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老後資金を貯めるならiDeCo!ただし年末調整も忘れずに

マネー

2019.05.04

2019.12.01

money201904-5ここまで、つみたてNISAやNISAについてお伝えしてきました。特集最後となる今回は、老後に備える投資として注目のiDeCo(イデコ)についてお伝えします。

iDeCoとは?


iDeCoとは、国民年金を納めている人なら原則、誰でも加入できる個人型確定拠出年金のことです。以前は企業年金のある会社員や専業主婦などは加入できませんでしたが、2017年から原則、誰でも加入できるようになりました。

確定拠出年金とは、毎月一定の金額(掛け金)を積み立てて(拠出)運用することで、老後資産を作る仕組みのことですが、iDeCoを始める最大のメリットは節税しながら老後資産が貯められるという点にあります。

 

ここでiDeCoの特徴について改めて見ていきましょう。

・購入できる商品:投資信託(ETF含む)、定期預金、保険などから選べる。定期預金や保険は「元本確保型」、投資信託は「価格変動型」と呼ばれ、これらの商品を併用することもできる

・非課税上限:加入区分によって掛金の上限は異なる。掛金の全額が所得控除の対象となるため、住民税と所得税を軽減することができる

・非課税期間:60歳になるまで拠出可能だが、60歳を迎えるとそれ以降は拠出できない

・投資方法:月ごとなど一定の頻度で継続的に拠出。月々5,000円以上から1,000円単位で拠出。年1回以上まとめて拠出してもよい

・受給開始年齢:60歳から。ただし、加入期間が10年に満たない場合は繰り下げられる

 

拠出できる限度額は働き方や併用する制度によって異なります

原則、誰でも加入できるiDeCoですが、拠出できる金額は働き方などによって変わってきます。まずは自分の限度額を確認しましょう。

 

・第1号被保険者:自営業者、フリーランスなど・・・月額68,000円(年間81.6万円)※1

・第3号被保険者:社会保険上の扶養者になっている主婦(夫)や、企業年金がない会社員(第2号被保険者)など・・・月額23,000円(年間27.6万円)

・第2号被保険者のうち、確定拠出年金・企業型*に加入している会社員など・・・月額20,000円(年間24万円)※2

・第2号被保険者のうち、確定給付年金に加入している会社員や公務員など・・・月額12,000円(年間14.4万円)※3

※1:国民年金基金との合算枠

※2:確定拠出年金・企業型への事業主掛金の上限を年額42万円とすることを規約で定めた場合に限り加入できる

※3:確定拠出年金・企業型を併用する場合、事業主掛金の上限を年額18.6万円とすることを規約で定めた場合に限り加入できる

 

会社員や公務員の方で企業型の確定拠出年金と併用したい場合は、勤務先の企業型確定拠出年金に上限額を定めた規約が必要となるため、勤務先に確認してみましょう。

 

iDeCoは3つの税制優遇が受けられるから魅力的!


iDeCoが注目されている理由としては、なんといっても①拠出時、②運用している間、③給付時という3つの税制優遇措置があるからです。それぞれの税制優遇について具体的に見ていきましょう。

 

①拠出時・・・拠出した金額が全額所得控除されます。

たとえば、月2万円、年間24万円拠出した場合、所得から24万円を引いた額に所得税がかかるということになります。年収400万円で所得税率5%の人であれば、所得税は12,000円、住民税は24,000円安くなります。これは無視できない金額です。

 

②運用している間・・・非課税で運用できます。

通常は投資で得た利益には20%程度の税金がかかります。しかし、iDeCoではNISAやつみたてNISAと同様、税金がかかりません。

 

③給付時・・・60歳を過ぎてお金を受け取る時に控除が受けられます。

iDeCoで形成した資産を受け取る方法は、「一括」と「分割」のいずれかを選択できます。(一部を一括で受け取り、残りを分割にする「ミックス」という受け取り方もあります)

