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「オンエアされるのは1割以下も」元TBS・枡田アナが仕事で培った切り替え方  

ライフスタイル

2021.11.15

2021.11.22

体験ロケ中の枡田アナウンサー岩子島でロケ番組収録中の枡田アナウンサー

ふつうの仕事では味わえない緊張感のある、アナウンサーの世界に身を置いてきた元TBSアナウンサーの枡田絵理奈さん。華やかなイメージとは裏腹に、なかなかたくましいその世界を覗いてみましょう。

やりたい番組につけないことも

── アナウンサーのお仕事はとても華やかに見えますが、私たちには分かりにくいご苦労もあるかと思います。どんなことが大変だと感じましたか?

 

枡田さん:

どの番組も楽しかったのですが、ときには、番組側からの指名で担当が決まるケースもあるんです。他の企業でも同じかもしれませんが、志を持って入社しても、自分の希望するジャンルの番組に配属されない可能性もあります。

 

たとえば、ある番組のオファーがアナウンス部に連絡がきます。「何月何日にこういう番組をします。第1希望は誰々(アナウンサー)、第2希望は誰々、第3希望は」といった具合に、ハッキリ名前が書かれているんです。

 

指名がいっぱい来る人もいれば、少ない人もいる。自分が「この番組やりたいな」って思っていても、他の誰かに指名がいったり、去年は担当していた番組が、今年は違う人になったり…。

 

そんなシビアな環境に、葛藤やストレスを抱えることもありました。ただ、皆大なり小なりその経験をしてきてお互いの気持ちが理解し合えるので、ライバルではなく、厳しい世界で共に歩む大切な同志という感じでした。

 

── 人間的にも成長しそうですね。また、アナウンサーのお仕事も、担当する番組がスポーツ、バラエティ、情報によっても、かなり業務が変わるとか。

 

枡田さん:

全然違う職業についているような感覚でした。たとえばスポーツ番組では、アスリートが試合に出ている場面だけではなく、どんな努力をしてきたかも伝えていきたい。

 

だから、自分が休みの日も球場に足を運んで、練習や試合を見て、記者さんたちに混ざって囲み取材もしました。ただ、どんなに取材をしても、オンエアで伝えられるのは100のうち10あるかどうか。

 

時には質問しているシーンはカットされ、手しか映らないことも…。試合や選手のデータを作ったり、とにかく地道な作業ではあります。でも、とてもやりがいがありました。

 

一方、バラエティ番組では、画面に映る最後の番組スタッフという気持ちでやってきました。番組スタッフたちが、たくさん会議を重ねて企画してきたものも、スタジオがぐちゃぐちゃになってしまっては台なし。番組スタッフの思いを汲みながら、その場にいらっしゃる出演者の方たちが最大限輝ける状況を作るために、台本を読み込んで進行に徹しました。

 

情報番組は『ひるおび』を担当していましたが、昨日打合せで「あれをやろう」と言った話が、生放送当日の朝になると変わっているなんてこともよくありました。臨機応変に対応する力が求められました。

  

── いくつかの番組を担当するなか、共通して意識していたことはありますか?

 

枡田さん:

どの番組でも、共通しているのは準備を怠らない。つねにアンテナをはることでしょうか。以前、夜中に海外サッカーの試合を生中継していましたが、雷で停電したことがあって。台本なしで1 時間つなぐことになりました。そういった時に、今までの取材経験や勉強をしてきたことが活かせて、準備をちゃんとしてきてよかったなぁと感じました。 

6時に出社して、帰宅は翌朝になることも

TBSの同期で悩みも全て打ち明ける心の友・加藤アナとのツーショットTBSの同期で悩みも全て打ち明ける心の友・加藤アナとのツーショット

── ところで、時期によってタイムスケジュールも変わると思いますが、忙しかった時期はどのような進行で動いていましたか。

 

枡田さん:

TBSで一番忙しかった時は、朝6~7時にはTBSに入って、情報番組の生放送を担当しました。反省会も含めて1011時頃までその現場にいて、その次はバラエティ番組の収録へ。12時頃からヘアメイク、打ち合わせ、リハーサルを経て、本番へ。 20時頃まで収録します。

 

それで帰れる時もあるのですが、オリンピックやワールドカップなどの時期は、さらに21時頃からスポーツの生放送があって、帰れるのは深夜。時差がある国だと遅い時は翌朝5時まで生放送になったときも。

 

1時間だけ仮眠室で寝て、次の1日が始まることもありました。今の時代なら怒られる働き方でしょうけど、当時はそんな時期もありました。 

 

── 忙しさを感じる余裕もなさそうですが、仕事の相談をしたり、お世話になった方はいらっしゃいますか。

 

枡田さん:

アナウンサーで同期の加藤シルビアさんは本当に心の友で、悩みは全て打ち明けて、支え合っていました。TBSは先輩後輩とても仲がよく、青木裕子さんには特にお世話になりました。

 

アナウンサーって意外と孤独な面があって。アナウンス部にはそれなりに部員が在籍していますが、番組ごとに、現場に行くのは1人や2人。現場ではアナウンサーとしての本音や葛藤など、分かり合える人も少なかったりします。

 

そんなこともあって、青木さんが「みんなで助け合おうよ」と、声を掛けてくださり、月1でアナウンス部の女子会を企画してくれました。そこで、仕事の技術的なこととか、プライベートとのバランスの取り方、仕事との向き合い方や壁の乗り越え方など、さまざまな話をしました。

 

意外とみんな同じことで悩んでいるんだなぁと気持ちが軽くなったり、みんなも頑張っているから私も頑張ろう!と鼓舞して、現場に戻っていく。どの世界もそうかもしれませんが、表に見える部分がすべてではないですよね。そんなふうに、仲間の姿を想像しながら日々過ごすようになりました。

 

PROFILE 枡田絵理奈さん

1985年神奈川県生まれ。成城大学卒業後、2008年TBSに入社。『チューボーですよ!』『スーパーサッカーJ』『NEWS23』など様々な番組に出演。2014年広島東洋カープ・堂林翔太選手と結婚。2015年6月にTBSを退社。同年9月に長男、2017年長女、2019年に次女を出産。現在は広島で子育てをしながらフリーアナウンサーとして活動中。

取材・構成/松永 怜 画像/枡田絵理奈 instagramより

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