少し前に耳にすることが多かった太陽光発電ですが、近年では地球温暖化の対策などさまざまな目的から注目されています。発電した電力を買い取ってくれるようになったことも大きく影響しているのではないでしょうか。
実際に新築の一戸建て住宅でも太陽光発電で発電した電力の買取を利用して住宅ローンの返済を0円にするといったものもあります。
太陽光発電のメリットとデメリットについて見てきましょう。
■太陽光発電のメリットは?
一番のメリットとなるのが、自家発電を行うため電気代がかなり安くなることになります。このことで、光熱費がずいぶんと節約できるようになります。
また、発電しながら消費するだけでなく、発電した電力は蓄電池に蓄えておくことができるため、夜間でも電気の使用が可能になります。
電気が不足した場合には、電力会社の電気を使えばいいのですが、その場合、夜間の料金が安くなるプランを契約しておくことで電気代そのものを節約することができるようになります。
次のメリットとしては、余剰電力を買い取ってもらうことができるので、投資としても活用することができるという点が挙げられます。設置するパネルの面積や蓄電池の併用などによって、長期間の安定した収入を期待できるのです。
この他にも、災害時であっても電気が使用できるというメリットがあります。自然災害などで送電線にトラブルが発生した場合、電力会社からの電力の供給を受けることができなくなり停電してしまう可能性も。
万が一そのような状況に陥ったとしても、太陽光発電の場合なら、屋内の配線に問題なければ、送電線の状態に関係なく電気を使用できるのです。
■太陽光発電のデメリットは?
メリットの多い太陽光発電ですが、どのようなデメリットが考えられるのでしょうか。 太陽光発電の大きなデメリットとしては、設置費用が高額な点にあります。パネル1枚で10万円前後必要になりますし、実際に屋根面に設置するとなると数百万円といった費用になることも少なくありません。
その設置に関して、以前は国から補助を受けることができたのですが、現在はその補助は終了しています。しかし、自治体によって補助金を出しているところもあるため、太陽光発電の設置を検討する際には、事前に地域の自治体に問い合わせてみる必要があります。
太陽光発電のメリットとして余剰電力を買い取ってもらえるというのがあるのですが、その買取価格も徐々に下がってきているということもあり、数年後、数十年後を考えたさいにはどうなっているかわからないといった不安もあります。
屋根が広い家屋の場合を除き、一般的に自宅用で設置した場合は、電力全てを買い取ってもらうことはできません。
■デメリットを上回るメリットがある
太陽光発電にはメリットもデメリットもありますが、デメリットを上回るメリットがあると感じる場合には心配は不要かもしれません。
投資としてよくよく考えて見れば、それほどマイナスが大きいということにはならないのかもしれません。以前に比べると初期費用もかなり安くなっているようです。
費用が高いイメージのある太陽光発電ですが、実際に設置することを想定して考えてみると、ほとんどの場合、全ての電力を売却すると、設置金額の10パーセント弱くらいが売り上げになるようです。
ですから、およそ10年ほど経過すれば、元が取れる計算となるのです。その後はメンテナンスに費用はかかるかもしれませんが、ほとんどの場合は利益が出るのではないでしょうか。
しかも多くの場合、10年保証となっているケースが多く、その間のトラブルはほぼ保証による対象となるため、費用はかかりません。これなら長期で考えてみても、初期投資が高額であるデメリットもそれほど感じないかもしれません。
■太陽光発電ではメンテナンスが大切
太陽光発電では燃料となるのが太陽光であるため、ランニングコストは一切かかりません。しかもソーラーパネルは耐用年数が長く、どうしてもメンテナンスを忘れがちになってしまいます。ある意味でこれはデメリットと呼べるのかもしれません。
太陽光発電は20年以上の寿命があるとされています。その間、ソーラーパネルの汚れなどは屋外に設置しているということもあり、雨が降ることできれいになります。ですからそれほど清掃に関しては神経質になる必要はありません。
ですが、太陽光発電でしようするのはソーラーパネルだけではなく、モニターやパワーコンディショナーなどは定期的なメンテナンスを必要としているのです。
これらの機器は保証期間である10年を過ぎたあたりから不具合も出始めるので、修理や交換などのメンテナンスが必要になります。こういったトラブルを極力防ぐにはやはり定期的なメンテナンスは必要ということなのです。
■まとめ
太陽光発電にはメリットもデメリットもあるのです。ですが、太陽光発電にいたっては、そのデメリットを補って余りあるメリットが現時点ではあるのです。
ただし、太陽光発電で利益を出すようになるには、10年以上の月日がかかってしまいます。そのため、10年後以降の太陽光発電に対する考え方やサポートがどうなっているかを予測して判断する必要があるのかもしれません。
文/今野由奈