日本お歳時記クイズ【親子で覚えたい】

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特集「今さら聞けないお正月マナー」第5回目は、2019年に特に覚えておきたい、子どもと楽しめる行事をご紹介します。

 

<ひとつ前に戻る> 日本人なら知ってるでしょ!?お正月の遊び10選にまつわるトリビアわかる!?

 

節分(2月3日/立春の前日)

もともと節分には「季節の分かれ目」という意味があります。ですから、本来は立春、立夏、立秋、立冬の前日のことをいい、年に4回あります。しかし、室町時代あたりからは立春の前日だけをさすようになりました。旧暦では1年が春から始まるため、立春はお正月と同じくらい大事な日と考えられていたからです。

 

Q:節分に豆をまくのは、

鬼に扮したパパに思いっきり豆をぶつけることで

ママのストレスを発散するため?

 

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「鬼は外〜、福は内〜」と言って豆をまくのは、悪いことを引き起こす邪気や冬の寒気の象徴である鬼を追い払うためです。昔の人は、災害や病など人の力ではどうにもならないことは鬼のしわざと考えていました。特に季節の分かれ目には邪気が入りやすいとされていたため、節分に鬼を追い払うようになったのです。

 

ではなぜ豆で鬼を追い払うことができるのでしょうか。それは、豆には霊力が宿ると考えられていたからです。豆を魔物の目(魔目=まめ)にぶつけることで魔を滅する(魔滅=まめ)ことができるとされたのです。鬼が弱いのではなく、豆が強いのです。

 

 

Q:豆まきに使う豆はなんでもOK?

 

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豆なら何でもいいというわけではありません。豆まきに使う豆は、炒った大豆でなければなりません。拾い忘れた大豆から芽が出てしまうと縁起が悪いとされ、「炒る」は「射る」にも通じるからです。炒った大豆は「福豆」といいます。福豆は豆まきをするまで、神様の力が宿るように、枡に入れるか、白い紙を敷いて、神棚や目線より高いところにお供えしておくとよいでしょう。

 

なお、北海道などの雪国や落花生の産地では、大豆ではなく落花生をまくところもあります。

 

[一般的な豆まきの仕方]

①窓を開けて「鬼は外〜!」と外へ向かって豆をまきます

②鬼が戻ってこないよう窓を閉めてから「福は内〜!」と室内にまきます。奥の部屋から順番に、最後は玄関までまきます。

③豆まきが済んだら1年の無病息災を祈りながら自分の年齢よりも1つ多く豆を食べましょう。これを「年とり豆」と呼びます。

鬼は真夜中にやってくるので、夜の方が効果的です。できるだけ家族全員でやりましょう。

 

 

ひな祭り/桃の節句/上巳の節句(3月3日)

ひな祭りは女の子の健やかな成長を願う行事です。ひな人形を飾ってお祝いする家庭も多いのではないでしょうか。しかし、もともとは女の子だけでなく、年齢や性別問わず幸せを願う邪気払い行事「上巳(じょうし)の節句」「桃の節句」でした。女の子の節句となったのは江戸時代に入ってからです。女の子がいる家庭はもちろん、男の子しかいない家庭でも春をお祝いする行事として楽しみましょう。

 

 

Q:ひな人形を飾る時期は特に決まっていない?

 

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ひな人形は立春以降、つまり節分が終わってから飾りましょう。もともと水に関係する行事だったことから雨水(2月18日頃)に飾り始めるのがよいという説もあります。

 

ひな祭りには、菱餅やひなあられ、白酒(子どもはノンアルコールの甘酒)、はまぐりの潮汁、ちらし寿司などでお祝いします。3色のお餅を重ねた菱餅(上から桃・白・緑色)には「健やかな子に育ってほしい」という願いが込められていて、桃色には疫病よけ、白色は清浄、緑色は厄除けの意味があります。

 

 

Q:「ひな人形を早く片付けないと婚期が遅れる」というのは、

呪いをかけるため?

