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毎晩続く夜泣きにいつまでつき合うの…?トイレトレーニングが終わらない…!など、育児の悩みはつきません。自分を追い詰めてしまう前に、他の国に目を向けてみませんか?日本では当たり前の育児論も、海外では誰も知らないなんてことも。視野を広げれば、気持ちがラクになるかもしれません。日米での育児経験を元に、知ってほしい海外の情報をお伝えします。

 

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第2回|隠れたキッズメニュー注文でスタバが親子のオアシスに!
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第4回|米国ワーママの必需品"さく乳器"で母乳育児にもう悩まない!
第5回|手作りはあり得ない⁉︎アメリカ育児の離乳食は市販がメイン
第6回|世界中で大ブーム!? 自主性を育てる離乳食・BLWって何!?
第7回|ネントレ「Cry it out」は夜泣きがつらいママにおすすめ!
第8回|これで寝かしつけいらず⁉️アメリカ流のネンネトレーニング!
第9回|アメリカのママも悩むTerrible twos(恐ろしい2歳児)
第10回|我が子の自己肯定感・自立心を高めるアメリカ式育児

 

 [第11回 アメリカのトイレトレーニング]

3日でオムツをはずす!
大人気の3-day potty training


子どもが2歳近くになると、気になり始めるのがトイレトレーニング。まずどんな方法がいいのか検討して、いざ始めてみてもうまく進まなかったり、他の子と比べてしまったりでママがイライラしてしまうことも多いですよね。今回はそんなママの選択肢のひとつとして、アメリカで人気の3-day potty trainingという短期集中型トイレトレーニングをご紹介したいと思います。

 

まずはアメリカのトイレトレーニング事情からみていきましょう。 「アメリカはオムツに寛容で6歳くらいまではずさない子もいる」なんて話も聞きますが、実際のところどうなんでしょうか?

共働きの家庭が多く子どもを早くからプリスクール(幼稚園)に入れる都市部では、日本と変わらず2歳前後からトイレトレーニングを開始するところが多いのが実情です。園にもよりますが、オムツが外れていないと入園できない、進級できないというケースもあるようで、日本よりハードルは厳しいといえるかもしれません。

 

今回話を聞いたアメリカのママによると、

「小児科の先生から一般的に女児は2歳すぎから、男児は3歳手前で始めるのが理想的であると言われましたが、それより早く始めているママもいます。特に子どもをプリスクールに入園させたいママ達は入園に間に合うように早めに始めていますね

アメリカでは女の子は男の子よりトイレトレーニングに興味を持つ時期が早いとされ、男女のスタートの時期が異なるそう。男の子はどんなに早くても2歳過ぎから始める一方、女の子は1歳半くらいからトレーニングを始める子も多いそうです。

アメリカでは、日本でも主流の、ある程度じっくり時間をかけて行うトイレトレーニングのほか、のちほど詳しく紹介する3-day potty trainingや、日本でも注目されているおむつなし育児も徐々に人気となっています。アメリカのママたちも日本のママと同じように、子どもや自分にどのトレーニングが合っているのか試行錯誤しながらオムツはずしに取り組んでいるんです。

裸で過ごさせてトイレの感覚を教えていく

3-day potty trainingは、なんと3日間でオムツはずれを行う、アメリカで一番人気のトイレトレーニングです。子どもを裸のままや大きめのTシャツを着せただけの状態で過ごさせて、トイレの感覚をつかませるという驚きの方法なのですが、短期集中型のため働くママたちに人気なんだそう。

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開始する時期については、普通のトイレトレーニングと一緒で、だいたい2歳前後、トイレに興味が出てきたころに行うのがいいとされています。特にアメリカの新学期は9月からなので、そのタイミングに間に合うよう6~8月頃に自宅で裸にさせて3デイトレイニングする人が多いそう。集中して行える3連休に実行したり、トレーニングのために休暇をとるママもいるといいます。「旅行などの計画がある場合はその後にトレーニングを開始するよう小児科の先生から言われました」というママからのコメントもあり、3日間じっくり取り組むことが求められる方法です。

 

3日間でオムツはずれ…どうやって取り組むの?

このトレーニングで最初に行うのは子どもに「オムツからの卒業」を印象付けること。お店に行って一緒にパンツを選んだり、子どもと一緒に「バイバイ」と言ってオムツを捨てることでトイレトレーニングへのモチベーションを高めます。 その後、子どもを裸や洋服を一枚着せただけの状態にし、水をひんぱんに飲ませて15分から20分間隔でおまるやトイレに座らせます。このことで、少しずつトイレで用を足す感覚を学ばせるのだそうです。

 

実際に行なったママにどんな方法で行なったかを聞いたところ、 「暖かい時期に庭などでパンツ一丁で子ども達を遊ばせながら3日間で完了させるというのが主流です。我が家では、冬に開始したので暖房の入った暖かい部屋で息子をおまるに座らせて好きなテレビを見せながら根気強く待ち、できたら褒めまくりの繰り返しを3日間やりました」

 

昼寝や夜寝るときにはオムツを使用してOK。2、3日目はトイレが近くにある公園などに外出してみて少しずつ慣らしていくとよりいいそうです。

子どもをほめて育てるアメリカらしく、トレーニングで一番大事なのは成功したらとにかく褒めること。

「小児科の先生から、子どもを絶対に叱らないこと、できたときに褒めることが大切だと言われました」と話してくれたママも。日本でもよく用いられている成功したらシールをあげるという作戦も有効だそうですよ。

 

短期集中なのでトレーニングが進まないという焦りや、後戻りの心配も少ないため、ついトイレの失敗でイライラしてしまうというママには特に合っている方法かもしれません。

子どもを裸にさせるという少しギョッとする方法ではありますが、早く終わらせたいというママにおすすめの3-day potty training。オムツはずれがなかなかできないと悩んでいるママも、選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか?

 

取材・文/阿部祐子