2019.06.05
家事育児への態度、妻への接し方、性格の不一致など。原因はさまざまですが、いったん「夫のことが嫌い」になってしまうと、愛情を取り戻すのは容易ではありません。その後の結婚生活は、とても辛いものとなります。とはいえ簡単に離婚できるものでもなく…なんとか結婚生活を続る妻たちは、「発狂しそうになる」気持ちをコントロールする術を身につけました。その方法とは…?
■自分より辛い人とくらべて…(美香さん/34歳/パート)
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高学歴の旦那は、学歴のない私を常に小馬鹿にしています。もちろん私の意見なんか聞いてくれませんし、旦那に反論などしようものなら「学もないくせに、偉そうにものを言うな!」と怒られます。
いつしか話をするのも苦痛になっていました。「離婚したい!」と何度も思いましたが、幼い子どもを抱えてそんなことできるはずもありません。辛すぎるときは、私より苦境にある人を想像してやり過ごしています。
性格悪いと思われるかもしれませんが、これも自分の心を保つための苦肉の策。妻や子どもに暴力をふるうDV旦那、浮気を繰り返す女好き旦那、まったく働かないニート旦那…世の中、下には下がいるものです。
そんなクズ旦那を持つママ友の話を思い出して「私はまだマシか」と思うようにしているんです。褒められたことではないとわかっていますし、こんなのおそらく間違っているでしょう。
でも、追いつめられたいまの私には、これ以外に自分の気持ちをコントロールする方法がないんです。
■ここは家庭ではなく「シェアハウス」(美由紀さん/33歳/パート)
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夫婦の関係は数年前に破綻しています。旦那は外で別の女性を作り、家庭を顧みることはありません。家にいたとしても邪魔なだけなので、いまではもう、外で遊んでいてくれたほうが楽なんですけどね。
夫としてはなんの感情もありませんが、父親として考えると、ひどく腹が立つこともあるんですけどね。でも稼ぎだけはよく、毎月十分な給料を持って帰ってくるんです。私が結婚を続けている理由は、このお金だけですね。
私の収入だけでは子どもを不自由なく育てることはできませんし、人並み以上の教育を受けさせることも叶わないでしょう。そう言った意味では、いい父親。だから私は「家賃無料のシェアハウスに、ときどき帰ってくる40代のおっさんと同居している」と考えるようにしています。
そうすれば余計なストレスは溜まりませんし、「家賃無料で、住んでるだけでお金がもらえるんだから、家事くらいしよう」という気にもなります。
■「すべて子どものため」だと思う(南海さん/30歳/事務員)
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子どもに無関心すぎる旦那へ嫌気がさしてしまいました。育児や教育のことを相談しても、いつも「お前の好きなようにして」と言うだけ。そのたびに、旦那への愛情が薄れていくのを感じます。
いまでは旦那のことが嫌い。会話もしたくありません。旦那も私への愛はないようで、お互い空気のような存在です。「これならいっそ離婚したほうがいいのでは」と思ったこともありました。
でも、子どものことを考えるとそれは絶対にできません。いまの生活はすべて愛するわが子のため。放り投げてしまいたい妻業も仕事も、すべて子どものため。すべてを子どもに注ぐことで、心のバランスを保っているんです。
だから旦那は〝子どもの父親〟、それだけ。子どもから父親を奪わないために、旦那と一緒にいようと思い直すことができています。子どもがいなかったら、とうの昔に離婚していたでしょうね。
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辛い日常を過ごしつつ「何かに逃避」することで、叫び出しそうな心をコントロールしている妻たち。それが正しい方法であるかは別として、追いつめられている現状が痛いほど伝わってきました。
ライター:葛西 明
人材派遣及び、人材紹介を行う会社に勤めるサラリーマン。求人募集の文章を書くのが楽しいと感じて以来、ライターとしても活動中。家事が苦手な妻と結婚後、気付けば兼業主夫になっていることが悩み。