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「ひな人形を早く片付けないと婚期が遅れる」という迷信は、娘の幸せを願う親心の表れです。

 

もともとは現在のように飾るひな人形ではなく、「流しびな」という紙や草で作った人形に穢れを移して川に流していたため、厄を移した人形を早く遠ざけた方がいいとされたのです。また、「片付け上手の娘にしたい」「おひな様のように早く幸せな結婚をしてほしい」という親心もあり、「ひな人形を早く片付けないと婚期が遅れる」といい、ひな祭りが済んだら早く片付けるようになりました。

 

気にせずに飾っておいても構いませんが、3月中旬、遅くとも春分までにはしまうようにしましょう。

 

 

こどもの日/端午の節句(5月5日)

こどもの日に鯉のぼりや兜などを飾ってお祝いする家庭も多いと思いますが、もともとは季節の節目に菖蒲で邪気払いをする「端午の節句」という行事がルーツです。

 

Q:こどもの日は男の子だけを祝う日?

 

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冒頭でもお伝えしたように、こどもの日はもともと「端午の節句」が起源です。それが昭和23年に男女の別なく子どもの幸せを願う日になりました。「国民の祝日に関する法律」では「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日となっています。

 

ですから、男の子の有無にかかわらず、家族みんなで幸せを願ってお祝いしましょう。本来は、菖蒲で邪気払いをする行事なので、菖蒲を浮かべた菖蒲湯に入ると無病息災で過ごせるといわれています。

 

 

七夕(7月7日)

七夕は五節句のひとつで「七夕の節句」といいます。織姫と彦星の話は有名ですよね。さて、2019年は天の川が見られるでしょうか。

 

 

Q:七夕の願い事を飾るのは笹竹でないとダメ?

 

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笹竹には天の神様の力が宿るといわれています。そのため、願いを込めた飾りものを笹竹に吊るし、天に向かって掲げるのです。

 

七夕の飾りには願い事を書いた短冊だけでなく、五色の糸やテープで作る「吹き流し」(魔除け)や千羽鶴(長寿祈願)、巾着(金運上昇)、網飾り(豊作、招福)など、願いを込めた飾りものを用います。折り紙で作れるものばかりなので、お子さんと一緒に作っても楽しいですよ。

 

 

Q:七夕の短冊には何を書いてもいい?

 

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七夕は技芸上達を願うまつりに由来するので、「◯◯が欲しい」」「◯◯へ行きたい」という欲望ではなく、習い事や物事の上達を願うのが筋です。また「無病息災」や「家内安全」、「織姫」、「天の川」といった七夕にちなむことばを書きます。

 

短冊の色にも意味があり、青・赤・黄・白・黒の五色が用いられてきました。五色そろえた方が幸せになるといわれています。

 

 

お盆(8月13日〜16日)

日本ではお盆期間に夏休みを取る人が多く、新幹線や高速道路など各地で混雑が見られます。最近ではお盆=夏休みというイメージが強くなりましたが、本来、お盆は先祖の霊(祖霊、精霊)を家に迎えて供養する行事です。よく「盆と正月」といわれるように、重要な行事とされ、親しまれてきました。

 

 

Q:お盆の期間は全国どこでも一緒?

 

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一般的にはお盆期間といえば8月15日を中心とした8月13〜16日ですが、地方によってさまざまです。7月15日を中心にお盆を行う地域もあれば、7月全体を盆の月とする地域、旧暦7月15日にあたる日に行う地域もあります。昔は7月15日に亡くなった人が帰ってくると考えられていましたが、新暦では8月半ばにあたることから多くの地域では8月に行うようになりました。

 

【一般的なお盆の日程】

・13日:迎え盆。盆棚をしつらえる。お墓参りをして、夜、迎え火で精霊を迎える

・15日:盆中日。外に出ていた家族も帰省。親戚の盆棚にもお参りする

・16日:送り盆。送り火をたき、盆棚を片付けて精霊を送り出す

 

最近ではお盆の行事をしない家庭も増えていますが、命のつながりに感謝し、故人の好きだったものを供えたり、写真を見ながら思い出話をするだけでも気持ちが伝わります。お子さんにも伝えていきたいですね。

 

Q:盆踊りは踊りを楽しむだけでなく、婚活の場としても使われていた?

