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57歳で正社員からパート「月12万の豊かな暮らし」

ライフスタイル

2020.12.13

58歳から日々を大切に小さく暮らす』の著者であり、60代シニアブロガーのショコラさん。42歳で離婚して以降、月12万円の予算で小さな暮らしを充実させてきたと言います。前回記事「42歳で別居、離婚。『今なら人生をやり直せた』」に続き、自立して自分らしく生活するまでの道のりと、生き方のヒントを伺いました。

 

「ひと月いくらで生活できる?」と考える習慣がピンチに強い

──別居・離婚を経て、お仕事はどうされていましたか?以前は主婦をしながらパートをしていたそうですが…。

 

ショコラさん:

42歳でひとり暮らしを始めたときは、9年間続けた化粧品メーカーでパート勤務をしていました。外回りの営業職です。フルタイムだったので、ひとりで食べていける分ぐらいはどうにか。土日はかけもちでパートをして、生活費に足りない分を補うこともありました。

 

半年後に他の化粧品メーカーの契約社員に応募したところ採用され、その後正社員に。仕事は前より忙しくなって大変な反面、やりがいもあって楽しかったです。けれどもその後、管理職になったことで、慣れない業務のストレスで体調を崩してしまいました。

 

当時、56歳。もっと大きな病気になったら取り返しがつかない。いまならまだ別の会社でパートが探せるかもと思って、57歳になってまもなく退社しました。

 

──57歳だと定年まであと3年ですね。正社員からパートになったことに対して、不安はなかったですか?

 

ショコラさん:

3年我慢すれば退職金が満額もらえましたが、体調的に続けるのは難しくて。すでにマンションのローンを完済していたことと、老後のためにコツコツためていた貯金があったことも背中を押してくれました。

 

60歳になれば企業年金基金が入る予定だったので、それまでの3年間は貯金に手をつけず、パートで稼いだお金だけで暮らそうと決めました。私、20年以上ずーっと節約してきたんです。ローンの繰り上げ返済と、老後の貯金、息子の大学の学費も一部払いながら生活していました。正社員のときも、お給料の半分は貯金にまわし、ボーナスは一度も使っていません。

 

だから、管理費、光熱費、食費、日用品など最低限の必要なものを払えるだけのお金がパートで得られれば、生活は大丈夫だと自分でわかっていたんですね。月12万円あれば私は大丈夫。そう考えて再びパートとして働き始めました。残業もなく、ストレスを感じずに働ける環境がありがたかったです。

 

 

──自分が最低ひと月いくらで生活できるか、はっきりとわかっていない人は多いと思います。自分の基準が決まっていれば、働く環境や社会情勢が変わっても対応しやすいかもしれませんね。

 

ショコラさん:

そうですね。正社員じゃなくても月12万円あれば生活できるという自信のようなものがあったことは、心強かったと思います。

 

とはいえ特別な出費があるときは、もちろん足りない月も。退職金を予備費のようにしていて、歯の治療費、お祝いやお年玉などの交際費などの出費はそこからちょっとずつ補填しました。パリ旅行もちゃんと実現できたんですよ。

 

何かを決意するにはお金が必要。いざというときのための節約生活

──ショコラさんのブログは、シンプルな生活や、工夫して節約されている点も共感を呼ぶポイントだと思います。

 

ショコラさん:

洋服やバッグはほぼ新品を買うことがなく、ヤフオクやメルカリです。ブランド名を入れて検索し、「新品」「未使用に近い」に絞って、写真やコメントを吟味して探すことが多いですね。モチベーションを上げるために、洋服やバッグは気に入ったものを買いたくて。

 

最近ヤフオクで手に入れたシンプルなリュック。定価よりずいぶん安く手に入った。ハイキングなどに活躍しているそう。

 

茅ふきんからLEDランタン、美容液まで!すべて「ダイソー」で手に入れたもの。

 