一括で受け取る場合は「退職所得控除」が受けられます。ただし、会社から支給される退職金とiDeCoで受け取る金額の合計額によって、課税されてしまうこともあるので注意が必要です。

分割で受け取る場合は「公的年金等控除」を利用できます。こちらも、公的年金の支給額と合わせた金額がいくらになるかを考える必要があります。

「給付時の控除は、裏を返すと自分が積み立ててきたお金に対して課税される可能性があると考えることもできます。①や②の特徴で税を徴収されるタイミングを後ろにずらし資産を増大できる可能性を高める、もし最終的にものすごく増えていたとしても③の特徴で支払う税金を抑えられると捉えるといいかもしれません」

 

「一括と分割、人それぞれ有利な受け取り方法が異なるので、税理士に相談するのがおすすめです」と風呂内さん。日本税理士連合会には全国に窓口があり、無料相談を実施しています。また「ねんきん定期便」などで公的年金についても情報を集めて受け取り方の戦略を立てましょう。

 

iDeCoで注意したい3つとは?


ここまで税制優遇についてお伝えしてきましたが、iDeCoを始める上では以下の3点に注意しましょう。

 

①手数料がかかる

iDeCoは専用口座を開設する時と、運用を維持する間に、それぞれ手数料がかかります。

口座開設手数料が安い金融機関でも2,777円、毎月拠出する場合は年間で2,004円以上かかります。2018年からは年払いも選べるようになったので、月払いに比べると拠出する際の手数料は抑えられるようになりました。

拠出する金額は手数料との関係も考えながら決めましょう。

 

②60歳まで引き出せない&原則、途中解約できない

NISAやつみたてNISAはいつでも現金化してやめることができますが、iDeCoは原則60歳になるまでお金を引き出すことも解約することもできません。また、加入期間が10年に満たない場合は受給開始年齢が後ろ倒しになります。

拠出金額は年に1回だけ変更できますが、最低でも月5,000円以上と決まっています。拠出をお休みすることもできますが、その間も月64円~の手数料負担は続きます。節税の手厚さは魅力的ですが、あくまでもセカンドライフを充実させるための資金なので、日々の生活費や当面の費用についてしっかりと考えた上で利用するかを慎重に考えましょう。

 

③運用次第で減ることもある

投資信託を活用する場合は、拠出した額よりも減る可能性は伴います。元本確保型の定期預金や保険などを選んで、減税効果だけを受け取るという考え方もあります。

年末調整または確定申告が必要です


せっかく税制優遇が受けられるのに、それを申告しなければお金は戻ってきません。会社員や公務員であれば、年末調整が必要です。iDeCoを統括する国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届くので、会社などから渡される「給与所得者の保険料控除申告書」に金額を記載の上、証明書を添付して提出しましょう。iDeCoを始めた月が11月以降の場合は証明書の到着が年末調整に間に合わないことがあるので、自分で確定申告をする必要が出てきます。

自営業の方は、例年通り確定申告する際に、「小規模企業共済等掛金払込証明書」に記載された金額を記入し、証明書を添付して税務署に提出しましょう。

 

風呂内さんは、iDeCoを始める目安として、「預貯金が500万円以上あること、もしくは45歳」といいます。iDeCoは、NISAやつみたてNISAと併用して運用できるので、まずはNISAなどを試しつつ、長期的にはiDeCoで老後資金対策を検討するのがよさそうです。

 

PROFILE 風呂内亜矢(ふろうち あや)


1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、全国銀行協会 金融経済教育活動懇談会委員、一般社団法人みんなで作る良い行政サービス協会 主任研究員。大手電機メーカー系SIer、マンションの販売会社勤務を経て2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。現在、テレビやラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。著書に『超ど素人がはじめる資産運用(翔泳社)』、『ほったらかしでもなぜか貯まる!(主婦の友社)』などがある。

文/田川志乃 イラスト/加藤淳一

 

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