家族全員が住みやすい理想的な暮らしを手に入れられるのが注文住宅ですが、間取りだけを考えて設計すると、実際に暮らし始めたときに不満を感じてしまうこともあります。間取りにおいて大切になってくるのは、暮らしの動線です。特に重要なのがキッチンやトイレ、お風呂などといった水回りの動線です。 マイホームを手に入れたあとに生活しづらい、音がうるさいなどといったトラブルにならないよう、水回りの間取りはしっかり考えなくてはなりません。そこで水回りのトラブルを回避するために、どのようなことを注意すれば良いかまとめてみました。
■排水の設置に気を付ける
マイホームを設計する上で、キッチンやお風呂、トイレの位置などに頭を悩ます人はいても、排水の設計までに気を配る人は少ないことでしょう。 マイホームを建てる上で気をつけなければならないといわれるのが、寝室の近くに水回りを設置しないという点です。 キッチンで洗い物をする、トイレで水を流す、お風呂でシャワーを使うなど、水回りでは必ず水を流す音がつきものです。 寝ているときに誰かがトイレやお風呂に入ったり、キッチンで洗い物をすると、水を流す音で目が覚めてしまうこともあります。 また、ダイニングやキッチンと同じフロアにトイレがあると、食事中に不快に感じてしまうことも考えられます。 2階に水回りを設置すると1階に排水音が鳴り響くため、夜はトイレやお風呂に入るのも気を遣うため、ストレスを感じることもあるでしょう。 水回りの間取りを考える場合、使い勝手の良さだけを考えるのではなく、排水音のことも考慮した上で設計を依頼しましょう。
■水回りは集中させる
建売住宅や分譲マンションなどへ見学に行くと、キッチンや洗面所、トイレやお風呂などが集中していることに気付きます。 トイレやお風呂、洗面所などの水回りが離れていると配管工事も複雑になるため、配管が詰まった場合や漏水した場合、不具合の場所を特定するのが難しく、調査にも時間がかかります。 また、配管設備は一定期間ごとにメンテナンスが必要なので、配管が集中しているほうがメンテナンスがしやすいというメリットもあります。 配管の設置が複雑であれば、それだけ工事やメンテナンスに時間がかかってしまい、コストも高くなります。 水回りが集中しているのは利便性の良さだけでなく、コスト面をカットできるという利点があるということを覚えておくと、マイホームを建てるときに役立ちます。
■家事の動線を考えて配置する
水回りを設置する場合、家事の動線を考えて設計することが重要です。水回りを集中させるとコストを下げるだけでなく、家事をするのに便利な動線を作ることが可能になります。 オーソドックスな水回りの配置の場合、キッチンの横に脱衣所やお風呂、トイレなどが横並びに設計されており、キッチンから脱衣所につながることで、洗濯を同時にしたり、お風呂掃除をしたりと、あちこち移動する必要がありません。 お風呂に入るときも洗濯物は洗濯機にすぐ入れられるため、家族が洋服を脱ぎ散らすことも防げます。 最近では脱衣所とユーティリティーが一つになった設計も多く、アイロンも行えるスペースが設けられているため、キッチンからユーティリティーですべての家事を完結させることが可能になっています。