《 “水引”は、実はお洒落で実用的だった!》
「水引」と聞くと、“祝儀袋に付いている飾り”“お正月の鏡餅やしめ飾りに付いている鶴”等、日本の伝統行事・イベントに華を添える様々な形の水引細工を連想する方が多いかと思います。 実は私もその一人でした。しかし、昨年フラワーショップ“日比谷花壇”主催の水引ワークショップに招待され、水引作家の東郷美栄子さんより水引細工の手ほどきを受けてからそのイメージが変わり、すっかり水引の魅力にハマってしまいました。以来、家事や育児の隙間時間に水引細工をぼちぼち作っています。 水引は和紙で出来た“こより”に糸を巻いたものです。現在は長野県で全国の70%以上の水引が生産されているそうです。そのせいでしょうか、北陸エリアでは水引細工の文化が色濃く根付いています。(私を指導して下さった東郷さんも、普段は石川県金沢市で作家活動をされているそうです。) 最近では伝統的な和の配色の水引に加え、ヴィヴィッドカラーやメタリックカラーなど、現代感覚の色彩を取り入れた水引も登場していて、これらの水引を使うと、イマドキ風アクセサリーや小物も作成できます。 私が生活に取り入れている、水引活用アイデアを少しご紹介させて頂きたいと思います。
《水引で作るアクセサリーは、軽くて可愛い♪》
水引細工の素晴らしい所は“軽い”、“可愛い”、“手軽に作れる”部分だと思います。水引という素材自体が軽いため、水引細工で作るアクセサリーは、重さを感じさせずに華やかさを演出できるのが大きなメリットです。そのため大振りのピアスやイヤリング、ネックレスチャーム等を水引で作ると、軽やかに身に付けられます。特にメタリック系色彩の水引を使うと、金属の様な輝きのアクセサリーチャームが作れるのでお勧めです。 水引細工の結び方ですが、基本となる“あわじ結び”が出来れば、その結び方を応用して様々なモチーフを作ることが出来ます。 私が最初に作ったのは“平梅結び”の帯飾りでしたが、伝統的な結び方でも、配色を工夫すると現代風のアクセサリーとして通用する所に感銘を受けました。その後、“梅結び”、“菜の花結び”等、色々な結び方にも挑戦して、何種類ものアクセサリーを作りました。(大部分をプレゼントとして贈り、あまり手元にありませんが…) 昨年のクリスマスシーズンには、海外の友人達へのクリスマスカードに水引細工を同封して送りましたが、たっぷり封筒に入れても送料がさほどかからず、友人達にはサプライズとして好評でした。日常生活においても、女の子向けのプチギフト等にすると喜ばれるのではと思います。 水引の結び方は、書籍や動画で作成プロセスが公開されていますので、お気に入りの結び方を見つけたら、ぜひオリジナルアクセサリー作りに挑戦してみて下さい。水引にコットンパールやタッセルをプラスすると、更に可愛いアクセサリーが作れます。
写真:自作の水引製アクセサリー達。配色や素材を工夫すると、和装にも洋装にも合うモチーフを作成可能。
《ラッピングアイテムとしても水引は優秀!》
水引活用法の王道は言わずと知れた“祝儀袋の飾り”だと思いますが、ポチ袋やプレゼントのラッピングにワンポイントとして加えても、お祝いムードに華を添える事ができます。 例えば、シンプルなポチ袋に水引細工をプラスすると、見た目がぱっと華やかになりますし、事前に水引細工に丸カン(アクセサリーパーツ)等をつけておき、メッセージカードなどに「ラッピングに使った水引細工に紐をつけるとチャームになりますよ♪」等書き添えておけば、『一粒で二度おいしい』アイテムになります。 個人的に、和紙には日本の古典的な配色のモチーフ、洋紙には鮮やかで現代的な配色のモチーフを合わせると良い感じにまとまると思います。今では“ハート結び”、“猫結び”、“スワン結び”等、現代風モチーフの結び方も考案されていますので、バレンタインデーやお誕生日等、日常生活の中でのちょっとしたイベントに水引細工を取り入れやすくなっています。 その他、一本または数本の水引をそのまま使い「麻紐代わりにギフトボックスの蓋を縛って固定」、「ラッピング用ビニールの入れ口部分を縛る」という活用法もあります。
写真:「和紙のポチ袋に和風モチーフをプラス」、「洋紙のポチ袋に現代風モチーフをプラス」
《水引の結び方も様々!活用方法も色々!!》
水引細工で作ったモチーフは、食卓周りにも華を添えることが出来ます。例えばお正月のおせち重や行楽弁当などに、水引細工をつまようじに装着した「水引ピック」を挿して演出を加えると特別感がアップしますし、割り箸袋に水引細工を付けてもイベントムードを盛り上げられます。 また、水引細工はフラワーアレンジメントとも相性が良いので、水引細工を竹ひご等に装着した長めの水引ピックをフラワーアレンジメントに挿入したり、お花に添えて贈るメッセージカードに、花型の水引細工を付けても可愛いですよ。(水引細工の達人の中には、フラワーリースを水引だけで作る方もいらっしゃるようです…) 日本の素晴らしい伝統技法である“水引細工”の魅力を、多くの方に再発見して頂けると幸いです。
写真:地味な色合いの料理を詰めた重箱には、水引ピックで華やかさをプラス。
CHANTOママライター/トヤマチエコ