育休後の異動提案はマミートラックの布石!?ママの本音は?

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vol.9 産休・育休後の部署異動

育児、仕事、家事、社会のこと、ママたちが普段気になっていることをCHANTOモニターに大調査!ママたちの「どうして?」を「なるほど!」に変える記事をお届けします。vol.9は「産休・育休後の部署異動」についてです。

 

先日放送された「ガイアの夜明け」の伊藤忠商事に関する特集がSNSで話題となりました。

注目されたのは、3年7ヶ月の産休・育休を取っていた総合職の女性が上司から経理などの管理部門への異動を勧められたシーン。突然の海外出張などがあり忙しい部署よりも勤務時間が決まっている管理部門の方がママが働きやすいのではと提案されていました。

 

この様子にネットでは「子どもがいながら突然の出張がある部署は無理だから仕方ない」「育児のことを考えて提案してくれているからいい会社なのでは」と会社側への賛成意見、「産休・育休を取ったらキャリア上マイナスってこと?」「優秀なのにキャリアを諦めなければいけない女性はたくさんいる」と反対意見が巻き起こりまし

 

共働き家庭が増えたとはいえ、まだまだ子育てと仕事の両立に悩むのは女性です。子育て中だからという理由で、責任のある仕事をまかされなかったり、昇進から遠ざかってしまう「マミートラック」という言葉に表されるように、自身のキャリア形成と子育てを天秤にかけて苦しんでいる人が多いのが現状です。

 

ママたちはどんな風に考えているのでしょうか?CHANTOモニターのみなさんに聞きました。

 

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約9割が家事・育児サービスの利用しない金額以外の理由とは?

 

 

育休後の異動提案はマミートラックの布石なのか!?


まずは「産休・育休明けに会社側からの異動の提案されることをどう思いますか?」と聞いたところ、「賛成」57%、「反対」14%、「その他」29%という結果となりました。「その他」は現在育休中や妊娠を機に退職したという人です。

 

「賛成」と表明した人のほとんどは、人によっては産後もバリバリ働きたいのか、家庭を優先したいのかが違うので、「強制ではなくあくまで提案として本人の希望を聞いてくれるならいいのでは」という人がほとんどでした。

 

次に「育休後の職場復帰の配属先」について聞いたところ、「同じ部署に復帰した」30%、「希望して、育休前と同じ部署に配属された」22%で、計52%のママが同じ部署に復帰していました。

 

事情をよく知る同じ部署に復帰しても「育休前はバリバリ働いていたが優先順位が子どもになり、身が入らなくなった」という人もいれば、「第一線からは外れサポートに回ったが、逆に違う視点が身につきよかった」という人もいて反応はさまざま。

 

「前の部署と違う部署になった」という人は全体で21%。その内訳は「希望していないが、育休前と違う部署に配属され、結果よかった」が9%、「希望して、育休前と違う部署に配属された」8%、「希望していないが、育休前と違う部署に配属され、納得していない」4%でした。

 

「結果的に会社を違う角度から見ることができてよかったけれど、キャリアは途中で途絶えてしまったため、少し残念ではあります」とマミートラックに苦しむ人の声も多くありました。

 

しかし、それを上回ったのは部署移動が結果的にキャリアアップになったというコメント。

当初は異動に戸惑ったママも「予想外に専門的な知識を身に付けることができた」「ワーママが多い部署になり、互いに残業ができないけれどどうしたら効率的に仕事ができるか取り組めている」と意欲的に仕事に取り組んでいるようです。

 

同じ部署で仕事が大幅に変わってしまったママからもこんなエピソードが寄せられていました。

「同じ部署に復帰しましたが、アイデアを発揮する仕事から作業や雑用を担当するようになり”何やっているんだろう”と本気で思っていました。それでも復帰を温かく迎えてくれた部署の人たちのためにと、効率的に「作業」をするよう取り組むようにしたり工夫をするようになった結果、所内表彰につながりマミートラックも脱出できました」

 

本人がやりたい仕事や希望の部署があったとしても、同僚の過度な負担になる場合や会社の不利益になる場合など望みを叶えられないこともあります。その際落ち込んでしまうかもしれませんが、そこで仕事への意欲を失うのではもったいないですよね。

 

どんな経験も無駄にならないと考えて、違う視点から仕事を学べる、会社を見られると前向きにスキルアップ、キャリアアップへの足がかりにしていきたいですね。

 

復帰の際に会社や同僚と話しあう機会、働き方を考える期間が欲しい


最後に「産後の働き方についてどのような施策が望ましいか」という問いに回答してもらいました。その結果、本人、会社、部署の同僚との話し合いの場がほしいという意見が大半に。

 

三者みんなが納得する結論が出るかは難しいかもしれませんが、意見を交わすことで互いの希望、不安点を理解できるため、働き方の調整がしやすい施策と言えそうです。

 

また、「まずは復帰して働いてみてできるかできないかを判断する期間が欲しい」という意見もありました。

 

本人は産前と同じように働けると思っていても、家庭の事情などでそうはいかないケースも多々存在します。仕事を途中で放り出すことになったり、家庭に無理が出てしまうようでは意味がありません。そして何よりママ自身の負担にならないか試す期間が取れると本人としても、会社としても安心ですよね。

 

私たち自身も、自分が優先したいのは仕事なのか家庭なのかを考える機会を一度持ち、どんなキャリアプラン、ライフプランを望むのかじっくり練ることも重要です。
また現状、キャリアを形成したい場合にはパパの協力も不可欠なため、夫婦でじっくり話し合う機会を設けましょう。

 

働くママのキャリア形成は、個人や会社だけの問題ではなく日本全体の課題です。女性だけが子育てと仕事を両立に悩まずに済む環境や制度が切に求められています。女性も働き方を自由に選択できるような社会になるよう、子育て世代の私たちがその経験や意見を積極的に発して少しずつでも変化をもたらしていきたいですね。

 

取材・文/阿部祐子 イラスト/児島衣里

©️CHANTO調べ 調査期間:2019年5月15日〜23日 調査対象:CHANTOモニター106
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阿部祐子

出版社に勤務したのち渡米し、長男を出産。帰国後はフリーライターとしてWEBメディアを中心に執筆を行う2児のママ。CHANTO webでは主に育児、アート、ハンドメイドなどの記事を担当。ライター業とともに、がま口作家としても活動している。週末は趣味の建築巡りと街歩きに、夫と息子たちを連れ回している。