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■つみたてNISAのメリット

ここでは、つみたてNISAのメリットについて、一般的な投資やNISAとも比較しながら考えてみます。 ①投資によって得た利益に税金がかからない。


これは一般NISAも同様です。20.315%の税金がかからないことが、つみたてNISAの一番大きなメリットになります。 ②非課税期間が一般NISAより長い。


一般NISAが5年なのに対し、つみたてNISAは20年と、非課税期間が長いため、より長期の投資を行うことができます。


このため、つみたてNISAで投資できる商品は、長期投資用の投資信託・ETF(上場投資信託)のみです。


そして、累計非課税枠も一般NISAが600万円なのに対し、つみたてNISAだと800万円までとなっています。 ③投資の対象は投資信託がメインになっている。


投資といえば「株」を思い浮かべる方が多いと思いますが、つみたてNISAでは株に投資はできません。そのかわり、投資信託が商品として提供されています。


投資信託とは、複数の株を組み合わせた商品で、投資先が分散されているために、リスクを減らせるメリットがあります。また、投資額も100円からと少額でもできることもメリットの1つです。 ④投資できる商品が厳選されている。


つみたてNISAは国が一般投資家を増やすために始めた制度です。ですから投資の初心者でも商品が選びやすいように、あらかじめ長期投資に適したものを、金融庁がチェックして提供しています。


例えばNISAでは投資信託だけでも約6000本あるのに対し、つみたてNISAでは162本(2018年10月)となっています。


つまり、つみたてNISAは、投資額がNISAより小さいものの、長期に運用することで、初心者でも利益を上げやすい制度である、ということがわかります。

■つみたてNISAのデメリット

ここまで書くと、つみたてNISAにはメリットしかないように思われますが、もちろんデメリットもあります。 ①年間に投資できる額が小さい


投資はその額が大きければ大きいほど、少しの値動きでも莫大な利益を得ることができます。しかしNISAなら1年間で投資できる額が120万円、つみたてNISAはさらに少額で40万円までです。


コツコツ積み立てるという意味ではとても有効ですが、もっと多くの資金を投入したい方にとってはデメリットにもなります。 ②投資方法がつみたてのみ


つみたてNISAは投資の方法が、毎月、毎週など決まったサイクルでの投資方法しか許可されていません。「つみたてる」という方法でしか商品を買うことができないのです。 ③投資方法が特殊である


つみたてNISAは、毎年40万円までの投資枠が与えられるのですが、上限まで投資を行わず、40万円の枠が余ってしまっても、その余りを翌年に持ち越したり、別の商品を買って埋めることができません。 ④損益通算ができない


例えば、つみたてNISA以外に一般の投資口座を持ち、投資を行っていたとして、つみたてNISAで5万円の損失、一般の投資で5万円の利益を得たとします。


一方では5万円の損、一方では5万円の益が出ているので、その人にとっては5-5=0で何の利益もありません。


このように複数の投資の損益を合算することを「損益通算」といいます。


しかし、つみたてNISAの損益は一般の投資の損益と合算することができないので、上の場合は一般投資の利益5万円のみということにされ、約20%の税金がかかることになります。 なお、一般NISAとつみたてNISAの併用はできません。年ごとにいずれか一方を選ぶ形となりますので、選択の際には十分にご注意ください。NISAを開く証券会社の口座も1カ所のみとなります。 つみたてNISAのメリットやデメリットはお分かりいただけたでしょうか?


あなたのマネーライフに少しでも参考になれば嬉しいです。