2019.12.06
巷で何気なく見かけるフレーズでも、意味をよく考えるとおかしなことってありますよね。街中で見かける「女性が喜ぶ」「女性でも大丈夫」などのキャッチコピーについて、疑問の声が上がっています。
「女性に人気」は女性差別?
海外生活が長かったという女性は、日本で度々目にする「女性に人気」「女性でも簡単」といった広告やキャッチコピーに違和感がある様子。「女性はこういうもの」とレッテルが貼られている気がして、外国人の旦那さんと「外国だとアウトだよね」と話しているそうです。
「女性は強いお酒が飲めない」「女性は工作が苦手」というイメージの広告について、「誰にとっても良くないやり方」と意見を述べました。
「『飲みやすいお酒が好き』に性別は関係ない」という女性の主張に、ネット上では「女性なら・男性ならって、今では古い考え方だよね。当たり前に聞き流していたけど、“女性でも簡単”という言葉は差別的だと思えてきた」「私もこういったコピーに違和感がありました。書いてる方は親切のつもりかもしれませんが、生き方を狭めている気がします」と共感する声が。
また女性の意見を聞いて、「ハッとさせられる指摘でした。日本だと当たり前に見かける光景でも、世界基準だとそういう認識になるんですね」「勉強になる…。男女関係なく好みや得意不得意の話なのに、いつのまにか当たり前に受け入れていた」と衝撃を受ける人が相次いでいます。
息苦しさを感じていた男性も…
男性からも、キャッチコピーに違和感を持つという意見が続出。
「このキャッチコピーは、裏を返せば男性も追い詰めてるんですよね。“男なら工作できるでしょ”みたいな偏見には、息苦しさを感じていました」「性別に縛られることはないと思う。男女関係なく飲みやすいお酒は好きだし、工作が得意な人もいるよ」とのコメントが。「『男女ともにおすすめ!』じゃダメなのかな?」「性別について触れないでいいのにって言葉は多い」と変化を求める声も集まっていました。
一方で「過剰反応では?」という意見を持つ人も。
ネット上では「『女性に人気』と書けば女性に売れるからでしょ?実際工作が苦手だったり強いお酒が飲めない女性は見かけるし…」「工作が苦手な女性は周りに大勢いる。レッテル貼りというよりは、興味を持ってくれる人を増やすための工夫だと思う」など、商業的なキャッチコピーに過敏すぎるといった声が寄せられています。
違いを認めて押しつけない文化
様々なシーンで「男女平等」が浸透してきた現代ですが、アイスランドにはあえて“男女分けクラス”を行っている教育機関も。アイスランドといえば、世界経済フォーラムが発表する「ジェンダーギャップ指数」が最も少ない国として知られています。福祉情報総合サイト「NHKハートネット」は、「世界で1番男女平等な国」であるアイスランドの「男女分けクラス」に注目。
「男女分けクラス」を行っているのは、ジェンダー平等教育に力を入れているマルグレ・パラ・オラスドッティルさんが運営している幼稚園です。子どもたちは男の子だけ、女の子だけのクラスに分けられ、それぞれの遊びに夢中。女の子がマントをつけてごっこ遊びをしたり、男の子がかけっこしたりと自由に遊び回っていました。
マルグレさんは男女がそれぞれの空間で育つことによって、異なる文化を堪能できると考えたそう。男女が平等に暮らすためには「幼少期から自分らしく過ごすこと」、「社会からの性別役割分担を押しつけないこと」が大事だといいます。
性別によって異なる部分があったとしても、「男だから」「女だから」と生き方を押しつけない文化が育っていくといいですね。
文/河井奈津