自宅にいながらも、仕事に携われる“在宅ワーク”。一見時間に追われる主婦にとっては魅力的な職業にも感じますが、蓋を開けてみると様々なお悩みが。最近では、とある女性のお悩み投稿が在宅ワーカーたちの間で話題になりました。
在宅ワークの“自由さ”が招いた主婦の悩みとは
相談者は、在宅ワークで家事との両立に励んでいる主婦。在宅ワークの自由さに惹かれて取り組んでみたものの、その自由さ故に“メリハリがつかない”と悩みを募らせています。例えば仕事に費やす時間に関しても、在宅ワークの場合は自分のさじ加減ひとつ。何時から何時までという制約がない分、集中して仕事に取り組めないそうです。
そして主婦業に勤しむ間も、常に“在宅ワーク”のことで頭がいっぱい。そんな彼女のお悩みに対して、ネット上では「その気持ちすごい分かる!」「終わってない仕事があるとずっとモヤモヤし続けて、心から休めないよね」「会社員時代のOFFの日や帰宅後の解放感がたまらなく楽しかった…」など共感の声が続出する事態に。また共感の声以外にも、“メリハリ術”の数々が寄せられました。
在宅ワークでメリハリをつけるためには…?
まずアドバイスとして多かったのは、“予め時間を決めて取り組む”という意見。その時間の決め方も人によって多種多様で、「仕事にとりかかるのは〇時から〇時までと決めて、それ以外の時間は絶対に仕事をしない」「見積もりの時点で仕事を時給換算して、その時間内に必ず仕事を終えるようにしてる」といった声が上がっています。中には「3カ月間猛烈に働いて、その次の3カ月は休む」と“期間”でメリハリをつけている人も。
一方“場所”を変えて仕事に取り組む人も多く、「作業専用部屋を設けて、仕事はそこでしかしない。部屋を出たら仕事のことは考えないようにしてる」「在宅ワークは図書館や公園、カフェなどでやる。毎日は無理でも行き詰まった時はおすすめ」等の意見も見受けられました。
その他にも「あえて習い事を挟む」「仕事中は服を着替える」「今日の仕事がどこまで進んだかを記録して、モチベーションにしてる。時間にメリハリをつけたいなら、“今日はここまでやる”っていうのを『見える化』してあげるといいかも」などの助言が。在宅ワーカーたちは、各々工夫しながら仕事に取り組んでいるようですね。
年収500万!? 在宅ワーカーの知られざる実態
在宅ワークには、まだ知られざる一面がいっぱい。そこでここからは、経験者が語る“在宅ワーク”の実態についてご紹介していきましょう。
特定非営利活動法人フラウネッツは、現役在宅ワーカー132名を対象にアンケートを実施。まず「現在の税込み年収」について尋ねてみたところ、初心者の半数近くが「20万円未満」という結果に。いっぽう経験者は金額のバラつきがあり、同率1位で「20~50万円(21.2%)」「100~200万円未満(21.2%)」がランクインしました。ちなみに少数派ではありますが、在宅ワークで「500万円以上」を稼ぐ人も。
さらに「1日当たりの平均就業時間」については、初心者の平均が「4.2時間」、経験者の平均は「5.9時間」ということが分かっています。
他にも現役在宅ワーカーたちのリアルな“悩みや不安”をヒアリングしてみたところ、上位には「期待する年収が得られない(53.0%)」「仕事の探し方、増やし方が分からない(38.6%)」「受注件数が伸びない(30.3%)」が挙がっていました。しかし初心者にだけ焦点を絞ると、「自分のスキルに自信がない(34.0%)」と悩む人も多いようす。
一見「楽しい」「簡単」などのイメージが強い“在宅ワーク”ですが、その裏には計り知れない苦労とお悩みが。世間が抱く在宅ワークのイメージは、氷山の一角に過ぎないのかもしれませんね。
文/内田裕子