2018.12.25
2021.03.05
ドラマなどで取り上げられ、数年前に話題になったタワーマンションの「ママカースト」。そんなの作り話でしょ…と思っていたら大間違い、実は本当に存在しているんです。タワーマンションの「低層階」に引っ越したママたちが見た、恐ろしい実話をお聞きください。
「ママが言ってた貧乏人だ」(有希さん/35歳/事務員)
数年前に、高層マンションの低層階に家を買いました。心配していた「タワマンのママカースト」ですが、「そんなのドラマの世界だけよ」と同じマンションの高層階に住むママに笑われ、ちょっと安心していたんです。数か月住んでも、特にマウンティングされるようなこともなく、「ママカースト」の存在なんて嘘だったのかと…でも、それは表面上だけのものだったんです。
ある日、5歳の息子と一緒にエレベーターに乗ったときのこと。ドアを閉めようとすると、息子と同年代くらいの男の子がふたり、駆け込んできました。
ふたりを見ながら(息子にも友達ができたらいいな~)なんて思っていると、私が押した4階のボタンを見たひとりの男の子が「うわ、低っく~」と…そして続けて「こんな低いとこに住んでる人見たことない。そっか!ママが言ってた貧乏人だ!」。
カッとした私が「住んでる階は、関係ないでしょ」と言うと、「ママが下の階に住んでいる人とは喋るなって言ってたから、話しかけんなよ!」と暴言を吐いたんですよ。子どもがここまで言うってことは、その親たちの間で日常的にこれ以上の会話が行われているということ…怖くなって、それ以上なにも言うことができませんでした。
組合の集まりで「着席待ち」(裕子さん/34歳/パート)
私が住んでいるマンションは32階建てで、20階以上の部屋は「億を超える」との噂が…とはいえ、7階の物件を中古で買った私たち家族には、関係のない世界の話だと思っていたんです。しかし、ここにはしっかりあったんです。恐るべし「ママカースト」が。
引っ越してから数日後、マンションの管理組合の集まりに出席することに。このマンションには、高級マンション特有の共用ミーティングスペースがあり、大勢のママたちが集まっていました。部屋に入ろうとしたとき、入り口にいひとりのママが「あなたは何階?」と、私に聞いたんです。「7階に引っ越してきた◯◯です」とあいさつすると、「あ、そう。じゃあそこに立ってなさい」と言われました。
不思議に思って部屋を見渡すと、「座っている人」と「立っている人」がいることに気づきました。近くにいたママに、「席が空いてるのに、なぜ座らないんですか?」と聞くと、恐ろしい掟を教えてくれたんです。「20階以上に住む人が全員座った後じゃないと、座れないのよ」。
さらに、ママたちの間にはしっかりと序列があり、最上階の2部屋に住むママを「頂点」として、次位が21階~31階、続いて11階~20階、そして10階以下に住むママは「最下層」に位置しているのだそうです。
そして始まったのは、まさに「最下層」の生活でした。上層階のママたちには気軽に話しかけることも、同じエレベーターに乗ることも許されません…しかもその表情は「まるでゴミでも見るかのような目」で。
何も知らない周りのママたちは「あのタワマンに住んでるなんて、うらやましいわ!」と言いますが、なにが、なにが! これから先何十年も、ここで生活できる気がしません…。
11階のエレベーター前にゴミが(綾子さん/34歳/パート)
念願叶って引っ越した21階建てのタワーマンションには「3種類のエレベーター」があります。ひとつ目は私たち低層階の住人が普段利用するエレベーターで、11階までしか行きません。もうひとつは、11階から21階をまでを結ぶエレベーター。そして3つ目は、1階から21階までを結ぶエレベーターです。
引っ越し当日、私は不思議な光景を目にしました。11階のエレベーター前に大量のゴミが置いてあるんです。それは11階から21階を結ぶエレベーターの目の前。そして数分後、そのゴミを必死で運ぶ4人のママたちに出会いました。
そのうちのひとりに「このゴミはなんなんですか?」と聞くと、「上の階のママたちはここにゴミを出すのよ。それを1階のゴミ捨て場に捨てるのは、下に住む主婦の仕事なの」。そして悲しそうに「管理組合で決まったことだから仕方なくて」と…そう、ここには露骨なママカーストがあったんです。
ここでの基準は、住んでいるのが「12階より上か下か」ということ、また12階より上でも「4LDK以上か以下か」で序列があるそうで…まあ、間違いなく「11階の2LDK」に住む私は、ママカーストの最下層。それからは毎日、11階に置かれたセレブのゴミを1階まで運ぶ日々です(涙)。
一部のタワーマンションでは階や間取りによって、ママカーストが厳然と存在しているようです…しかも、その影響は子どもたちにまで。もしも購入を検討しているなら、事前に探っておいたほうがいいかもしれませんね。
ライター:葛西 明