麻しん風しんって何?よく聞くけど…症状と対策は?|小児科医監修

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「麻しん風しん」という病名を、

一度は聞いたことがあるはずです。

ただ、どんな病気か?については、意外と知られていなかったりします。

また、「麻しん風しん」と一緒に呼ばれることが多い病気ですが、

「麻しん」と「風しん」は別の病気です。

これらの病気の特徴について、

小児科医の保田典子先生に

分かりやすく解説してもらいました。

 

 

 

どんな症状?

「麻しん風しん」の症状


「麻しん」と「風しん」は別の病気です。

「麻しん」は、「はしか」と呼ばれることも多い病気です。主な症状は、発熱、咳、鼻水、発疹など言葉で書いてしまうとただの風邪のようですが、風邪と比べて症状が重いのが特徴です。見るからに重症である感じがあり、全身がむくみ、グッタリとします。

発症するとまずは、発熱、咳、鼻水だけの症状の「カタル期」と呼ばれる時期が数日あり、その後一旦熱が下がったように感じますが再度発熱します。そして、赤く小さな発疹が広範囲に出るのが特徴です。

肺炎・脳炎などの合併症も多く、感染症の中でも致死率が高い病気ですが、現在はワクチン接種が義務付けられているため、感染しても症状が軽く済むことが多いようです。これを「修飾麻しん」と呼ばれます。日本では1歳になるとワクチンの接種が義務付けられています。                             

「風しん」は、はしかに症状がとても似ていますが、三日という短期間で軽快することから「三日ばしか」とも呼ばれます。はしかに比べ重症である感じは少なく、発熱、発疹、リンパ節腫張が大きな症状です。発熱がない場合もあり、「不顕性感染」といって、ほとんど症状が出ない人もいます。

ただし、妊娠中の女性がかかってしまうと、知的障害、心臓病、難聴、目の病気、成長障害など赤ちゃんに重い障害が出る可能性があります。妊娠が初期であるほど重い影響が出る傾向があるので、将来妊娠を希望していて予防接種をしたことがない方、そして男性も予防接種を受けるようにしましょう。

 

 

何が原因なの?

「ウイルス」による感染症


麻しんも風しんも、いずれもウイルスによる感染症です。麻しんは麻しんウイルス、風しんは風しんウイルスが原因です。とても感染力が強いウイルスのため、手洗いやマスクなどの予防だけでは、防ぎきることがなかなか難しい病気です。

 

 

自宅での対策は?

接種時期が来たら予防接種を必ず受けて


特効薬としては予防接種を受けることのみ。MR(麻しん風しん混合)ワクチンがそれにあたります。予防接種を受けることで発症を9割以上防ぐことができますので、必ず接種するようにしましょう。

日本では1歳の誕生日を迎えた頃にワクチンの接種が義務付けられています。

 

予防接種前に発症してしまったらすぐ受診を


ワクチン接種前の0歳代の赤ちゃんが発症してしまう可能性もある病気です。肺炎になることも多いので、症状が出て呼吸が少しでも乱れはじめたらすぐに受診をしましょう。0歳代で発症したら、入院が必要となることも多くあります。

 

麻しんは予防接種以外の対策は、なかなか難しい


麻しんの感染力は非常に強く、空気感染します。一緒の空間にいる場合は、予防接種をしていない限りはどんなに予防をしても、感染を防ぐことは難しいと言われています。

 

風しんは比較的感染力が低いので、予防接種以外の対策も可能


風しんは症状が軽く済むことが多いので、ケアで気をつけることはそこまでありません。感染力も麻しんに比べて弱く、飛沫感染です。家族内で感染した人がいたとしても、部屋を分けることなどで予防することができます。

ただし、妊婦さんの場合は特に注意が必要です。妊婦さんは予防接種歴を確認して、医師に相談しましょう。

 

 

いつ登園できる? 

登園の目安。麻しんは「解熱して3日経過したら」、風しんは「発疹がなくなったら」


麻しんは感染力が強いので、完全に解熱してからも一般的には3日間くらいは登園できません。

一方で、風しんの場合は発疹が消えたら登園できる場合があります。いずれにしても、登園許可証が必要なことが多いです。

 

保田先生よりひとこと


麻しんは、MRワクチンの接種が義務付けられたことにより、現在の日本ではほとんど発症を見ることがなくなりました。海外からの感染者で一時流行があることはありますが、ワクチンを接種している子でしっかり症状が出るほど感染した報告はほとんどありません。ほとんど見られなくなった分病気の恐ろしさも知られなくなりましたが、致死率がとても高い病気です。しっかりワクチンで予防したいものですね。

風しんで気をつけたいのは、とにかく妊婦さんへの感染です。妊娠中の女性にかかると赤ちゃんに重い障害が残ることが心配されます。MRワクチンを接種しているお子さまであれば、感染することはまず心配する必要はないでしょう。これから生まれてくる子に障害が出ないようにするためにも、子どもも大人もワクチン接種がとても重要となる病気です。成人男性は摂取率が低い傾向にあり、成人男性から妊婦さんに感染してしまうこともあります。行政からの補助があるワクチンですので、積極的に予防接種を受けましょう。

 

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取材・文/松崎愛香  トップ画デザイン/山本めぐみ(el oso logos) イラスト/岡村優太

保田典子

医療法人財団アドベンチスト会 東京衛生病院・小児科医。日本小児科学会認定専門医。2男・1女の母。第1子の出産を機に、東京衛生病院小児科へ。自身も働くママであるという立場から、ママの気持ちによりそった診察で定評がある。現在はブログ「『ママ小児科医が実践している忙しくても家族の健康と発達を伸ばす子育て』や、公式LINEで自身の子育てや子どもの健康や発達についての見解を発信中。「育児はママだけでなく、みんなでするものです。不安があったらなんでも相談してくださいね」

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