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【体験談】会社員を辞めてフリーランスへ。夫の理解や、収入面の心配は?

仕事

2020.06.04

2020.06.05

「このまま会社員を続けていいのかな。フリーランスで働くってどうなんだろう」。以前から、CHANTO WEBにはそんなママたちの声が届いていました。けれども何から始めていいのかわからない…とも。

 

「ママがフリーランスで働くこと」をテーマとして全4回でお届けするこの特集。第3回は、フリーランス協会で事務局長を務める中山綾子さんにご登場いただき、体験談を伺いました。

 

会社員時代と比べて生活は大きく変わったと語る中山さん。その働き方に影響され、のちに夫まで転職したというエピソードも。会社員とフリーランス、どちらも経験しているからこその、リアルな声を紹介します。

 

Profile 中山綾子さん

プロモーションプランナー。2017年に独立と同時に、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会に参画し、現在は理事兼事務局長。翌年、個人事業を(株)DaccoDayとして法人化。東京・町田市でコワーキングスペース「コワーキング喫茶cosoadot」の運営も行い、地域コミュニティ活性化を目指す。6歳の男の子の母。

 

みずから仕事を取捨選択できるフリーランスは自分向きだった

——小さな広告代理店の会社員として、イベントの企画・運営などのキャリアを積んでいたそうですね。出産・育休・復職を経て、3年前にフリーランスとして独立したきっかけを教えてください。

 

中山さん:

以前は広告代理店のような、小さな企画会社で働いていました。おもに企業のキャンペーンや展示発表会、ファンイベントなどプロモーション関係の業務が中心で、夜遅くまで仕事をするのが当たり前のハードな生活でした。

 

子どもが生まれてからは、朝7時に保育園に預けて、一番遅い時間に迎えに行く…という日々で。「この生活、けっこうしんどいなぁ。本当にこのままでいいのかな?」と悩んでいたんです。

 

しかも当時、外部のパートナーと仕事をするなかで、予算規模が少なくて会社としては受けられないけれど、私が個人で請け負えば成立するような、小規模イベントの仕事が出てきていました。

 

「私個人で手伝っていいですか?」と会社に許可をとり、副業的にお手伝いしているうちに、直接頼まれる仕事が増えてきて。そういうものを柔軟に自分で選択できるようにしたいと思い、独立を決めたんです。

 

——お子さんがいてその生活はハードだったでしょうね。独立を決めた当時、お子さんは3歳だったと伺いました。夫婦共働きの家庭で、会社を辞めることに不安はなかったですか?

 

中山さん:

自分がどこまでできるのかという不安はありました。でも、個人的に受けていた案件や、前職のつながりで仕事をいただけそうな企業がいくつかあったので、何とかなるかなと。

 

ただ、最初のうちは固定収入があった方が安心かなと思い、退社のタイミングでフリーランスに仕事を紹介してくれるサービスに登録して、固定の案件を引き受けていました。

 

夫は私の仕事に対して理解があったので、独立については反対されませんでしたが、やはり収入面には心配があったようです。「子どももいるし、心づもりをしておきたいからどんな計画なの?」と聞かれましたね。

 

——ご主人の心配もあったんですね。実際にフリーランスとして働いてみて、率直にどう感じていますか。

 

中山さん:

自分には向いていたなぁと思います。働く時間も場所も、誰と働くかも自由ですし、仕事内容を自分で選択して、共感できるプロジェクトにだけ関わらせてもらえるのはすごくよかったなと。

 

仕事の合間に子どもの歯医者に連れて行くとか、習い事の送り迎えにも柔軟に対応できるので、会社員時代ではできなかった働き方だなと思います。必然的に子どもと過ごす時間も増えましたし。

 

とはいえ、自分が動かない限り収入はないので、頑張り続けなきゃというプレッシャーはあります。あとは請求書を出したり、契約書の内容をチェックしたり…。そういう個人事業主ならではの雑務があるのは、最初は負担かもしれません。

 

初めての確定申告はクラウド会計を使って、やりながら覚えました。続けていると、個人とは契約できない企業もあって、個人だと信用がないのか…とハードルを感じたこともあります。なので、独立して2年後に法人化しました。

 

フリーランス1年目は、国民健康保険と国民年金をこんなに支払うのか!と驚きましたね。会社員時代は会社で受けられた健康診断も、自分でお金を払って意識してやらないといけませんし。なんでも自分でやるという自覚は徐々に身につけていくしかなかったですね。

 

 

