プロスポーツ選手同様にストイックさと柔軟性が必要

上位プレーヤーの技を観戦するためにイベント会場には多くの人が集まる

eスポーツ選手は、プロスポーツ選手に似ている、と谷田さんは話します。

 

「ひとつのゲームだけ上位レベルに達していても、それだけでeスポーツ選手として長く活躍できる、というわけではありません。ゲームはつねにバランス調整(ゲームデザイナーが理想とするかたちにプレイ状況を近づけるために、ゲームの中で設定されたさまざまな要素の値を調整すること)が入りますし、続編が出ることもあります。ちょっとずつゲームの仕様が変わっていきます。」

 

一般の人たちにとってはちょっとした変化にみえることでも、そのゲームを極めたeスポーツ選手にとっては少なくない変化になるのだそうです。

 

「でも、eスポーツ選手として活躍する人たちは、その変化にもきっちり対応していく。

 

だからこそ、eスポーツ選手の技に、多くの人たちが感動を覚えるんです。技術を極めるストイックさと、時代の変化にも対応できる柔軟さが求められる職業というわけですね。そのため、1日に16時間ゲームをする選手もざらにいます。」

 

eスポーツがプロスポーツと同じ、という考え方なら選手としてのキャリアも短いように思えます。その点について、谷田さんはeスポーツがひとつの“職業”として定着していくためのアイデアを話してくれました。

 

「16歳でeスポーツ選手としてデビューしたのに、19歳で引退するのでは子どもたちの将来の職業として選んではもらえません。

 

ゲームメーカーは職業として定着するための対策に乗り出しています。プロチームやリーグとして給与保障をしたり、それができなくても、メーカーが選手たちの給与を保障するといったケースもあります。」

 

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