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東京五輪で主将も!ラグビー・松井千士選手の「メンタルを鍛える方法」

仕事

2022.01.17

ラグビー・松井千士選手

チーム練習は1時間あまり。とにかくずっと走っている!

2022年1月に開幕するラグビーの公式リーグ『JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(通称:リーグワン)』。コロナウイルス感染拡大の影響を受けて1月7日の開幕戦は中止となりましたが、今後も熱い戦いが続きます。

 

リーグワン内で名実ともにトップ選手の呼び声高いのが、横浜キヤノンイーグルスに所属する松井千士(まつい・ちひと)選手。東京五輪に出場した7人制ラグビーでは、チームの主将を務めました。

 

今回はトップアスリートならではの、メンタルの鍛え方や休みの過ごし方について伺います。

オリンピックで身に着けた「動じないメンタル」

── 東京オリンピックでチームの主将を務めた際は、やはりプレッシャーは感じていましたか?

 

松井さん:

キャプテンは2年間務めましたが、僕にはそれまで経験がなかったし、年下が1人しかいなかったので、プレッシャーはもちろんありました。最初は周りの先輩たちを引っ張っていかなくてはという焦りもあって。

 

でも、自分ひとりで引っ張っていくのが本当にリーダーの役目か?と考えたとき、それは僕には合っていないと感じたんです。ひとりで突っ走っていても誰もついてこない、周りの先輩に相談して頼れば、ほかの選手もついてきてくれるんじゃないかと。それで、みんなで一緒に横並びでチームをつくっていくことを目指しました。

 

── オリンピックの経験は、今のチームでも生かせていますか?

 

松井さん:

そうですね。1つのことにいちいち動じていたら、チームはうまく回らない。自分自身が些細なことに動じなくなったという部分では、ひと皮むけたなと思います。

ラグビー・松井千士選手

練習は短期集中タイプ

── 東京オリンピックという大舞台で、緊張せずにいつもと同じパフォーマンスを行うために苦労した点はありますか?

 

松井さん:

実はあがり症で、練習試合でも緊張するんです。だからオリンピックなんてもっと緊張するだろうなと思っていました。

 

とはいえ、緊張しないようにしようって考えても仕方ない。だから、緊張してもそれが自分だと思うようにしていました。自分を俯瞰して見られる部分が残っていたので、オリンピック中もいつもどおりに行動できましたね。

 

── 練習以外でも、いつもどおりに過ごせていましたか。

 

松井さん:

学生時代は、試合前に音楽を聴いて気持ちを高めていました。でも、オリンピックは無駄に気合いを入れることなく、いつもどおりの生活を送ろうと心がけました。そうすることで、些細なことで動じなくなりましたね。

 

── 動じなくなったきっかけはあったのでしょうか。

 

松井さん:

監督に「一喜一憂するな」って言われたんです。プレーに集中していても、誰にでもミスはあるし、完璧な選手はいないと。だから、ひとつのプレーに対して喜んだり落ち込んだりしないようにしています。

 

トライした後も、頭の中ではもう次のプレーに切り替えています。そういう態度で取り組んでいると、ミスしたときもすぐに取り返せるんです。

ラグビー・松井千士選手

高く飛んでボールをキャッチする姿に身体能力の高さがうかがえる

── 達観していますね!

 

松井さん:

いや、学生時代はそんなふうには考えられなかったです。オリンピックもそうですが、社会人になってから揉まれたことで、今のメンタリティがつくられたと思います。

何度も辞めたいと…引き止めたのは仲間の存在

── 体力的にも精神的にもハードなスポーツだと感じますが、辞めたいと思ったことは?

