自分にはこれといった強みがないから、仕事へのビジョンが見えない…。

 

そんな人は「他者を活用する」方法が有効だと、キャリアコンサルタントで、自身も二児の母である岩橋ひかりさんは話します。

 

女性が仕事における自身の強みを見つけ、人生に納得して生きていくための方法について伺いました。

「もしも自分なら…」で強みが見える

── 仕事をどうしていくか考えるためには、自分が何に向いているのか、自分の強みについて知ることも必要だと思いますが、これはどうやって見つけていけばいいでしょう。

 

岩橋さん:

強みを見つけるには、「他者を活用する」方法が有効です。要は、他者との違いによって、自分について知るということです。

 

他者の行動や価値観から、「もしも自分なら…」と考えることで、自分らしさに気づくことができます。

 

── 自分らしさというと、「人と比べないこと」と一般的には言われますが、自分らしさを見つけるために、あえて「他人の基準」を活用するのですね。

 

岩橋さん:

決して、相手と自分に優劣をつけたり、比べることで劣等感を抱いてしまう必要はありません。そうではなく、自分のことを多面的に気づくために、「違い」を見出して、それを活用すると考えましょう。

 

例えば、知人がある人について噂話をしていたとします。そのときに、話の内容を聞いて“自分ならどんなふうに捉えるかな”と考えてみるのです。「他者との違い」を見出すことが、自分らしさを見つけるヒントになります。

自分の強みは“内省だけ”では見つからない

── なるほど。そもそも「違い」に良し悪しはないですしね。

 

岩橋さん:

そういうことです。やはり自分のことは、いくら内省しても気づけない部分があります。ですから、いろんな人の視点や価値観を基準にして、考えてみることが大事。

 

ときには、誰かと「譲れないこと」を比べてみるのもいいかもしれませんし、SNSなどで見聞きした意見について、考えを深めていくのも良い方法です。

 

自分にはない意見や価値観に触れることで「私はそれには共感できないなあ」とか「私ならこう考える」と、どんどん「私らしさ」が明確になり、「自分軸」ができていきます。迷ったときも「自分軸」に照らし合わせて判断することで、後悔のない選択ができるようになりますよ。