2021.10.24
自分の好きなものとシンプルに暮らしているミニマリストのおふみさんに、自身の経験から得た”家を安らぐ場所にするちょっとした習慣”を教えてもらいます。
今回は、おふみさんが長年愛用している食器についてお話しいただきました。割れても買い換えて手元に置いておきたい、そんな風に思う定番食器の使い心地とは…?
10年経っても大好きなミナ ペルホネン×PASS THE BATONの大皿
定番があると嬉しいですよね。 ショーツはこれ、靴下はこれ、白シャツはこれと決めておく安心感は大きいです。傷んできた際には同じものを買い求めればOK、これまで通りの快適な生活を送れます。
食器にも、定期的に買い直すいくつかの定番があります。 今日はその中から、お気に入りの器とカトラリーを紹介していきます。
まずは、10年前に友人から誕生日祝いでもらったミナ ペルホネン×PASS THE BATONの大皿です。
縁が立ち上がっているので、何を盛っても使いやすいんです。カレーや汁気のものもすくいやすいですし、パスタも焼きそばもOK。焼いた肉を盛っても良いし、野菜炒めも良いし、もうなんでもござれです。
もしなんらかの事情で「家のお皿をたった1枚に絞れ」と言われたら、これを残せばだいたいのメニューはカバーできるんじゃないかと思うくらい使い勝手が良いです。
10年も使うと、洗い物の途中で低い位置からシンクに落としてしまうことも何度かあり、 長年の疲労が出て10年でぱっくり割れてしまいました。 あまりに使い勝手がよかったので、自分で全く同じものを新たに買い直しました。
10年経っても変わらずに同じモデルを売ってくれているところがまた嬉しいですね。 定番にしたいほど好きなものを見つけても、同じものを買えないことほど悲しいことはないので。 そんなわけで、これからも愛用していきます。
美味しく食べることの大切さを教えてくれた無印良品の木のスプーン
定期的に買い替えしているカトラリーとして、無印良品の木のスプーンがあります。
ひとり暮らしを始めてはじめのうちは金属のスプーンしか持っていませんでした。 もちろんそれでも問題なく暮らせます。 ただ、あたたかい食べ物って、木のスプーンで食べた方がずっとあたたかみを感じられるんですよね。
そのことを教えてくれたのは前職の上司。
仕事でインテリア関連の小物を取り扱っていたのですが、ある日、木のスプーンの話になり、 上司が「木のスプーンで食べると、同じスープでもよりあたたかみを感じて美味しくなる」と話していました。
上司の言葉を聞いて、木のスプーンを購入してポタージュを食べてみました。 舌の上に触れるスプーンが、ぽってりした断面の木のスプーンだと、確かにあたたかみを感じて、これまでよりずっと美味しく感じました。
そのとき自然と、舌先の感覚に全身全霊でフォーカスしていました。 美味しく食べよう、という気持ちで全身がスープを迎え入れる態勢になっていたんですね。 美味しく食べるための心の準備の大事さを知りました。
あのときの感動があるので、今もあたたかいスープは木のスプーンで食べるようにしています。
ウレタン塗装のスプーンを使っていますが、繰り返し洗ううちに塗装が剥がれて、木部に水分が入って次第に黒くなってきます。そこは割り切って、変色したら買い換える、ということをここ数年繰り返しています。
金属に一本化すれば買い替えは発生しないのですが、 それでもやっぱり、木のスプーンで食べることは自分にとってささやかなご褒美なので、 木のスプーンを買い続けています。
文・イラスト/おふみ 構成/阿部祐子