 

松井さん:

ありましたよ。学生時代は試合に出られない時期があったので辛かった。でも、ここで辞めて一緒に仲間たちとプレーできないほうが辛いと感じたから、続けられました。

 

── とはいえ、小1から27歳の今までラグビーを続けているのは素晴らしいことですよね。ひとつのことを長く続けるのに必要なことって何でしょう。

 

松井さん:

僕の場合は、仲間に恵まれたのが長く続けられた一番の理由かな。ハードなスポーツなので、楽しいだけでは続けられませんから。

 

オリンピック出場が決まったとき、大学の友達やキヤノンはもちろんのこと、移籍前に所属していたサントリー(東京サントリーサンゴリアス)も、ムービーを作って応援してくれたんです。そういう人間関係を構築できたのが、ラグビーが楽しいと思えた要因だと思います。

ラグビー・松井千士選手

現在はプロだが、社員選手の経験も。「今はラグビーに集中できる環境でありがたいです」

── プロの選手と学生時代とでは、どういった部分が違うと感じますか?

 

松井さん:

学生のときは勝ちたい気持ちが強かったと思います。プロになってからは、勝つことより「お客さんにいいパフォーマンスを見せて喜んでもらいたい」と思うようになりました。

 

今年から『リーグワン』というプロリーグが始まりますが、横浜キヤノンイーグルスのホストエリアの横浜の人たちに「リーグワンには松井千士がいる」と“魅せるプレーをすること”が目標です。

実はお笑い通!? YouTubeから元気をもらう

── 普段の練習はどれくらいしますか?

 

松井さん:

練習がある日は、朝8時からウェイトトレーニングをして、そのあとにチーム練習。午前中で練習が終わるので、生活にはメリハリがつけられます。ラグビーはチームワークが大事なので、メンバーで練習後の食事中に戦術などの話し合いもします。

 

── 練習が終わった後は、みなさんどんなふうに過ごしていますか?

 

松井さん:

おのおので自由に過ごしています。僕の場合はオフはパーソナルジムに通ったり、コーヒーが好きなので自宅でコーヒーを淹れたり。どこまで短い時間で集中してラグビーに取り組めるかを意識していますね。

ラグビー・松井千士選手

ラグビー選手としては細身の松井さん。長い手足が印象的

── オフにチームのみんなと過ごすこともあるのですか?

 

松井さん:

最近はみんなでゴルフに行きます。ラグビー選手にはお酒好きが多くて、コロナ以前は試合後にロッカールームでよく飲んでいたんです(笑)。それがコロナの影響で集まって飲むことができなくなり、チームでオフに活動できるからとゴルフをする選手が増えてきたんですよ。

 

── ラグビー選手だとすごく飛びそうですね!

 

 松井さん:

飛びますよ(笑)。打ちっぱなしに行くと周りの人からよく話しかけられますね。「体が大きいなあ。スポーツは何をしているの?」って。

 

── そうでしょうね(笑)。ほかにもリラックスできるような趣味はありますか?

 

松井さん:

YouTubeの動画が好きで、毎日練習後に家で動画を観るのが楽しみです。とくにお笑いが好きで、年末はM-1グランプリも観ました。あと、お気に入りは5人組ユーチューバーグループ「コムドット」の動画。勢いがあって面白いんです。

「子どもが自慢したくなるようなお父さん」になるのが目標 

── 昨年12月に、ビーチバレーの坂口佳穂選手との入籍を発表されました。結婚して変わったことは?

 

松井さん:

独身時代は自炊はあまりしていなくて、外食が多かったんです。結婚してからは妻が栄養などを意識して食事を作ってくれて、ありがたいですね。

 

今後もし家族が増えたら、子どもに自慢したくなるような父親になりたい。プロラグビー選手として活躍しているのを、家族が誇らしく思えるような選手になりたいと思っています。

 

PROFILE 松井千士(まつい・ちひと)

1994生まれ、大阪府出身。横浜キヤノンイーグルス所属のラグビー選手。チームのポジションはウィング(WTB)。2016年リオデジャネイロオリンピックや2021年東京オリンピック、2018年ワールドカップセブンズの日本代表にも選出された。今年1月から開催されるラグビープロリーグ『JAPAN RUGBYLEAGUE ONE』でも活躍が期待される。

取材・文/池守りぜね 撮影/二瓶 彩 取材協力/横浜キヤノンイーグルス

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