会社員の夫との間に生じた働き方のズレでケンカも…

——中山さんがフリーランスになったことで、家庭に変化はありましたか?ご主人やお子さんとの過ごし方も変わったのではないでしょうか。

 

中山さん:

夫は会社員なので、子どもが寝ている深夜や早朝に私が仕事をしていることに違和感があったようで…。「その時間の使い方どうなの?」と監督されているような感じがありました。

 

あと、家で仕事するようになったので、「家にずっといたくせに家事が進んでいない」というような文句を言われて、カチーン!みたいな。当時の夫とのバトルは壮絶なものがありましたよ(笑)。

 

フルタイムで働いているのは同じなのに、時間の融通がきく人が家のことをやる…みたいな雰囲気もどうにかしたかった。例えば子どもの突発的な用事の付き添いや調整役は全部私。「そのためにフリーランスになったんじゃない!」といつも不満を訴えていました。

 

今思えば、夫も当時は朝から晩までハードに働いていて。疲れて帰ってきたのにダイニングテーブルに私の仕事の書類が広がっていたり、団らん時間にチャットの返信をしたりする私に、イライラしていたのだと思います。

 

それに気づかず私も、「嫌なら変えたらいいじゃん」と夫にも自由を強いていたんです。夫は「自由ばかり求めるな」と…お互いわかり合えない日々でした。

 

——どうやってお互いへの理解を深めていったのですか?

 

中山さん:

私が保証のないフリーランスになったことで、知らないうちに夫に「自分が家族のために頑張らなきゃ」というプレッシャーを感じさせていたようで。それが一番の問題点で、夫婦のズレにも繋がっているんだと気付きました。

 

時間が解決したこともありますが、話し合いもたくさんしましたよ。夫自身もほとんど家にいない仕事漬けの働き方に疑問を感じるようになっていて。私からも「もっと家にいてほしい」と伝えましたし、「もう少し違う働き方ができないか」「それができる会社に目を向けてみたらどうか」と、夫婦で一緒に考えるようになりました。

 

結局その後、夫は柔軟なスタイルで働ける会社に転職しました。本人も少し息苦しさから解消されたようです。最近はコロナの影響で夫も終日在宅勤務をするようになり、「家で仕事すると、隙間でチャットを返したり、家族時間でずれ込んだ仕事を朝晩こなすようになるのは仕方ないね」とさらに理解を示してくれるようになりました。互いの立場を経験することが一番理解の近道だと実感しています。

 

 

——このコロナ禍で、フリーランスとしての悩みも多い時期かと思います。フリーランスの先輩として、働き方に悩むママに伝えたいことはありますか?

 

中山さん:

私はイベント関係の仕事が多いので、コロナの影響ですべて中止になりました。経営しているコワーキングスペースも休業したりと打撃は大きいです。会社員だったら給料や休業補償がもらえたかもと思いますが、かといってフリーランスを辞めようとは思わないんですよね。

 

複数のクライアントの仕事を並行していたことで収入が絶たれず救われた点もありますし、撒いていた種が事業として動き出すこともあります。ピンチも自分の選択の上だと覚悟もありますし、何とか解決策を見つけて好機につなげていきたいと感じています。

 

「子どもがいるからこうしなきゃ」とか「今こんなことを望むべきじゃない」とか、自分で決めつけてることって案外多い。でも、“誰も自分にそれを強いていない”んですよね。

 

夫ともよく話すのですが、「そんなこと誰が決めた?」と、自分に問うのって大事だなと。まずは小さな変化を怖がらないことですよね。

 

子育て中のママから、フリーランスになりたいという相談をよく受けるのですが、「夫に許してもらえない」という方が意外と多いです。チャレンジできるスキルを見極めて、認めてもらえるだけの固定収入を得ようと思えば、仕事を紹介してくれるサービスがありますし、自力でゼロからお客さんを探す時代でもありません。

 

チャレンジしたい気持ちがあるなら、今ある便利な仕組みを活用して最初の収入を得て、旦那さんのことも説得してみてほしいです。むしろ負けないぐらい稼げるようになって精神的にも経済的にも自立して、極端な話、いつ別れても大丈夫ぐらいの心持ちを、日本の全女性にもってほしいです!

 

——働き方の変化はインパクトが大きいぶん、夫婦の考え方の違いは「“フリーランスあるある”かもしれませんね」と話す中山さん。最終回となる次回は、再びフリーランス協会・代表理事の平田麻莉さんに話を伺い、アフターコロナの働き方について考えます。

 

 

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取材・文/大野麻里

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