2019.04.22
仕事においてもプライベートにおいても、身近な人とコミュニケーションをとっていく中で、「価値観の違い」を実感することもありますよね。相手のことを理解したい!という気持ちはあっても、「自分とは違う価値観」を目の当たりにすると……戸惑いも強くなってしまいます。
とはいえ、相手とより良い関係性を築きたい!と思うときには、両者の間の「溝」を埋めるための努力が必要となります。自分とは感じ方が違う人との間に感じる、溝の埋め方、そしてうまくやっていくためのコツを紹介します。
■溝を埋めたいなら、「相手に合わせる意識」が必要
コミュニケーションで、他人との間に溝を感じるという経験は、決して珍しいものではありません。むしろ、「他人同士で、無意識でありながら価値観がピッタリと合う」ケースの方がまれだと言えるでしょう。多かれ少なかれ、価値観の溝を上手に乗り越えながら、より良い関係を築いていくことが重要となります。
そのためには、両者が努力して、溝を埋めようとする姿勢を見せることがコツとなります。これは、「今日はラーメンを食べたい!」という人と「今日はパスタが食べたい!」という人、二人がランチに出掛けるときに、両者の希望を叶えられるファミリーレストランへと出掛けるようなものだと言えます。
しかし中には、「今日は○○というお店のラーメンが食べたい!」なんて頑固な方も存在しています。この場合に、溝を埋める意識で行動するのであれば、「自分もその行動に倣う」というのがベストな存在だと言えるでしょう。相手側に「合わせる」意識がない場合、こちらが合わせるしかありません。
とはいえ、「パスタが食べたい!」という気持ちに、そこまで強いこだわりがないのであれば、相手の価値観に同調してみるのも悪いことばかりではありません。相手にとってオススメの、非常に美味しいラーメンを食べられるのかもしれません。
■相手の価値観を肯定することは、相手に好意を示すこと!
自分自身の価値観を抑え、相手の価値観に一方的に合わせることに対して、「どうして?」という感情を抱いてしまう方もいるかもしれません。自分ばかりが我慢を強いられているようで……納得できない!と思うこともあるかもしれませんね。
しかし「相手の価値観に合わせる」ということには、大きなメリットもあります。
人は誰しも、「自分の価値観」を当たり前のものと受け止め、それを大切に考えています。他人からそれを容赦なく否定されることは、とても悲しいことなのですね。
先ほどの例で説明すると、「○○のお店のラーメンが食べたい!」と言う人に対して、「あんなお店、美味しくないよ!」というようなもの。相手の心には、むっとする気持ちと共に、反感の気持ちが芽生えてしまうことでしょう。
一方、「いいですね。私も食べたいです!」と言ってくれる相手に対しては、どうでしょうか。自分の価値観を認め、受け入れてくれる相手に対して、人は好意や親近感を抱きがちです。この相手に対する肯定的な感情こそが、その後のコミュニケーションを円滑に進めていくためのポイントとなります。
心理学では、相手に行動や言葉、食べ物などを合わせることで、自然と好意を抱かれやすくできる「ペーシング」というテクニックがあります。相手の価値観に合わせるということも、このテクニックの一つなのです。
上司や同僚、夫など……価値観の溝で悩む相手は、決して少なくありません。しかしその全てと対立していては、精神的にヘトヘトになってしまう方も多いはずです。余計なあつれきを生まないためにも、「合わせられるところは積極的に合わせていく」というスタンスでいることで、人間関係を円滑にできるのかもしれませんね。
■良い人間関係が築ければ、自分の価値観も伝えやすい
価値観の違う相手とより良い人間関係を築くためには、「まずは自分が合わせてみる」ことを意識してみてください。相手との間に良い関係が出来上がったら、次は自身の価値観をさりげなく相手に伝えていく番です。
嫌いな相手から言われても、すんなり受け入れられないことでも、好意を抱いている相手から言われた場合には、なぜかすんなり受け入れられる!なんて経験をしたことはありませんか? お互いの価値観の違いについても、同じことが言えます。
「○○のラーメンを食べに行こう!」と言われたときでも、「今日はパスタの気分なんです」と伝えてみれば、「そうか、いつも合わせてもらっているし、じゃあ今日はパスタにしよう!」なんて、融通も利きやすくなるでしょう。
価値観の溝を埋めるために必要なのは、結局のところ、コミュニケーションです。まず「より良い人間関係の構築」を意識して行動をスタートすることで、結果的に両者の間の溝を埋めやすくなる、というわけですね。
■まとめ
身近な人との間に価値観の溝を感じてしまったとき、強いストレスを感じてしまう方も多いのではないでしょうか。「どうしてわかってくれないんだろう!」なんて、つい不満を口にしてしまいがちですよね。
しかしそもそも、価値観は一人一人異なっているのが当たり前のもの。お互いに、お互いの価値観を認め、譲り合うことこそが大切なのです。
相手の方に「譲る姿勢」が見られないときには、まず自分の方から「お手本」を示してあげましょう。良い関係性が構築できれば、相手の方からの歩み寄りも期待できるようになるはずです。長い目で見て、少しずつ良い関係を築いてみてくださいね。