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世界を狙うアスリート寺田明日香 夫婦家事分担ってどうなってるの?

仕事

2021.02.04

寺田明日香さん

日本では数少ない“ママアスリート”。寺田明日香さんは、子育てをしながら100mハードラーとして世界を目指すトップアスリートです。

 

寺田さんは、パートナーと6歳の娘さんとの3人暮らし。保育園に子どもを預け、パートナーと共働きをしています。

 

家庭と仕事を両立させるために、寺田さん夫婦はどんなコミュニケーションを取っているのでしょうか。よい夫婦関係のコツについてお聞きします。

アスリートの勤務態勢って?夫婦の家事・育児分担は?

—— 寺田さんは、どのように仕事と家事、育児を両立しているのでしょうか。

 

寺田さん:

基本的には、子どもを認可保育園に預けている9時から夜7時までが私の時間です。1週間のうちだいたい5日が陸上の練習がある日、2日が練習のない日というルーティーン。練習のない日は、取材対応や主催するプロジェクトの打ち合わせ、連載コラムの執筆、所属している企業のイベント登壇などをしています。

 

冬季練習中は遅くまで練習をしているため、帰宅は夜8時近くになることも。料理は私の担当なのですが、この時期の平日はほとんどご飯を作る時間がなく、お惣菜を買いだめしたり、買って食べてもらったりすることもあります。娘はアフタースクールで出してくれる夕食を食べてくるので、とても助かっています。

 

シーズン前の1~3月は、合宿で家を空けることもあります。この時期の合宿は月に1回、長くて10日ぐらい。そのあいだは、夫がワンオペで家事、育児を回してくれています。

 

—— ご夫婦で、家事、育児をどのように分担しているのですか?

 

寺田さん:

夫は料理と掃除は苦手なのですが、娘の保育園や習い事の送迎、洗濯物干し、食器洗いなど、夫婦どちらでもできることは自分の役割だと思っているみたいです。自営業なので、うまく時間をやりくりしてくれています。

 

夫は、いつの間にか保育園や習い事でママ友とのLINE交換もしていて、コミュニケーションを取っているんですよ。我が家では、「土曜日、○○ちゃんちと遊びに行くから」と報告されるのは私のほうです。

 

私はご飯を作ったり、掃除をしたり、娘の服を購入したり…といったことをしています。最近は、AI家電にもいろいろとお任せしています。朝、切った食材をホットクックに入れておいて、夫と子どもが帰宅するころにできあがるようにしたり。

 

——とても理想的な分担具合に思えます。家事、育児の分担について話し合ったことはありますか?

 

寺田さん:

結婚当初からふたりで家事、育児をしてきて、特に分担について話し合ったことはないですね。私は娘が2歳のときに7人制ラグビーの選手として現役復帰しましたが、その頃から夫はより積極的に家事へ参加してくれるようになった気がします。

 

ラグビー選手だったときは合宿や遠征で家を空けることも多く、主人も会社員だったので、大変でしたね。認可保育園に入れない時期は、夫のお母さんの力を借りることもありました。

 

剃ったヒゲを洗面台に放置され…「何度言えばわかるの?」

寺田明日香さん

—— かなり理想的な家事、育児の分担度合いに見えますが、パートナーとはケンカになることも?

 

寺田さん:

もちろんあります。年に1度ぐらいは、3日間、無視し続けるぐらいの大げんかも勃発します(笑)

 

原因の多くは、夫がどこかを汚してそのままになっていること。私が一番気になるのは、剃ったヒゲを洗面台に捨てて、そのままになっているとき!些細なことでも、何度も注意しているのに直らないと、「だれかに掃除させてる自覚あるの?」「何度言えばわかるの?」と爆発するんですよね。

 

彼はマネージャーもしてくれているのですが、仕事のアナウンス漏れで揉めることも。当日台本を渡されたり、ダブルブッキングしていたりすると、仕事相手にも迷惑をかけますから。

 

—— 共働きで子育てをしていくコツは何だと思いますか?

 

寺田さん:

許容したり、諦めたりすること。独身時代、私は私生活も練習もすべて完璧にやり遂げたいという思いが強かったんです。弱い部分や欠点は見せたくないし、人に頼るのも苦手で。

 

でも、結婚して子どもが産まれると、時間もないし、完璧にこなそうとしても自分の首を締めるだけ。だから、洗面台のヒゲの粉もときには「今日はまあいいや」と目をつむりますし、娘の大事な行事と重なれば練習を早めに切り上げたりもします。

 

そして、終わったことについては、後から文句を言ったり、後悔したりはしないようにしています。

お互いの「絶対に聞いてほしい」を尊重する

寺田明日香さん

—— 子育てについて夫婦で話すことはありますか?

 

寺田さん:

習い事や学校についてはよく話し合います。習い事ならば、何をやらせたらいいか、本人が何をやりたいか、スケジュールの都合がつくか。学校関係ならば、中学受験はどうするか、いつから塾に行かせるか。グラウンドが狭いから補助的にどんな運動をさせた方がいいのだろうといったことも話します。

 

—— スポーツ選手ならではの視点ですね。夫婦間のかかわりあいで大切にしていることはありますか?

 

寺田さん:

普段は、娘が寝た後にその日の話をしたりもします。娘の話だけでなく、練習や仕事のことについても、「今日こんなことがあって…」と。

 

じっくりと互いの話を聞くこともあります。「これは絶対にパートナーに聞いてほしい」と思うことってありますよね。お互いに、どちらかがそういう雰囲気を出したときは、忙しくてもいったん手を止めて話を聞くように心がけています。

 

私たちの関係がうまくいっているとしたら、選手という特殊な仕事について夫がよく理解してくれていることも大きいと思います。練習のスケジュールや大事な試合のある時期などを把握しているだけでなく、表に出る必要性などもわかっている。

 

逆に私は、彼の仕事に対しては「やりたいことをやっていればいいんじゃない」というスタンス。それぞれに自立しながら、互いの仕事を応援し合っている関係です。

 

PROFILE 寺田明日香(てらだ・あすか)さん

1990年、北海道生まれ。100mハードルでインターハイ3連覇、日本選手権3連覇、世界陸上出場などを果たす。2013年に現役引退後、結婚、大学進学、出産を経て2016年に7人制ラグビーで現役復帰。2018年、陸上競技に復帰し、2019年に日本新記録を樹立。世界を目指しながら、アスリートのキャリアについても発信している。

 

取材・文/有馬ゆえ 撮影/河内彩

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