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冷凍食品で娘を育てた山本純子さん「冷凍コロッケに同居した姑が…」

子育て

2020.03.21

2020.03.23

最近の冷凍食品の美味しさと商品数の豊富さには驚きを隠せません。自然解凍OKのお弁当のおかず、油も水も蓋もいらずにパリッと焼ける冷凍餃子、レンジで数分チンするだけでアルデンテの食感を楽しめる冷凍パスタ。美味しい上に、生ゴミも出ず、洗い物いらずのトレイ入りまであって楽チン。「次はどれを試してみようか」と冷凍食品コーナーを好奇心とともに眺めてしまいます。

 

しかし一方で、冷凍食品の使用は「手抜き」、冷凍食品を入れたお弁当は「愛情不足」という声も聞こえてきます。どれだけ料理に時間を割いたかで、頑張り具合が評価されてしまうようなこれらの意見が、冷凍食品に手を伸ばすことを躊躇させます。育児や仕事、家事に忙しい時間の中で、冷凍食品を使用することは家事の手抜き、家族への愛情不足に繋がるのでしょうか。

 

今回お話を伺ったのは、冷凍食品ジャーナリストの山本純子さん。「冷凍食品は手間抜き食品」だと話し、自身も冷凍食品を積極的に使い、家事と仕事と子育てを両立してきました。その経験から「もっと冷凍食品の安全性や、家庭で使うことのメリットを知ってほしい」と話します。冷凍食品業界に携わって38年の山本さんの冷凍食品との付き合い方について伺いました。

 

PROFILE 山本純子さん

冷凍食品ジャーナリスト。冷凍食品専門紙の記者・編集長・主幹として34年間務める。2015年10月に独立し、WEBメディア「冷凍食品エフエフプレス」を立ち上げ、冷凍食品の情報を届けている。

 

冷凍食品は「美味しくて、簡単」と義母からも好評だった


 

──山本さんは結婚後すぐに旦那さんの両親との同居を始め、冷凍食品もたびたび食卓に登場していたそうですね。当時のご家族からの反応はいかがでしたか?

 

山本さん:

同居した時すでに「冷凍食品ジャーナリスト」としての仕事をしていたので、頻繁に新商品などを家に持ち帰っていたんです。

 

家族からは「美味しくて便利ね〜!」と驚きの声が上がっていました。特に準備やあと片付けが面倒な揚げ物も、冷凍食品だと簡単でコンロも汚れず綺麗なまま。レンジでOKの冷凍コロッケが開発されて、それを持ち帰った時には、姑が感動していました。

 

当時、姑が台所に立ってくれたので、私はほとんど「下宿嫁」状態(笑)。夫の両親は共に家業に専念していたこともあり、私の仕事にも理解を示してくれましたし、食事についても「あなたは外で働いてらっしゃい」と、率先して料理をしてくれたのはありがたかったですね。

 

──お子さんのお弁当に入れた冷凍食品が、幼稚園で話題になったそうですね。

 

山本さん:

そうなんです(笑)。娘が幼稚園の頃、冷凍食品のおかずをよくお弁当に詰めて送り出していたのですが、お友達から「美味しそう!羨ましい!」と話題に。今から25年くらい前のことで、お弁当に冷凍食品を使っている人もまだ少ない時代でした。

 

その後、私の冷凍食品ジャーナリストとしての仕事を知った幼稚園の先生や保護者からの希望があり、冷凍食品の活用法やオススメ商品などの「冷凍食品セミナー」を開催することになったんです。

 

そこで私がよく食べていた「焼きおにぎり」の話をしたのですが、後日保護者から「初めて食べたてみたら、ふっくらしていて美味しかった!」「本当に美味しくてびっくり!」と、ちょっとした「焼きおにぎりブーム」が園内で起こったほどでした。

 

 

──冷凍食品に対する知識や情報が一般家庭に浸透していなかったからこそ、山本さんの話を聞いて、「実際に食べてみたら美味しかった」という発見につながったんですね。

 

山本さん:

これまで身近になかったものってやはり不信感が勝るじゃないですか。「本当に美味しいのか疑問」「やっぱり生鮮が一番だろう」という先入観や疑心から、商品や情報に自ら手を伸ばそうとしないことも、日本での冷凍食品利用率が低い原因の一つかもしれませんね。

 

──海外では日本よりも冷凍食品の消費量が多いと聞きます。

 

山本さん:

冷凍食品はアメリカが発祥です。古くはエスキモーが極寒の地で保存肉を食べていて、「なぜ腐らないのか」と疑問に思ったことから、冷凍は「美味しく、安全に長期保存ができる機能」だという気づきがあったようです。

 

近年ずっとアメリカが世界一の冷凍食品消費国でしたが、最新のデータではイギリスが最も消費量の多い国ナンバー1に上がりました。イギリスの一人当たりの年間消費量は42.6kg。対して日本は年間22.9kgでイギリスの1/2程度。

 

フランスの「ピカール」は日本で有名になってきましたが、イギリスにも「アイスランド」や「クック」という冷凍食品専門店があり、利用者も多いようです。製造側の技術の進化ももちろんですが、「冷凍食品は鮮度を保っている。安全で美味しい」と国民が認識していることが、冷凍食品を広く普及させている背景だと思います。

 

 

──山本さんは、現在も冷凍食品を家庭で使っているのですか?

 

山本さん:

もちろん。冷凍食品は普通の食材ですから。わが家は冷凍食品に対する抵抗が全くないので、今も昔もみんな好んで活用しています。社会人になった娘も、毎朝、冷凍食品を使ってパパッと手早く自分の朝ごはんを用意して出かけていきますね。「冷凍食品は栄養面が心配」という声もありますが、娘は幼い頃から冷凍食品を食べていて、とても健康に育ってくれました。

 

夫も気になる冷凍食品をどんどん買い込むので、昨年の夏に160リットルの冷凍庫を買いたしたくらい(笑)。冷凍フルーツもバリエーションが豊富になり、朝食のシリアルと一緒に食べるのが最近のお気に入りです。

 

現在は親の介護をする世代になりましたが、介護する中でも、冷凍食品の便利さを再確認しました。

 

これまで蓄積してきた冷凍食品の知識と、取材を通して得た料理の知識で、パパっと短時間で食卓を整えられていますし、「やわらか食」も冷凍食品で手に入ります。

 

冷凍食品の活用は、家事の「手抜き」ではありません。調理における、洗って切って下処理する手間、焼いたり炒めたり調理する手間を省いてくれる「手間抜き」食品。これらの手間は製造側が引き取ってくれているんです。わずかな工程かもしれませんが毎日の食事となると、この「わずか」が大きく影響してきます。冷凍野菜を使って調理時間を短縮したり、おかずを一品冷凍食品にしたりするだけで、時間にも心にもゆとりができるはず。そうすれば、より一層、家族とコミュニケーションをとりながらの食事を楽しめ、愛情も注げるのではないでしょうか。

 

──冷凍食品は育児や介護などのライフステージの変化によっても、強い味方になってくれそうですね。次回は冷凍食品のメリットや歴史についても深く伺っていきます。

 

取材・文/佐藤有香 撮影/土田凌

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