塾でのカンニングを注意できるのは親だけ?!
塾の先生から「子どもがカンニングするのは珍しくないですよ」と聞いたことがあるママもいるかもしれません。 ある塾講師によれば、実は「20人のクラスならたいてい2~3人は日常的にカンニングする子がいる感覚です」という話も。
しかし、その場で指摘したり叱ったりすると、子どもは「悪かった」と思う以前に、「信用されていない」「恥ずかしい」「嫌われた」というマイナスの感情が先に立ってしまいがち。 先生と子どもの関係性が悪くなると学習意欲や成績に影響する恐れがあるので、カンニングに気づいてもその場で指摘はしないのが一般的だそうです。
さらに、保護者に伝えるかどうかについても同様。中には「うちの子がそんなことをするはずがない、失礼だ」と怒り出す保護者もいるため、よほど他の子に迷惑がかかるような状況でない限り、保護者には黙っておくことも多いようです。
しかし、仮にクラス分けテストでカンニングして実力以上のクラスに入っても、授業内容についていけない可能性が高いですし、模試でカンニングして志望校がA判定だったとしても、おそらく受験本番で合格は難しいでしょう。
中学受験が近づく高学年の子なら、本人もそのことは理解できているはず。 それでもカンニングしてしまう背景には、「低い点数を取ることへの不安」「期待しているママやパパを喜ばせたい」または「叱られたくない」といった子どもの複雑な気持ちが隠れています。 テストの結果はいいのに、どうも理解しているのかどうか違和感がある場合は、塾用のテキストやノートを時々確認してみましょう。
テキストにもノートにも途中の解がまったくないのに〇ばかりついているといった様子がないか確認したり、一緒に問題を解いてみて、正解できないにしても考えられているかどうか様子を見てみるのもいい方法です。
もちろん疑ってかかるのは良くないですが、塾でのカンニングに関しては、学校と違って親が気づかなければなかなか指摘されにくいので、気になるときは早めに確認を。 その上で塾に相談すれば、たいていの場合、塾側では把握していると思われますので、宿題の量やクラスのレベルは適切か、塾の友達関係など勉強が手につかないようなトラブルはないか、などを話し合うことができるはずです。
まとめ
公立の小学校から公立の中学校へ進学する場合、入学試験はなく、小学校の定期テストの点が進路に影響することもないので、小学校時代にカンニングをしたからといって大ごとにはならないかもしれません。 しかし、中学校の定期テストではカンニングが発覚すると点数が無効(0点)になりますし、高校では停学などの厳しい処分が待っています。また高校入試では試験自体が無効となり入学の望みが絶たれてしまうため、子どもの一生を左右することにもなりかねません。
さらに、先生や学校には分からなかったとしても、近くの席の生徒がカンニングを目撃していて噂が広がれば、友だちからの信用を失う事態ともなってしまいます。 小学生のお子さんを持つママ・パパには、ぜひ今のうちに、「叱られるから」ではなく、子ども自身がカンニングをしようと思わないようなマインドセットを持たせてあげてほしいと思います。
文/高谷みえこ