コピーしました
お使いの端末は
この機能に対応していません

時間単位の有休取得で変わった父親意識のリアル

仕事

2019.12.20

子育てと仕事をどう両立させるか。

これは今や、男女関係なく子どもを持つ親が抱える課題です。

 

少しずつ子育てに参画しやすい環境を整える企業は増えていますが、実際に働いている人、特に男性はどのように制度を使い、仕事との折り合いをつけているのでしょうか。

 

時間単位の有休取得が父親による育児を後押しする!?」では、花王人財開発部門D&I推進部の荒川さんに、フレキシブルな働き方ができる制度についてのお話をうかがいました。今回は、そうした制度を使いながら働いているという、花王のお父さん社員2人にインタビュー!

 

2人とも40代後半で、部下を束ねる立場。仕事をやりくりしながら家事・育児にも参画しているそうです。

制度を使っていて感じたことや周りの反応などを、聞いてみました!

「お互い無理なく働き続けるために」

小川直哉さん小川直哉さん/コーポレートコミュニケーション部門広報部(小学生1人、保育園児1人の子育て中)

 

──時間単位で取得できる有休などの制度を使いながら働いているとのことですが、具体的にはどのように使っているのでしょうか?

 

小川さん

私は妻の勤め先が半日単位でしか有休を取得できないため、子どもが熱を出したときなど、「お互い半日ずつ仕事をしよう」という時に時間単位の有給を使っています。

職場までの通勤時間もかかるので、例えば私が午前中働いて12時に会社を出てから帰宅してバトンタッチすると、妻は13時からの午後の仕事には間に合わないんです。なので、私が仕事を11時で切り上げて帰る、という形ですね。

 

佐々木さん

私はPTA関連の集まりや学校の面談に出席するために時間単位の有休を使うことが多いです。

また、(固定で就業開始・終了時間を2時間までずらすことができる)時差勤務の制度を使い、通常より1時間遅い9時半に出勤しています。帰りは遅くなりますが、朝は妻の出勤後に私が子どもを送り出しから家を出る、という役割分担です。

フレキシブルに、お互い無駄なく働けるので助かっています。社内の雰囲気も「お互い様」「どうぞどうぞ」という感じですね。

 

佐々木智朗さん佐々木智朗さん/人財開発部門知創部課長(小学生2人、保育園児1人の子育て中)

 

──うまく制度を使い、夫婦で協力されているんですね。

今は、男性が積極的に家事や育児に関わることがスタンダードになりつつある変化の時代だと感じます。お2人ははじめから家事・育児に関わろうという気持ちがあったのでしょうか?

 

佐々木さん

長男が生まれて、妻も自分も分からないことだらけの育児をしていく中で、だんだんとこれは分担しなければだめだな、と感じるようになりました。

妻は育休を取っていましたが復帰する前提でしたので、「お互いなるべく無理なく働き続けるにはどうすればいいか」と考えたとき、使える制度があるならば使おうと考えました。

 

小川さん

私は長男が生まれて3か月くらいの間、「子どもが生まれたんだから仕事を頑張らないと!」と思って仕事の方に一生懸命になってしまっていたんです。

そんな中、会社で開かれた外部講師によるパパ向けの育児講座に出席したことで考えが変わりました。「ママも子育てのプロじゃない。お世話をする回数が多いからできるようになるだけ。パパもやればできる」といった話を聞いて、「自分もやらなければ」と気付いたんです。そう思えたきっかけがあったのはすごくありがたかったですね。やり始めてからは、両立に必死でした。

 

いかに効率的にやるかを突き詰めるように

小川直哉さん

 

──育児に積極的に関わる中で、ご自身の仕事に対する意識も変わりましたか?

 

小川さん

180度と言ってもいいくらい変わりました。以前はあまり時間を意識せずに残業している部分もあったんですが、いかに効率的にやるかというのを突き詰めるようになりました。何かあった時に周りにどうお願いできるか、ということも考えるようになりましたね。

あと、少し話は変わりますが、親にとって、子どもに何かあったら自分がどうにかしなければいけない、というプレッシャーってありますよね。それを今まで男性は女性だけに押し付けてきたのかもしれないと感じるようになりました。

男性も子育てに関わることでそれを担えるようになったのはいいことなんじゃないでしょうか。

 

──確かに、育児に関する責任が女性にばかり負わされていた面はあるかもしれません。それも分け合えると、子育てしやすくなりそうですよね。

若い世代にとっては、お2人のように会社の制度を使って育児と両立しながら働いている上司がいるというのは心強いのではないかと思います。

 

佐々木さん

リーダーやマネージャーが私たちのような働き方をしているというのを見てもらうことによって、調整や連絡は必要ですが、周りに遠慮することなく時間単位の有休や時差勤務などの制度を使っていいのだというメッセージが伝わっているのではないでしょうか。

人によって状況は様々かとは思いますが、人生の中でそういう働き方の時期があってもいいですよね。私も子どもが生まれてから限られた時間の中でどう働くかという意識が強くなりましたし、長い目で見て良い影響があると思います。

 

上の世代からの理解 「自分はできなかったから」と背中押される

 

──そうした考え方が広がっていくと、子育て世代が働きやすい社会になりそうです。

逆にあまり子育てに関わらなかった方も多いであろう上の世代の方々は、フレキシブルな働き方をすることに対してどのような反応でしたか?

 

小川さん

私は次男が生まれた時に育休を取得したのですが、ひと回り上の先輩から「うらやましいな」と言われたんです。それを聞いて、「男性は育児や家事をしない」のではなく、周りの環境もあったんだ、と気付きました。自分はせっかく取得するのだから頑張ろう、と思えましたね。

 

佐々木さん

私も上司に「自分はできなかったからやってあげて」「背中を見せてあげて」と言ってもらえています。

上の世代でもやりたい人はたくさんいたのかもしれませんね。だからこそ、「やれる時にやってあげて」と後押しするような雰囲気を感じます。

 

 

 

子育てと両立しながら働くことで効率を重視するようになったというのは、企業にとっても利点になりますよね。

ここまで制度が整っている企業は多くないかもしれませんが、家族や働き方に関する価値観が変わる中、「自分たちもできなかったのだから我慢しろ」と言うのではなく、「あなたはやってあげて」と言える社会になっていくと、良い連鎖が生まれるのではないかと感じました。

 

取材・文/小西和香 写真/小林キユウ

あなたにオススメの記事

仕事テーマ : 【働き方】その他の記事

働き方
もっと見る