2019.12.16
ほめられると、つい謙遜してしまうのはよくあることです。でもママ友とのお付き合いでは、ちょっと過剰なまでの〝謙遜返し〟がよく見られるようです。ママたちが「それってどうなの?!」と感じた、謙遜返しについて聞きました。
「花がかわいそう」(麻美さん/33歳/医療事務)
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子どもたちを連れてママ友と公園に行った、とある休日のことです。楽しそうに遊ぶ子どもたちをみながら、おしゃべりしていると、ママ友の息子さんが「これママにあげる!」と、摘んできた花をプレゼントしたんです。
ほほえましく思って「○○くんは優しいわね~!」と私が褒めると、息子さんは笑顔で喜んでいました。ママ友も息子にお礼を言うかと思いきや「そんなことないわよ~! 摘んだりしたら花がかわいそうじゃない」と言うんです。
みるみる笑顔が消えていく息子さん。たしかに「花がかわいそう」と思う人もいるでしょうけど、せっかく一生懸命に摘んできてくれたのに。
「ママに喜んでもらいたい!」という子どもの優しい気持ちだけは、せめて肯定してもいいのではないでしょうか。
「うちの子なんて普通です」(依子さん/35歳/事務員)
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おなじバス停で顔を合わせるママ友は、かなりの美人。ママがママなら娘も娘で、ご近所でも有名なくらいかわいい女の子なんです。噂によると、芸能事務所のスカウトも受けたことがあるとか。
あいさつをすると、子どもとは思えないほど、気品にあふれた笑顔で「おはようございます!」と返してくれ、それはもうまるでお人形さんのよう。
「○○ちゃん、おはよう! 今日もすっごくかわいいわね」とほめると、照れながらママ友のうしろに隠れる様子もかわいくてしかたありません。
するとママ友は「そんなことないですよ~、うちの子なんて普通です。かわいい子なんて幼稚園にはいっぱいいますよ、□□ちゃんとか、△△ちゃんとか…」と。
謙遜するにしても、別に他の子を引き合いに出さなくたって…。余談ですが、うちの子の名前は出てきませんでした(笑)。確かにお世辞にもかわいいとは言えませんが、ちょっとは気遣ってくれてもいいんじゃない?!
「お兄ちゃんのほうが」(莉菜子さん/29歳/飲食店勤務)
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ご近所に住んでいるママ友には、上に小学2年生、下に4歳の息子さんがいます。下の息子さんは、うちの5歳の息子と比べてもはるかに賢い気がするんです。
例えば、砂山に石を並べて遊んでいたとき。その子は自分が持てるだけの石をバケツに半分ほど入れて、要領よく砂山に運んでいました。うちの息子はといえば、バケツいっぱいに入れた石を持ち上げられず立ち往生。
一緒に遊んでいても、いろいろと「賢いなぁ」と感心することばかり。うらやましくなって、ママ友に「○○くん、ホント賢い子だよね~!」と言ったんです。
すると「いやいや、お兄ちゃんのほうがもっとうまくやっていたわ。水泳もぜんぜんダメなの」と謙遜。なにもお兄ちゃんと比べなくたって…水泳だって始めたばっかりじゃ…。
本当にうらやましくてほめただけなのに、なんだかモヤモヤした気持ちです。
ママ友づきあいのお作法として「褒められたら謙遜返し」がセオリー化しているようです。でもほめた側にしたら、過剰に謙遜されるのは居心地の悪い思いになりますよね。素直に「ありがとう」と言うのが正解だと思いますが、いかがでしょうか。
文:芳野美穂