「前医」の薬が効かなかったら「後医」にかかるべき?

 

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こんな経験はありませんか? 身体の不調を感じ、普段かかっている病院を受診。薬を処方され「良くならなかったら来てください」と言われ帰宅。薬を飲み続けても症状が改善しないため、別の病院で違う薬をもらったらよくなった。 このような経験をすると、後から行った病院の診療が優れているように感じるかもしれません。なかには普段からかかっていた「前医」の通院をやめ、次回からは「後医」に切り替えると考える人もいるでしょう。 しかしこのケース、本当に「後医」の診療が、より優れていると言い切れるのでしょうか? そうとは言い切れない可能性を2つ見てみましょう。

 

1.「前医」の治療が、一連の〝続き〟だった可能性

医師はさまざまな治療法のなかから患者に合ったものを選び、そして十分な効果がなかったら別の治療法を選ぶ…というように、試行錯誤を繰り返しながら診療を進めていきます。 このため「後医」で出された薬は、「前医」での薬が効かなかったときに、次の手段として使われるのが一般的であったものの可能性も。つまり「後医」を最初に受診していたとしても、まずは「前医」と同じ薬が出されていた可能性があるのです。

 

2.単に「時間が経過したから」治った可能性

薬は確かに、さまざまな症状を和らげる効果があります。しかし、風邪などの軽い症状であれば、ヒトが持っている免疫力や抵抗力によって、自然に治っていくことがほとんどです。 そのため、必ずしも「後医」の薬が効いたことによって症状が改善したとは言い切れないのです。「前医」の薬を続けていても、治った可能性は十分にあるでしょう。

 

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