104-1

 

現在、景気の立て直しのために、政府が積極的に推し進めているのが、各種インフレ政策です。デフレからの脱却を目指し、さまざまな対策が行われている中で、インフレの兆しを実感しつつある方も多いのではないでしょうか。 インフレは、いずれ必ずやってくるもの。いざそのときがやってきたときに損をしないためには、今からきちんとした知識を身につけ、さまざまなリスクヘッジを行っておく必要があります。 インフレで起こり得る問題と、自分自身の資産を守るためのポイントを紹介します。

 

■インフレとは、「インフレーション」の略!

日本は長年、デフレーションが引き起こすモノのサービスの価格低下が原因で、不況に苦しんできました。インフレーションの略である「インフレ」は、こんな状況を良い方向へと導くための切り札だとされています。 デフレによって下がり切ったモノやサービスの価格を上昇させることで、企業側に儲けを生み出し、そしてそれが労働者にも還元される仕組みを作ろう!というわけですね。 うまくインフレになれば、物の値段は上がります。しかし賃金がそれと同様に上昇していくのであれば、毎日の生活を送る上で、それほど不安はないでしょう。 ただしここには一つ落とし穴があり、「一生懸命貯めてきた資産を現金で保有していると、インフレ率に応じて、価値の下落が落ちてしまう」という点です。 現在、1本100円で購入できるジュースが、インフレで200円になったとしたら、それは「物の値段が上がった」ということのみを示すわけではありません。「これまでと同じものを手に入れるために、より多くのお金を支払わなければならなくなった」ということですから、現金の価値が下落しているとも言い換えられます。 同じことが、現金で保有している資産にも言えます。現在「1,000万円」の預金を持っていたとしても、インフレと共にその価値は減少。将来的には、今の「800万円」や「500万円」にまで、価値が低下してしまうことも考えられるのですね。