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緊急避妊薬が「安易な性交渉を助長する」は本当か?産婦人科医に聞いてみた

女性の健康

2020.11.27

※画像はイメージです

性交渉の後、72時間以内に服用すると、高確率で妊娠を防ぐことができる緊急避妊薬(アフターピル)。

 

現在、医師の診断があってのみ処方されるこの薬を、政府が市販薬化する方針であることが報じられました。

 

緊急避妊薬が薬局などで買えるようになれば、避妊の失敗や性暴力による望まない妊娠を防げるようになるというメリットがあります。受診にハードルの高さを感じる女性たちをも救うことができるのです。ただ一方で、「安易な性交渉を助長する」「性感染症が増えるのでは」といった慎重論も。

 

そもそも緊急避妊薬とはどんな薬なのか、なぜそうした“懸念”が聞かれるのか、産婦人科専門医の遠見才希子さんに聞きました。

 

緊急避妊薬とは、排卵を遅らせる安全な薬

—— 緊急避妊薬とは、どんな薬なのでしょうか?

 

遠見さん:

緊急避妊薬とは、黄体ホルモンを主成分とした薬です。日本で認可されている「ノルレボ錠」は、性交渉から72時間以内に服用すれば、妊娠阻止率は約85%、服用した人の妊娠率は1〜2%といわれています。

 

緊急避妊薬には、排卵を遅らせる効果があります。そもそも妊娠は、卵子と精子が出会い、受精、着床して成立するもの。精子は子宮内で約3~5日生き続けるのですが、緊急避妊薬は、その期間に排卵が起こらないようにして、妊娠を避けることができるのです。

 

そのため、72時間以内であれば同じ効果があるわけではありません。性交渉からなるべく早く服用する方が効果は高く、24時間以内であれば妊娠阻止率は95%とされています。

 

—— 受精を妨げる薬であって、すでに成立した妊娠を「中絶」する薬ではないのですね。副作用はないのでしょうか?

 

遠見さん:

緊急避妊薬は、重大な副作用がなく安全性の高い薬として知られています。約7%の人に不正出血や頭痛、胃の不快感などの副作用が出るとされますが、長期にわたって体に影響を及ぼすことはありません。

 

これまでに緊急避妊薬で重篤なアレルギー症状が出た人、重篤な肝障害がある人、すでに妊娠している人は、服用できません。ただし、もし誤って妊娠初期に服用しても、胎児に異常が出た事例はありません。

 

また、たとえ1カ月に複数回、服用しても健康上のリスクがないことが報告されています。

 

緊急避妊薬(アフターピル)とピルの違い

—— 緊急避妊薬はアフターピルとも呼ばれますが、低用量ピルとはどう違うのでしょうか。

 

遠見さん:

低用量ピルは、日頃の性交渉に備えた避妊法のひとつ。正しく服用を続ければ、妊娠率は0.23%とされます。一方、緊急避妊薬(アフターピル)は、避妊がされなかった性交渉の後に、あくまで緊急時に使用する“バックアップ”。目的が異なります。

 

なお、コンドームの妊娠率は2〜15%といわれ、低用量ピルや子宮内避妊具など女性主体の避妊法に比べて避妊に失敗する可能性が高い。海外では、コンドームは避妊目的というより性感染症予防目的に使用するものという認識が持たれている国も多いですね。

 

—— 緊急避妊薬が必要になるのはどんなケースですか?

 

遠見さん:

性交渉で避妊をしなかった、または失敗した場合、性暴力にあった場合などがあります。約6割と最も多いのは、コンドームが破れたり、外れたり、膣内に残ったりして避妊を失敗したケース。コンドームが日本で主流の避妊法だと考えれば、緊急避妊薬はすべての女性にとって身近な薬ともいえます。

 

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