2019.05.25
2021.05.23
不意を突かれてとっさに言い訳をするとき…頭をフル回転させて、いろいろと考えますよね。今回お話を聞いたのは、自身の不倫現場を目撃された妻たち。最大のピンチを迎え「なんとかこの場を切り抜けなくては!」と思いついた苦しまぎれの〝嘘〟が、とんでもなくおもしろい‼︎ 本人たちにとってはまったくシャレにならないけれど、他人からしたら大爆笑の言い訳の数々。どうぞお聞きください!
■うちのお父さん、若いの!(陽子さん/32歳/事務員)
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5年ほど前から不倫関係の男性がいます。私の4歳年上で、昔の職場で上司だった人。彼とのデートは、知り合いのいない県外へ出掛けるか、彼の家で過ごすのどちらか。不倫なので、誰に見られたら困りますからね。
でも実は一度だけ、近場の映画館に行ったことがあったんです。その日はつき合い始めて1年目の記念日。彼の仕事が忙しくてなかなか会えなかったんですが、「少しだけでも」と時間を作ってくれたんです。
そのことが嬉しくてつい油断していたんですね、気がつけば大胆にも、彼の腕に手を回して歩いたりしちゃったんですよ。そしてこの現場を、ママ友が目撃していたんです。翌朝、出勤前の私を呼び止め、好奇心あふれる笑顔で「ねえ、昨日一緒にいた人だれ?」と。
さすがに頭のなかが真っ白になりましたよ。その場を切り抜けるのに必死で、つい口から出たのが「あ、あれは父よ!」…それを聞いたママ友は呆れ顔。当たり前ですよね。相手はたったの4歳年上、父親に見えるはずもありません。
なんとか強引にその場を押し切り、逃げるように会社へ向かいました。「身内を使うなら、どうして兄って言わなかったんだろう…」あの時に戻れるならやり直したいです。
どうしてもカラオケしたくて(佳奈さん/30歳/パート)
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「昨日、男の人とホテルに入って行ったでしょ?」
保育園のママ友に耳元でささやかれ、頭が真っ白になりました。確かに昨日は不倫相手とホテルにいったので、心当たりはあります。でも50kmも離れた隣の市の郊外のホテルですし、しっかり周りを確認してから入りました。
見られているわけがない、でもママ友はそれを目撃したと言っている。「あてずっぽう?」とも考えましたが、日と場所もピンポイントなのでそれは考えにくい。一瞬の間にめまぐるしく、頭をフル回転させます。
なんとかごまかさなくては、でもあまり沈黙が続くと怪しまれる。思わず口にしたのは「あ~、あれは友達よ、友達!」平静を装いつつ、心臓バクバク。自分で言いながら、(友達とラブホに入る理由ってなんだ!?)と考え始めて。
冷や汗が背中に流れるのを感じながら「あそこのホテル、カラオケあるじゃない? ふたりでカラオケしようって話になったんだけど、あの辺カラオケ屋がなくてさ〜」と、無茶苦茶な言い訳を続けました。
分かっていたんです、あまりにも無理があるのは。でも、このときの私にはこれが限界でした。あまりに苦しまぎれの私に同情してくれたんでしょうか、ママ友もそれ以上は追求してきませんでした。
似た人がいるって言われるの(香織さん/29歳/受付)
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行きつけのカフェの店員と不倫関係になったのは、ちょうど1年ほど前のことです。彼は隣町の人通りの少ない場所に住んでいたので、密会には絶好の場所だったんです。2週間に1回ほどのペースで通っていました。
しかしある日、その姿をママ友に見られてしまったんです。しかもふたりで手を繋いで、彼のマンションに入って行くところを…「ねえ、この前イケメン君とマンションに入って行ったでしょ?」ランチしながらママ友にそう聞かれ、固まりましたね。
頭に浮かぶのは手を繋ぎ、仲睦まじく歩く私と彼の姿です。もし本当に見られていたとしたら、弁解の余地はありません。(ここはシラを切り通すしかない!)そう思い「え、なんのこと? 知らないよ~」ととぼけてみました。
するとママ友は「え、絶対、香織さんだったよ~」と食い下がってくるんです…そりゃそうですわ、だって私なんだもの。でも、絶対に認めることはできない! そこで「ああ、最近よく言われるのよ、なんか私のそっくりさんが隣町に住んでるみたい。私よりちょっと背が高かったでしょ?」。
すると、運よく「あ~、確かに。香織さんよりちょっと背が高かったような気がする。勘違いか~、残念!」と引き下がってくれたんです。(これは使える…!)テーブルの下で、密かにガッツポーズしたのでした。
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大ピンチに追いつめられたとき、人は自分でも思いもよらない言動をするものです。お話を聞いた不倫妻たちが、このまま無事に切り抜けられたのかどうか、その後は想像にお任せします。もしも、あなたが同じ立場になったとしても…決して真似はしないでください(笑)。
ライター:葛西 明