元気にはっきり「ご愁傷さまでした!」(春香さん/28歳/事務員)

 

Japanese praying style in funeral
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企業に所属しながらスポーツ選手として活動している私の旦那。周りのママ友たちからの評判もよく「いつも爽やかでいいわよね~」と羨ましがられています。身長も高いし、ビジュアルもそこそこ、自慢の旦那なんです…黙っていれば、ですけどね。 スポーツ一筋の人生を歩んできた彼は、とにかく世間知らずなんです。特に疎いのが「冠婚葬祭」のマナー関連。友人の結婚式に真っ白のスーツで行こうとしたり、ご祝儀に「3万は高い」と2万円を包もうとしたり。 毎回私が気づいて事なきを得ていたのですが、私の遠い親族の葬儀のとき、ついにやらかしたんです。不安だったので何度も「悲しそうに小さな声で『ご愁傷様でした』っていうのよ!」と伝えていました。 語尾をもごもごと濁らせる、実演まで見せていたのに…ご遺族に手を合わせながら、はっきりと大きな声で「ご愁傷さまでした!」と頭を下げたのです。すぐに首根っこを掴み会場の外へ。 「悲しそうにって言ったじゃない! それにあんな元気よく言ったらダメ!」そう言っても、「手を合わせて悲しさは表現したし、はっきり言わないと聞こえないだろ?!」と。いやはや、もう手に負えません。

 

 

文:葛西 明