夏の三大感染症・手足口病、ヘルパンギーナを解説|小児科医監修

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夏になると、子どもたちの間で感染しやすい病気の上位3位が

「手足口病」「ヘルパンギーナ」「プール熱」の3つ。

この3つは総称して「夏の3大感染症」とも呼ばれるほどです。

今回は、そのなかでも症状が似ているとされる

「手足口病」と「ヘルパンギーナ」をピックアップ。

●症状は?

●自宅でのケアは?

●どれくらいの目安で登園できるの?

など、それぞれの病気の特徴について

保田典子先生に分かりやすく解説してもらいました。

 

 

 

どんな症状?

「手足口病」の症状


その病名の通り、「手・足・口」に発疹が出ます。手は手のひらに、足は足の裏だけという子もいれば、おしりにかけてまで広範囲に出る子もいます。口は口のまわりを中心に発疹が出る子もいます。このように軽度の子と重度の子で出る範囲は大きく違いますが、手足に発疹が出たら、まずこの病気が疑われます。

さらに、口の中に口内炎ができるので食事や飲み物を受けつけなくなり、脱水症状になる場合もあります。

発熱は1〜2日、長くて3日ほど。発熱しない場合もありますが、0歳〜1歳台の小さな子は、ほぼ熱が出ると思っていたほうがいいでしょう。感染するのは、5歳未満の小児が80%を占めます。

 

ヘルパンギーナ」の症状


「手足口病」の症状ととてもよく似ていますが、手足には発疹は出ず、口内炎のみ。手足口病は手足に発疹が出るので親が目視で気づくことが多いのですが、ヘルパンギーナは気づくのが遅くなりがちです。手足に発疹がなく、咳や鼻水もなく、子どもがのどの痛みを訴えたら、まずヘルパンギーナが疑われます。

 

 

何が原因なの?

 

原因はウイルス、何度も感染するケースも


二つの症状は似ていますが、手足口病の原因ウイルスは「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」。一方、ヘルパンギーナは「コクサッキーウイルスA群」が原因。ウイルスの型がいくつかあるので、何度もかかってしまうことも珍しくありません。一度かかったウイルスには感染しないので年々軽くなっていく傾向にありますが、ウイルスによっては重い症状のものもあるから、去年より今回のほうが重かったという場合もあります。

 

 

自宅での対策は?

 

家での“食事”はどうすべき?


病気自体に効く特効薬はないので、基本的には熱を下げる解熱剤くらいです。いずれも口内炎の影響で食欲が落ちることが多いので、栄養バランスは気にせずに、子どもが食べられるものをとにかく食べさせてあげましょう。いつも好んで食べるゼリーやプリン、アイスなどでもいいでしょう。食べたくない場合は、無理に食べさせる必要はありません。

ただし、脱水になるのを防ぐために、水分はしっかりと摂取させましょう。いつもは糖分の取りすぎや虫歯が気になり控えめにするジュースも、このときばかりはカロリー源。進んで飲ませて構いません。水分が取れず脱水になるほどひどい場合は、入院して点滴対応する場合もあります。

 

家での“お風呂”はどうすべき?


病気の際「お風呂はどうすればいいでしょうか」という質問がよくあがりますが、お風呂がなぜダメかというと、感染をしてしまうからというよりは、体力を消耗してしまうからなのです。お風呂に入れるかどうかは、“本人の様子”を第一優先に考えて。ぐったりしているようだったらタオルで拭くだけにしてあげる、元気そうであればシャワーでサッと済ませるなど。湯船に浸かるのは体力をたくさん消耗するので、体調を崩したときにはやめておきましょう。

 

家族感染で気をつけることは?


いずれの病気も飛沫感染で移る病気です。同じ部屋にいると、感染する可能性が高いです。マスクなどをすることで、感染する確率を減らすことはできますが、完全に隔離することが大切です。

大人は免疫ができているので感染しづらいですが、手足口病は大人がかかると重症になると言われ、足の裏の発疹が痛くて歩くのが困難になる場合もあります。

 

 

いつ登園できる?

 

登園の目安は「3日〜」


熱が出る子も出ない子もいるので、どこからが感染しない状態かという定義づけが難しい病気でもあり、熱が下がってごはんが食べられるようになったら登園可能とされる場合もあれば、発疹がなくなり完全に乾くまでは登園不可とされる場合も。

登園の目安や登園許可証の要不要は、園やかかりつけ医に確認しましょう。

軽い場合では、3日もたてば登園できるようになります。

 

保田先生よりひとこと


特に「ヘルパンギーナ」などは、その名前から得体のしれない感染症だと思われがちですが、普通の風邪の一種と思ってもらえばいいでしょう。

病名がついたからといって「感染してしまった……」と落ち込むのではなく、「早く治して元気になって保育園にいこう!」くらいな気持ちで、どーんと構えてくださいね。

発熱しても全身状態が落ち着いており睡眠が取れていれば、夜間受診の必要はありません。翌朝に受診しましょう。感染症の診断がおりた場合は、小児科医や保育園に確認をし、許可証の有無を確認してください。

 

取材・文/松崎愛香

保田典子

医療法人財団アドベンチスト会 東京衛生病院・小児科医。日本小児科学会認定専門医。2男・1女の母。第1子の出産を機に、東京衛生病院小児科へ。自身も働くママであるという立場から、ママの気持ちによりそった診察で定評がある。現在はブログ「『ママ小児科医が実践している忙しくても家族の健康と発達を伸ばす子育て』や、公式LINEで自身の子育てや子どもの健康や発達についての見解を発信中。「育児はママだけでなく、みんなでするものです。不安があったらなんでも相談してくださいね」

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