 

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盆踊りはもともとはお盆に迎えた精霊を慰める「霊鎮め(たましずめ)」の行事です。15日の晩に盆踊りをして16日に精霊送りをするためのものなのです。

 

ただ、昔から娯楽の要素もありました。地域の人との交流や帰省した人との再会、そして男女の出会いの場でもあったのです。

 

 

十五夜(9月中旬ごろ/旧暦8月15日)

旧暦8月15日の十五夜は1年で最も美しいとされ、「中秋の名月」とも呼ばれます。古来、月には暮らしを支える重要な役割があったことから、お月様に月見団子や里芋料理をお供えし、感謝と祈りを捧げるようになりました。2019年の十五夜は9月13日です(毎年変動します)。

 

 

Q:昔の人は月見団子を盗み食いされると喜んだ?

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月見団子を近所の子が盗み食いすると、お月様が食べてくれたからいいことがあると考え、喜んだといいます。これを「月見どろぼう」といいます。

 

 

Q:十五夜は満月と決まっている?

 

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十五夜は満月とは限りません!月と地球の公転軌道の関係で新月から満月までの日数が14〜16日間と日数に差があるため、むしろ十五夜が満月にあたる年の方が稀なのです。2019年は9月13日が十五夜ですが、満月は翌日の14日です。

 

 

七五三(11月15日)

子どもにまつわる一大イベントといえば七五三です。七五三は、3歳の男女(地域によっては女の子のみ)、5歳の男の子、7歳の女の子の健やかな成長を祈願する行事です。一般的には11月15日に晴れ着を着て神社に参拝します。

 

 

Q:昔の七五三では、男女とも3歳までは髪を剃っていた?

 

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昔は、衛生面を考え、乳児のうちは女の子であっても髪の毛を剃っていました。七五三の3歳の儀式は、3歳で初めて髪を伸ばし始めた「髪置き」の儀式に由来します。男の子は3歳の儀式を行わないという地域もありますが、もともとは男女ともに行っていました。

 

 

Q:七五三は和装じゃなきゃダメ?

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洋装でも構いません。ただ、もともとは男の子が5歳になると初めて袴を着ける「袴着」の儀式と、女の子が7歳になったら本式の帯をつける「帯解き」の儀式に由来しているため、和装が望ましいといえます。

 

日にちも基本的には11月15日ですが、都合のいい日にお祝いする人が多くなっています。子どもの年齢についても本来は数え年で祝いますが、満年齢や、兄弟姉妹を一緒にお祝いするなど、臨機応変に対応して構いません。

 

形式にこだわらず、家族みんなで楽しんでください。

 

 

冬至(12月22日ごろ)

太陽の位置が1年で最も低くなる日が「冬至」です。つまり、1年で最も日が短い日のことです。2019年の冬至は12月22日です(毎年変動します)。

 

 

Q:冬至を境に運気が上がる?

 

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昔から冬至は「太陽が生まれ変わる日」とされ、冬至を過ぎると太陽の力が蘇ると考えられてきました。太陽は生きる上で欠かせないものなので、太陽の力が蘇る日は生きる力も回復する日、つまり冬至を境に運が向いてくると考えられてきたのです。陰が極まり再び陽にかえることを「一陽来復」といいます。

 

 

Q:ゆず湯に入れる柚子は輪切りなどカットしたものでもいい?

 

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ゆず湯に入れる柚子は丸ごとでも、輪切りや半分にカットしたものでも構いません。

 

昔から冬至にはゆず湯に入る風習があります。これは運を呼び込む前に厄祓いするための禊(みそぎ)だと考えられています。昔は毎日のように入浴しませんから、一陽来復のために柚子の香りで邪気を払い、身を清めるという意味があったのです。また、ゆずは「融通」、冬至は「湯治」に通じます。

 

ゆず湯に入ると病気をせず、元気に冬を乗り越えられるといわれています。「一陽来復」と唱えながら入るとさらによいとされています。

 

いかがでしたか?すべての行事にはこんな奥深い意味があったのです。単なるイベントとしてではなく、行事の意味を知ったうえで文化に親しんでみてください。

 

1月は家族で睦まじく過ごす月なので「睦月」といいます。年神様に感謝しながら、良いお正月をお過ごしください!

 

監修プロフィール/三浦康子(みうらやすこ)


和文化研究家、ライフコーディネーター。古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、WEB、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても知られている。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』ほか多数。http://wa-bunka.com/

取材・文/田川志乃 イラスト/クリハラタカシ

田川志乃

フリーライター。1児のママ。食や子育て、身近な生活に関する記事を中心に執筆中。