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子どもの不調にご用心❶慢性便秘/まずは〝伸びた腸〟を戻してあげて!

子どもの健康

2018.07.02

2020.02.12

女性の体の不調として、真っ先にあげられる“便秘”。じつは子どもにも多く、毎日便が出ない子が半数以上という調査結果も(*1)

しかも、便秘になりやすい最初のタイミングは2~4歳とされ、私たちが思っているよりずっと早いんです。

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まずは下のチェックで、お子さんに便秘の症状がないかを確かめてみましょう。

1週間に2回以下しか便が出ない
排便時に痛がったり、硬くて出なかったことがある
トイレトレーニングを終えているのに、
週に1回は便をもらす
おなかの左下(直腸)あたりに、
便が多くたまっている
トイレが詰まるくらい、大きな便が出たことがある

このうち2つ以上にあてはまり、排便にまつわる不快感、苦痛を感じているようなら、慢性便秘です(*2)

慢性便秘の子は、腸が伸びている!?

どうすれば子どもの便秘を改善できるのか、慶應義塾大学病院小児科の関口進一郎先生に聞いてみました。

「まず知っておいてほしいのは、“毎日出ないからといって、便秘とはかぎらない”ということ。回数が少なくても、快便で体調がよければ問題ありません。

 排便の回数が少なく、さらにおなかがはるとか、便を出すときに痛いといった症状があるなら、それは慢性便秘。一度、小児科で相談しましょう。必要なら薬や浣腸で治療して、“便をためない”習慣をつくることが大切です」 

 通常は、肛門の上の“直腸”に便がたまり、直腸が引き伸ばされたときに、脳で便意が生じます。でも慢性的な便秘の子では、つねに便がたまっているせいで腸が伸びきっていて、この感覚が起きないのだとか。

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 そのため、しばらくは薬を使うなどして、便をためない状態を保ち、伸びた腸が戻るのを待たなくてはなりません。

 関口先生いわく、「薬を長く使うのはよくないと思っている親御さんも多いのですが、つらいときだけ薬を使っても意味がありません。排泄リズムができあがるまで、数週間~数か月ほど続けるのがベスト。

 薬の習慣性が心配なら、漢方薬を使う方法もありますよ」。

「ヨーグルトがおなかにいい」とは限らない!? 

 生活改善でよくなりそうな便秘なら、水分や食物繊維を多めにとるなどの方法も効果的だそう。

 ただしヨーグルトに関しては、すべての子どもに効果的とは限りません。牛乳をうまく消化吸収できない「牛乳不耐症」の子は、下痢ではなく便秘として症状が出ることもあり、便秘がかえって悪化することも。

「ヨーグルトを食べると、便がちゃんと出る」というお子さんにはおすすめですが、食べても出ないなら、効果が出ていない証拠。便秘解消のためにと、わざわざ食べさせる必要はありません。

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関口先生によると、「どんな方法も、やってみて便が出るなら、続けるというのが基本です。小さいお子さんのなかには、ママのマッサージで排便習慣がつく子も多くいます。“こうするとウンチが出るんだよ”とやさしく話しかけながら、おなかをくるくるとマッサージするだけでも、効果がありますよ」。

小学校入学をきっかけに、便秘になる子も多い

子どもが成長し、小中学生になると、親が便の状態を見る機会自体がなくなります。そのため、子どもの便秘に気づいていないというケースもあるようです。

とくに小学校入学後は、便秘になりやすいタイミング。「学校のトイレでウンチをするなんて、無理!」という感覚は、昔も今も変わらないよう。便意が起きても、ついがまんしてしまい、やがては便がたまった状態に慣れてしまいます。これが慢性便秘のはじまり。

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しかも最近の子どもたちは、学校に塾に、習いごとにと、朝から晩まで大忙し。出先での排便に抵抗があるうえ、移動が多く、落ち着いて排便できる時間がとれない子もいるのだとか。朝は時間にゆとりをもって過ごさせ、朝食後に便を出す習慣をつけるのが理想的です。

「ストレスが関係していることもあります。学校がいやだったり、やることが多すぎて心が疲れていたり。

 “何をつらく感じているか”に気づき、人に話せるようになるだけでも、ストレスは軽くなるもの。家庭のなかでは話しにくいようなら、心の問題を得意とする小児科医に相談してみるのも、ひとつの方法です。

《参考文献》*1『腸育をはじめよう! 子どもの便秘を放置したらダメ!』松生恒夫(講談社) *2『小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン』日本小児栄養消化器肝臓学会・日本小児消化管機能研究会編(診断と治療社)

取材協力:関口 進一郎
慶應義塾大学助教(医学部小児科学)
子どもの総合診療を専門とし、周産期・小児医療センターでは「生活空間から子どもを診るチーム」として外来を担当。“生活環境が子どもの健康に影響を与えていないか”“就学・進学などの変化が健康に影響していないか”など、幅広い視点から子どもの心身を理解し、診療に当たっている。

取材・文:川西雅子

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