コロナ禍で私たちの生活は一変しました。外出自粛の生活を余儀なくされ、強制的に会社通勤と在宅のハイブリッドを体験。会社に通勤しなくても仕事ができること、家庭での仕事と家事を両立できる可能性があることに多くの人が気づきました。

 

しかし、そんな状況下でまだ気づかれていない問題があります。何げない毎日の「家事」をクローズアップして見えたこと。知らない間に男女の意識のギャップが開き、女性が心の悲鳴を上げているその実態を、パナソニック株式会社が実施した家事に関するライフスタイル調査から深堀りしていきます。

*調査ではコロナ前を「感染流行前」、コロナ中を「緊急事態宣言中」、コロナ後を「緊急事態宣言解除後」と定義。なお、調査概要は文末を参照のこと。

 

コロナをきっかけに“ワークライフミックス”の暮らし方に目覚めた私たち

パナソニック株式会社はこの夏、20代〜60代の男女3000人を対象にアンケート「家事に関するライフスタイル調査 第4弾」を実施。今回はこのうち30〜40代の結果から見えた実態を紹介します。

 

調査によると、新型コロナウイルスの感染が広がり始めた2月中旬から緊急事態宣言が解除される前の5月下旬までの間、在宅ワークを経験したのは共働き世帯の男性で59.2%、共働き世帯の女性は52.4%という結果に。

 

コロナの感染拡大以前は男性が10.7%、女性は11.5%だったことと比べると、多くの人が働き方を在宅ワークに切り替えたことがわかります。また今後の希望として、「在宅あり」のワークスタイルを共働き世帯の男性は54.0%、共働き世帯の女性は50.1%が「続けたい」と答えています。

 

さらに回答者全体の59.5%が「コロナ感染流行期間を経て、家族の時間が増えるようになった」、50.1%が「それ以前より家族の時間を増やす暮らしにしていこうと思った」と答えています。

家族との時間を大事にしたい。その思いが実現できる暮らし方を偶然ながらも体験できた今回のコロナ禍でしたが、同時に増えたのが家事の量です。休校・休園になった子どもの分も含めて、昼食の準備や後片付け、感染流行前よりも掃除や洗濯をこまめにするようになったという人が多いかもしれません。

 

家事分担の男女比の認識に大きな男女差が!

家事にかける1日あたりの負荷・負担の増加率についてはどうでしょうか。平日では共働き世帯の男性が21.8%、共働き世帯の女性が29.4%、休日では共働き世帯の男性が16.0%、共働き世帯の女性が24.8%と、男女ともに「家事の負担が増えた」と答えました。

 

注目したいのが、男性と女性の家事の分担比率についての認識の違いです。共働き世帯の男性は感染流行前・緊急事態宣言中・緊急事態宣言解除後で分担の割合にそれほど差はなく、緊急事態宣言中でやや男性の分担が増えたと答えています。

 

それに対して共働き世帯の女性は、緊急事態宣言中でわずかに男性の分担が増えたものの、依然として女性のほうが圧倒的に家事の負担が大きいと答えています。

 

夫婦2人で在宅ワークになり、家事のシェアが増えた家庭もあるかもしれませんが、調査結果から考えると、女性の方が多くの家事を負担している傾向にあると言えるでしょう。