処方された薬が効かず、別の病院を受診した…こんな経験がある人もいらっしゃることでしょう。もちろん、よりよい医療を求めて、患者さんが別の病院を受診するのは何の問題もありません。 しかし「後医は名医」という格言をご存じでしょうか? 別の病院を受診して処方された薬が効いたからと言って、必ずしも「後者のほうが優れている」というわけではありません。病院で処方された薬が効かなかったとき、どう行動すべきかアドバイスします。
「後医は名医」とはどんな意味?
医師の世界で「後医は名医」は、重要な格言のひとつです。いくつかの意味合いがありますが、簡単に言えば「前に診療していた医師よりも、後に診療した医師の方がより適切な診断を下し、治療を進めていきやすい」ということ。 初めての患者の診療にあたった医師は、何の情報もないところから問診・検査を繰り返すなかで、診断を下したり治療法を決定します。 病気は、医師であれば誰もが簡単に診断を下すことができるものばかりでなく、治療法もさまざま。そのため、治療に効果がなければ別の治療法を模索したり、別の病気の可能性を考えたりと、試行錯誤しながら進めていくのが医療です。 一方、後から診察した医師は、前に診療した医師が行った検査や治療によって、既にかなりの量の情報がある状態で診療を始められます。そのため、前の医師よりも診断や治療が進めやすい…それが「後医は名医」の意味のひとつです。 そう聞けば「後医」の方が〝名医〟であるのは、当然のことだと分かります。しかし多くの方は単に「後医」のほうが優れていた、と考えてしまうことがあります。