ゆったりとした時間が流れる、夫の田舎での暮らし。しかし憧れや覚悟だけでは、田舎での結婚生活を乗り切ることはできないようです。そこには知る人ぞ知る〝超濃密〟な人間関係があったんです! 夫のため義両親のため、覚悟を決めて田舎に嫁いだはずの妻たちが語る「世にも不思議な田舎物語」です。

 

■四六時中のパパラッチ(絵美さん/34/農家)

Parent and child who have a secret talk
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生まれたときからマンション住まいで、ご近所さんとは多少の交流がありましたが、それ以外はどんな人が住んでいるのかもわからない。それが当たり前の生活でした。そんな私が、旦那の故郷に嫁いできたのは、結婚直後のことでした。 この田舎暮らしで一番驚いたのは「噂の広がる速さ」。私が結婚の挨拶のために、初めて訪れた日のことです。バスを降りると、バス停の前の畑で仕事していたおばあちゃんが「あー、〇〇さんとこのお嫁さんかい?」と声をかけてきてビックリ。 ここで暮らすようになってからも、どこの誰がぎっくり腰になったとか、誰かの奥さんが最近色気づいているとか、○○さんちの息子さんが二浪の末に有名大学合格しただとか…来る日も来る日も、たくさんの噂話が耳に入ってきます。 うっかり口を滑らせれば、下手するとその日の夕方には、近所じゅうに知れ渡ってしまうのです。情報の伝わる速さは、ある意味インターネット並み…芸能人でもないのに、四六時中パパラッチに狙われている気分です。