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狭間で揺れ動く男性の家庭進出…変わらない社会と変わった意識

子育て

2020.07.02

「1990年代の成人男性にとって、育児をすることは恥ずかしいこと、男らしくないことでした。でも現在の20代から30代前半にかけての男性の多くは、育児を楽しむべきこととしてポジティブに捉えています」

 

中学校で「家庭科」が男女必修科目となったのは1993年。ここをひとつの分岐点として、男性の家事・育児への意識は大きく変化してきたとお茶の水女子大学の石井クンツ昌子名誉教授は言います。

 

どうすれば不平等感なく、家事や育児を分担できるのでしょうか?

 

男性の家事・育児参画を約30年に渡って研究しているお茶の水女子大学の石井クンツ昌子名誉教授に聞きました。

 

PROFILE 石井クンツ昌子さん

立教大学社会学部現代文化学科特任教授、お茶の水女子大学名誉教授、同大ジェンダー研究所前所長。1987年ワシントン州立大学社会学部博士号取得。カリフォルニア大学リバーサイド校社会学部助・准教授、お茶の水女子大学大学院教授などを経て現職。80年代からアメリカで父親の家事・育児参画について研究し、2012年に全米家族関係学会「Jan Trost賞」受賞。主な著書に「『育メン』現象の社会学」(ミネルヴァ書房)など。

男性の子育て意識は大きく変化している

──石井さんは男性の家事・育児参画を約30年に渡って研究されているそうですが、1990年代と現在を比べると大きな変化は感じられますか。

 

石井さん:

男性の家事・育児の分担意識は、2010年代以降、着実に上昇しています。たとえば、90年代にフィールドワークをした際には、育児をすることに恥ずかしさを感じている男性が多かったんですね。「公園デビューをしたけど冷たい目で見られた」という男性の声も聞きました。

 

今は明らかに違いますよね。育児は恥ずかしいものではなく、楽しむものに男性側の意識は変わってきています。

 

一方で、企業の構造はまだまだ変化していません。長時間労働の割合はいまだに高く、有給取得率は世界的に見ても最下位レベル。

 

変わらない構造と、変わった意識。その狭間で揺れ動いているパパたちが増えている。育児にもっと関わりたいけど、仕事が忙しいからできないと悩んでいる男性は少なくありません。

30・40代男性は狭間の世代

ビジネスマン 30代

──世代別の傾向はありますか?

 

石井さん:

やはり若い人ほど性別役割意識は低いですね。家事や育児をパートナーとシェアすることは、彼らにとってもはや当たり前のこと。

 

たとえば、過去には料理男子といった言葉が流行りましたよね。今の20代から30代前半にかけては、そういった○○系男子の走りともいえる世代。ですから、家事や育児=女性の仕事だと思っている人は比較的少ないといえます。

 

──過去には女性主体のジャンルにおける少数派という意味での「○○男子」という言葉も流行りましたね。ではさらに上の世代はどうでしょう?

 

石井さん:

30代後半から40代になると、新旧の価値観の狭間で葛藤する男性が増えます。晩婚化が進む昨今は、40代になってから結婚したり父親になったりするケースもありますから。

 

50代男性は、いわば諦めの世代。父親としては子育てに多く関われなかったし、そのことを諦めてはいるけれども、イクジイ・イクボスとなることを迫られる世代でもある。そういう意味でのプレッシャーはあるでしょうね。

 

そういった傾向を踏まえても、私は小学生のうちから男女共同参画について学ぶ機会を持つことが重要だと思っています。夫婦が協力して家事や育児を行うことの大切さを幼いうちから学ぶことは、家庭内の男女平等にもつながります。成人後に、「男性も家事や育児を主体的に」と促しても遅すぎる。社会や企業の組織的な改革も必要ですが、個々人の意識改革がなければ変化は起きません。

 

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