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以前は専門店などに行かなければ本格的なスパイスを手に入れることができませんでしたが、最近ではスーパーやコンビニなどでも、さまざまな種類のスパイスが販売されており、簡単に本格的なスパイス料理が作れるようになりました。自宅で本格的なカレーを作る人も増えており、スパイスを何種類も自宅にそろえている人も多くなりました。


スパイスというと料理上級者というイメージが強いため、敬遠している人も多いですが、スパイスを利用すればメニューの幅も広がるので、ぜひともいろいろなスパイスを活用して料理をしてみてはいかがでしょう。

■スパイスとは

スパイスは日本語で香辛料と呼ばれている調味料の一種で、植物の根や種子、実などを乾燥させたものを指します。 香りや辛み、色みをつけるたけに使用する調味料で、スパイス単体で味付けをすることはできませんが、数種類混ぜ合わせることで、複雑な味や香りづけをすることが可能になります。 スパイスと混同されやすいのがハーブですが、ハーブは生の葉や茎などを利用して香りづけを行う調味料です。調味料の分類としては別物になりますが、単体では味付けをできないことから考えると、同じようなジャンルの調味料と捉えられます。 スパイスは、ホールタイプとパウダータイプの2種類に分けることができます。ホールタイプは実や種子をそのまま乾燥させたもので、細かく砕いて粉状にしたり、そのまま加熱したりして利用します。 ホールのままだと香りが逃げないことから、長期保存するのに向いています。ホールのまま調理すると香りが長く残るので、序盤から加えてじっくり香りを出したいときなでに使用します。 パウダータイプのスパイスは、ホールを細かく砕いて粉状にした調味料です。香りがすぐに飛んでしまうことから、長期保存には向いていないとされています。また、加熱すると香りが弱くなってしまうので、仕上げに加えるのが向いています。 スパイスはこの他にも、複数のスパイスを組み合わせたミックスタイプのものや、油や塩を加えたペースト状のものも販売されています。 最初からスパイス単体を集めて自分で調理するのは難しいので、初心者の場合はミックススパイスから始めてみるのがおすすめです。

■いろいろなスパイス

スパイスは数十種類もあるので、どのスパイスを最初に購入すればよいかわかりませんよね。そこでスパイスごとにどのような用途があるのか、代表的なスパイスをいくつかご紹介します。 ・クミン カレーを作る際に欠かせないといわれているのが、クミンです。ガラムマサラなどのミックススパイスに欠かすことのできないスパイスで、せり科の植物です。 さわやかな食欲をそそる香りが特徴ですが、ほんのりとした苦みも感じるスパイスです。油で炒めると香ばしいナッツのような香りがするため、調理の最初に香りづけをする際に使用します。 カレー作りにはもちろん、チリコンカンやクスクスなど、さまざまな国のメニューの中に使用されています。少し加えるだけでエスニックな味わいに変身する便利なスパイスの一つです。 ・ローズマリー 地中海が原産のローズマリーは、しそ科のスパイスです。さわやかな香りづけをすることができるので、肉料理や魚料理の下処理で臭みけしとして利用されることが多いようです。 香りを移す香草焼きが有名ですが、そのほかにもハーブティーに用いられることでしられています。抗酸化作用や抗菌作用があるので、鮮度を保つためにも使用されます。 ・コリアンダー コリアンダーもカレースパイスとして有名です。英語ではコリアンダーですが、タイ語ではパクチー、中国語ではシャンツァイと呼ぶ野菜です。独特の香りやさっぱりとした味が特徴で、生のまま料理に使われることも多い野菜です。 生だと葉の部分だけを食べるイメージがありますが、根や茎は炒めると良い香りが出るため、無駄なく使いきれる便利なスパイスです。 コリアンダーは乾燥させると甘くさわやかな香りとほのかな苦みが楽しめることから、インドでもカレースパイスとしてよく使われています。