枚数も余分には持たないし、やたらには買いません。キッチン用品や文房具など実用的なものは100円ショップで揃えることが多いです。安いものでも、自分のお気に入りを見つけると嬉しくなります。

 

離婚前は節約するようなタイプではありませんでした。30代をバブルの時代で迎えた世代だし、パートのお金=お小遣いでしたから。もちろんやりくりはしていましたけど、貯金もあまりせずに自由にお金を使っていたと思います。

 

いまは節約することが身についていて、店頭で買おうと思っていたのに決断できないときがあるんです(笑)。年齢を重ねてくると、たまに節約が寂しく感じることもあります。私の母を見ていて思うのですが、好きなものを不自由なく食べている姿を見ていると子どもはホッとするというか、心配しなくて済むんですよね。息子たちを心配させないためにも、これからはお金を上手に使うことも大事だと感じています。

 

 

──離婚される前には想像もしていなかった未来ですね。「離婚したいけど、自分は生活ができない」と悩んでいる読者も多くいます。ショコラさんの経験をふまえて、何かアドバイスはありますか?

 

ショコラさん:

30代の頃は老後のことなんて頭になかったし、子どもが成長して自分もなんとなく歳をとっていくんだろうな…ぐらいしか考えていませんでした。離婚しなければ正社員になろうとも思わなかっただろうし。ひとり暮らしをして、初めて真剣に老後の暮らしと向き合ったと思います。

 

時代の変化もあるので私の例が参考になるかわかりませんが、どんな時代でもお金はすごく大切だと思います。私のように離婚する人もいれば、旦那さんが突然亡くなった友人もいるので…。人生何が起きるかわからないからこそ、先立つものは必要です。

 

私は若い頃から、通帳に100万円だけは確保しておく習慣があって。それがあることが、どこか気持ちのゆとりになっていたんですよね。いくつになっても、何か決意したいときに、少しまとまったお金があると助けになってくれます。いくら必要かは、その人の暮らし方によって変わるでしょうから、自分に必要な金額をきちんと用意しておくといいと思います。

 

それと、人の価値観をマネして取り入れすぎるタイプは要注意ですね。いろんな人の話を聞いたり見たりするのはいいことですが、それに振り回されないように。それぞれの人生ですから、人と比べないことも大切です。

 

いつどうなるかわからないこんな時代だからこそ、自分の将来にある程度の計画を持つのはいいことだと思います。歳をとっておばあさんになってから、苦労しないためにも。

 

「いくつになっても身嗜みはきちんとしていたい」とショコラさん。

 

──著書には「65歳まで働くことが目標」とありましたが、あと数か月で65歳になられるそうですね。いまの目標はありますか?

 

ショコラさん:

大変なこともあるけど、いまは仕事が面白くて。パートは70歳の方もいるので、まだ辞める予定はありません。いままで目標にしてきたものを、そのまま継続できればと思います。

 

65歳になると年金がもらえるようになるので、生活にもちょっとゆとりが出ますね。時間を気にせず旅行してみたいとか、ピアノを習ってみたいとかちょっとした夢もあります。でも、ほどよく働いて心地よく過ごせる、いまの生活に満足しています。現状維持が一番の目標です。

 

 

楽しく話してくださったショコラさんですが、その背景には大変な苦労や努力もあったと思います。コンパクトながらもすっきり整えられた部屋からは、ショコラさんの人柄や積み重ねてきたものがうかがえました。人生の選択肢は、いつでも自分で決められる。そう励まされるひとときでした。

Profile ショコラさん

パートで働きながら、節約&シンプルな生活を綴ったブログ「60代一人暮らし 大切にしたいこと」が好評で、人気ブロガーに。著書の『58歳から日々を大切に小さく暮らす』(すばる舎) は10万部を超えるベストセラーに。韓国語版も翻訳され、日本以外でも共感を呼んでいる。2021年1月に2冊目の著書を発売予定。

 

取材・文/大野麻里 撮影/松村隆史

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