャリア論。』(時事通信社) がある。
取材・文/西尾英子