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なぜ学校からのお手紙は電子化されないのか?家庭と教育現場のデジタル・デバイド

子育て

2020.01.05

学校からのお手紙、みなさんどうやって管理していますか?

 

多くの学校では紙で配られるので、重要なお知らせがどれだったか分からなくなったり、紛失したりという経験をしたことがある方も多いのでは。

 

どうして未だに、配布物の電子化が進まないのでしょうか。

そして、電子機器と子どもたちの距離感について、私たちはどう考えればいいのでしょうか。

 

教育と情報化に詳しい、国際大学GLOCOM主幹研究員・准教授の豊福晋平先生にお話を伺いました!

世界に遅れる日本の教育現場

豊福晋平先生

 

──現在、学校からのお知らせはほとんどの場合紙で配られており、それに対して不満を持つ親も少なくありません。日本のこの現状は世界と比べてどうなのでしょうか?

 

豊福先生

経済協力開発機構(OECD)による生徒の学習到達度調査(PISA2018の結果が201912月に発表され、日本は読解力の順位が下がったなどとして話題になりました。PISAには学習環境の調査も含まれており、施設の状況やITをどのくらい使用しているかなどをまとめています。日本はICTに関するすべての項目で平均を下回っており、他国と比べればかなり遅れています。

 

配布物はもちろん、授業においてもパソコンやタブレット、インターネットを利用したICT教育が効果的に行われていない状況です。

 

──海外では、保護者とのやり取りもネットを介して行われることが多いのでしょうか?

 

豊福先生

例えばデンマークでは、まだインターネットが一般家庭に普及する前、1990年代初頭から電子会議室による連絡システムが使われてきました。

 

私が2011年に現地を訪れ、学校の情報担当の先生に聞いたとき、すでに保護者とのやり取りは95%が電子化されていると話していました。

 

──2011年で95%ですか。日本とは比べ物にならないくらい進んでいますね。

 

豊福先生

そうなんです。お知らせや入試の願書提出などもそうですし、子どもたちが今取り組んでいることや学習の成果など、最新の情報を逐一オンラインで保護者に伝えています。

 

学校のオンライン・システムでは、保護者がメッセージを開いたかどうかを確認でき、未読が貯まっている人には電話連絡する、と言っていましたね。

 

──なぜそんなにも電子化が進んでいるのでしょうか。

 

豊福先生

例えば北欧では、教育分野だけでなくオンライン・バンキングや徴税情報、健康保険など、政府が社会全体の電子化を後押ししてきました。人口が少ないため、どのように生産性を上げるかと考えた時にIT化は必須だった、ということのようです。

 

──日本で電子化が進まないのはなぜですか?

 

豊福先生

まず、幼稚園や保育園では手作業を大切にする文化が強く、ITに対しては拒否感が強いです。小中学校・高校でも、携帯電話(スマートフォン)の持ち込みや校内での使用を規制する文部科学省通知が2009年に出されています。

 

SNS上のトラブルなどが注目される中で「学校のなかでSNSを扱うのは不適切なもの」と否定的に考える先生が多く、便利になるとは思わないようです。こうした背景があって、配布物も紙のまま、という状態です。

 

──なるほどパソコンで作ったお便りを印刷して配るのは先生にとって手間もかかるし、親も管理しきれないこともあるなどデメリットも大きいと感じます。

 

豊福先生

自動印刷機の普及もあって学校からのお手紙は増えていますし、本当に大切なお知らせが見落とされてしまうというのは大変な問題です。そこで学校がどう対策したかというと、「学年だよりは水色の紙」など、お知らせの内容によって紙の色を変えるのだ、と聞いて唖然としました。

 

今、持続可能な開発目標(SDGs)が大きく取り上げられている中で、紙資源の利用は一向に減らない、かなり矛盾していると思います。

 

──うーん、なかなかアナログな方法ですね

 

豊福先生

日本の教育機関と家庭には深刻な「デジタル・デバイド(情報格差)」が存在します。

 

保育園や幼稚園はほとんどパソコンが導入されていないので約30年、小中学校・高校ではパソコンはあるものの、インターネットに接続して使う機会は多くないので、約20年のギャップがあるんです。

 

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