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中学受験に挑む家庭のスタンスは3つ!親はブレない考えを

子育て

2020.03.07

2020.03.10

子どもに中学受験をさせようと思っても、最初はわからないことだらけですよね。

 

そこで今回は15年以上にわたり、塾講師やプロ家庭教師として中学受験に臨む親子に寄り添い続けてきた安浪京子さんに、中学受験をすることについて率直にどう思われるか、そして中学受験をすると決めたらどのように臨めばいいのかなど、お話をうかがいました。

 

──子どもに中学受験をさせた方がいいのか悩む親御さんが多くいます。これまでプロの家庭教師として多くの中学受験親子をサポートされてきた安浪さんは、中学受験についてはどのようにお考えですか?

 

安浪さん:

まずお伝えしたいのは、大前提として中学受験はしなくていい受験ということです。

 

メディアなどで中学受験についての情報をたくさん見聞きするうちにみんな中学受験しているという印象になっていると思います。確かに首都圏や関西圏、東海地方、九州地方などで中学受験に熱心な地域はあります。しかし、全国的に見れば非常に珍しいことであるということは認識してもらいたいですね。

 

中学受験はいいとか悪いという話ではなく、ご家庭の考え方次第です。地域によっては大半が受験するというところもありますが、「うちは地元の公立」とポリシーを持っていれば、子どもはその先の勉強をがんばって目標の大学に入ることもできます。

 

ですから、周りに流されての受験だけは絶対にやめたほうがいい。これだけは断言できます。

 

 

──確かに、いろいろな情報があって、親としてはそれに振り回されてしまうところは正直あります。実際のところ、中学受験をする家庭は増えているんですか?

 

安浪さん:

時代によって波はあります。リーマンショック以降、少し減ったのですが、いまはまた高まってきていますね。要因の1つは、一人っ子が増えてきたことが大きいと思います。親は「教育に失敗できない」という強迫観念に駆られて、「何もしないよりはお金をかけてやらせた方がいいのでは」と考えるようになっているのです。

 

ただ、首都圏においてはここ10年くらいで、親の考え方や価値観、子どもの興味などがかなり変わってきていて、中学受験も多様化してきているんです。

 

 

──中学受験の多様化ですか?具体的にはどういうことでしょうか。

 

安浪さん:

いま、中学受験を考えているご家庭は次の3パターンに分けられます。

①アスリート型

②わが家型

③スタンダード型

 

①は完全に中学受験ファーストです。受験すると決めたからには最後まで死に物狂いで追い込む。その先にようやく手にできるものがあるという考え方で、昔はこのアスリート型が主流でした。こうしたご家庭は、「絶対に最終的には東大に入れる」というような強い気持ちと覚悟を持って、子どもが小さい頃から対策をされていますね。

 

②は「うちはうち」という考え方。サッカーやピアノなど、勉強よりも熱心に力を注いでいるものがあって、中学受験で無理はしないという考え方です。もし受験でうまくいかなくても地元の公立中学でいいしって考えていますね。

 

そして大多数はの間くらいのスタンダード型。勉強はしっかりやらせたいけど、子どもを潰してまではやりたくない。とりあえず始めてみて、子どもが「勉強が楽しい」って言い始めたらもっとやらせたらいいし、でも中学受験だけじゃないしというスタンスです。このようなご家庭は塾も、スイミングや英語、プログラミングと同じような習い事の一環で考えていたりします。

 

──中学受験と聞くとアスリート型のイメージが強かったのですが、いまは子どもの心や興味を持っていることを優先したいという親御さんが増えているんですね。

 

安浪さん:

そうですね。子どもの心が壊れないようにっていうスタンスはいいと思いますし、それも愛です。一概にどのパターンがいいとはいえませんが、中学受験すると決めるときには、自分たちはどのパターンでいくのかを、まずはしっかり考えて、それに合った対策をすることが大事ですね。

 

よくあるのが、②③のご家庭でも「このくらいのレベルの学校には入ってほしい」というなんとなくの基準を親が持っていて、そこと比べてしまうとか、だんだん欲が出てきてほかの子と比べてしまうということです。それで、テストの点数や偏差値を見てできていないと怒るんです。これは絶対にやってはいけないですよね。特にのスタンダード型のご家庭は気持ちが揺れやすいので、気をつけた方がいいですね。

 

あとは「うちは公立向きじゃない気がするから、なるべく省エネで楽に中学受験したいけど、○○中学(偏差値60以上)ぐらいには行かせたい」などとおっしゃる親御さんも多いんです。中学受験の大変さをわかっていないんですよね。

 

中学受験は習い事とはレベルが違います。そんなに甘いものではないので、やり方によっては親も子どもも傷が深くなります。お金も時間もかかりますしね。

 

 

──傷が深くなる。そういう話を耳にすると怖くなりますが、中学受験ってそんなに過酷なものなんでしょうか。

 

安浪さん:

最初は3〜4年生くらいで「学童代わりに」という軽い気持ちで塾に行かせて、週2〜3回程度だし、勉強の内容もそこまで難しくないし、こんな感じで御三家に入れたらいいわ、なんて思われる親御さんがいらっしゃいますが、それは甘いですね。小5からガラッと変わりますから

 

5年生になると勉強の内容は一気に難しくなるし、量も増える。塾の回数も増えるし、拘束時間も長くなります。もちろん、その分、塾の費用も上がります。6年生になると4年生のときの倍以上になったりします。

 

また、5年生からは大手の塾では模試の結果がクラス分けに影響したり、かなりシビアに偏差値に出てくるようになります。「うちは中学受験がすべてじゃないし、この子がいつか本気を出したときになんとかなるんじゃないか」って軽く考えていると、6年生になったときにびっくりするような低い偏差値しか出ない現実に直面します。そこでようやく焦るご家庭も多いですね。

 

そうなったときに考えがブレないようにするためにも、まずは何のために中学受験をさせるのかを親がしっかり持っていることが大事になってきます。中学受験は親も子どもも、本当に瀬戸際のところでどう振り切れるかっていうところを試される連続です。そもそも子どもにそういう経験をさせるのか、そこから考える必要があります。

 

中学受験には親のサポートが欠かせませんが、共働き家庭なら夫婦間の協力がなおさら必要になってきます。夫婦の意見がばらばらでは協力できるものもできなくなったり、子どもの前で喧嘩をしてしまい、子どもが混乱する、ということにもなりかねません。

 

子どもがまだ低学年〜中学年のうちに夫婦でしっかり話し合って、お互いの意見を一致させておきましょう。その上で、子どもともしっかり話をしてみてくださいね。

 

次回は「中学受験に備えて、低学年は何をすべき!?「早くから塾通いする子ほどスイッチが入らない」」をお伝えします。

 

PROFILE 安浪京子(やすなみ・きょうこ)



株式会社アートオブエデュケーション代表取締役、算数教育家、中学受験専門カウンセラー。神戸大学発達科学部にて教育について学んだのち、関西、関東の中学受験専門大手進学塾にて算数講師を務める。その後プロ家庭教師として多くの親子から支持を得ている。『最強の中学受験 〜『普通の子』が合格する絶対ルール〜』『中学受験 大逆転の志望校選び 〜学校選びと過去問対策の必勝法55〜』『中学受験 6年生からの大逆転メソッド 〜2019年入試版 最少のコストで合格をつかむ60の秘策〜』など著書多数。http://artofeducation.co.jp/

 

取材・文/田川志乃、撮影/masacova!

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