「フォー!」「セイ、セイ、セイ」「バッチコーイ!」。サングラスに黒いエナメルのホットパンツ姿で、腰を振るパフォーマンスが人気のレイザーラモンHGさん(46)との結婚から16年。現在は、2児の母でもある住谷杏奈さん(39)は、夫の大怪我という逆境を乗り越え、プロデューサーとして成功するも一時、莫大な損害を出すことに。そのときに救いの手を差し伸べたのは…。
現在ヒットしている商品で失敗したことも
──数々の商品を世に送り出してきた杏奈さんですが、失敗したプロジェクトはありますか?
杏奈さん:13年前にプロデュースしたフルーツ味の青汁は、まったく売れなかったですね。現在では世の中に浸透して、当たり前のようにヒットしている商品ですが、13年前に企画してコレだ! と思い、売り出したら失敗に終わりました(笑)。
タイミングが早すぎることはよくありました。まったく新しいものを創りあげるよりは、既成のものでも別の目線や独自の考えを取り入れたものが、売れるということを学んだ時期でした。
──飲食店を経営していたこともあったんですよね?
杏奈さん:代官山にピザ店を出していたことがありましたが、大失敗でした!
それまでのビジネスは、プロデューサーという形で依頼されることが多かったのですが、ピザ店は初の経営、私がすべて出資したお店でした。1億円は損したと思います。
それまでは、ネット販売でのビジネスが多かったので、急に実店舗を持ちたくなってしまいまして。店内のグラスやプレートには、ロゴを金箔で入れることにこだわり、子ども用の食器は海外からメラミンの食器を取り寄せてロゴを入れたり、お店に置くハンドソープやハンドクリームまでオリジナルで作りました。
スタッフの制服やエプロンもすべて私がデザインして作り、本当に自分の思い描いていることを実現するためにお金を使ったので、ものすごく楽しかったですけどね(笑)。1億円はいい経験と、勉強代として使ったと思っているのでまったく後悔はしていません!
このころは、ピザ店のことで頭がいっぱいで、店舗に張りついて、夜中までスタッフと打ち合わせをしている状態で、ほかの仕事は手につきませんでした。子どもたちのスクールの送迎をした記憶はありませんね。
今度は夫が助けてくれた
──そのころは、逆にHGさんが支えてくれたのですね?
杏奈さん:そうですね。そのころはケガも回復して、コンビでRGさんと漫才を始めていたころで、ありがたいことに収入もまた増えてきていたので、今度は夫が私を金銭面で助けてくれました。
2人とも波がある仕事をしているので、その時々の収入はあまり気にせずに、“夫婦のお金”みたいな感じでうちは助け合っています。私が働けるきっかけをくれたのも夫ですしね!
私は女性が自立することのメリットも感じていますし、専業主婦のメリットも知っています。1度きりの自分の人生には、思いがけないところにチャンスが隠れていました。
やりたいときに、いろいろなことにチャレンジできる環境に感謝してこれからも突き進んでいきたいです!
私の大切な人には無理をせず自由に…
──今後はどんなビジネスを目指し、HGさんにはどうあってほしいですか?
杏奈さん:私の大切な人には、無理をせず、好きなことをしてもらいたいと思っています。
私のビジネスも将来どうなるかはわからないので、稼げなくなったとしても、家族が生活していけるように、去年から不動産の勉強をはじめて投資したりなど、種まきをしている最中です。
PROFILE 住谷杏奈さん
すみたに・あんな。1983年、北海道生まれ。タレント活動後、2006年にレイザーラモンHGさんと結婚。1男1女。実業家としても活躍。ヘアサロンやマツエクサロンなど都内で5店舗経営。プロデュースするヘアケアブランドは年間50億円の売上。
取材・文・撮影/CHANTO WEB NEWS 写真提供/住谷杏奈(Instagramより)