古くからある言い伝えの根拠


「バカは風邪をひかない」「しゃっくりが100回出ると死ぬ」など、古くからある言い伝えの中には科学的根拠がなさそうなものも多数。農林水産省の公式サイトでは、野菜にまつわる言い伝えについてなぜ広まったのかが解説されています。

 

1年で1番昼が長い冬至の日には、かぼちゃを食べて柚子風呂に入るという伝統が。「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」とも言われ、今でも多くの家庭でカボチャ料理が楽しまれているようです。かぼちゃは夏から秋にかけて収穫される野菜で、栄養を損なわずに保存することが可能。「冬至にかぼちゃ」が定着したのは、厳しい冬は栄養満点なかぼちゃで乗り越えようという昔の人の知恵から来ているのでしょう。

 

「秋ナスは嫁に食わすな」という言葉に秘められているのは、おいしい野菜を嫁に取られたくない姑の悪知恵という説が有名。しかしナスには体を冷やす効能があるため、若い嫁の体を気づかっているという考え方もあるようです。ナスについてはほかにも、「なすの花と親の意見は千に一つも仇(あだ)がない」という言葉が。これはナスの花が必ず実をつけることにちなみ、親の意見も必ず役に立つものだという教えを説いたものだそうです。

 

まだ科学が発展していない時代に生まれた言葉は、その時代に生きていた人の経験に基づく場合がほとんど。言い伝えをすぐに信じるのではなく、なぜそう言われているの考えてみることが大切ですね。

文/内田裕子