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育児と仕事、両立したい。ママでも、キャリアアップを目指したい。……と、「転職」を考えるママは意外と多いのです。

そこで、これから転職活動をするママに向けて、ママだからこそおさえておきたい「転職マナー」をおさらい。

大学時代に第一子を出産し、新卒の際は既にママ。その後三人の子どもを育てながら、転職。現在では四人のママとして、プロジェクト型の新しい働き方で企業と個人をマッチングする「CARRY ME」の役員を担当。実体験をもとに、女性のキャリア・働き方についてノウハウを発信し続けているFlexible Career代表 の毛利優子さんに話を伺いました。

第二回目は、「面接の際の服装」のマナーについてです。


面接でリクルートスーツはNG

「ママの転職というと、いままでの社会人経験を経て転職活動する人がほとんどかと思います。新卒の就職活動とは違いますから、リクルートスーツを着る必要はありません。年齢的なこともあるのと、就活生のようなイメージはマイナスな印象にも見えてしまい、かなり野暮ったい感じを受けます」

 

スーツを着るなら、かっちりしすぎずにインナーは薄手のニットにするなど、“きちんとしつつも少々肩の力が抜けた感じ”のほうが、「デキる」という印象をもたれやすいのだそう。

 

服装に正解はない。受ける職種によりけり

ただし、必ずしもスーツを着ていけばいいというものでもなさそうです。

 

「金融系など、いわゆるお堅い業種はスーツが鉄板ですが、逆にスタートアップの企業やファッションを重視する業種の企業は、がちがちなスーツで行くと“うちの職場とは合わない”と判断される場合もあります」

 

受ける会社の社風や業界に会うように判断するのが大切だとか。

 

「忙しいママは時間を作るのもなかなか難しいと思いますが……受ける会社の社員がどんな服装で出社しているのか、

HPの採用ページや社員インタビューを参考にしてみると良いでしょう」

 

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万能なのは「ジャケット」

「とはいえ、ビジネスカジュアルは基本ですね。黒やネイビー、ベージュなどのベーシックなカラーを基調にした服装で、奇抜過ぎず清潔感のある格好を選んでください。そこさえ守れば、社風や業界に合わせて、自分が一番しっくりくる服装で問題ないでしょう」

 

いろいろなスタイルに汎用性が高く、一つ持っていると手持ちの服をオフィスカジュアル風にきちんと見せてくれるのに便利なアイテムが「ジャケット」。

 

「カジュアルな業界を受ける場合はとくに、ちょっとカジュアルすぎるかな……と、心配なこともあると思います。そんなときのために、ベーシックなジャケットを1枚持っておき、その場で羽織れるようにしておくといいですよ」

 

ヘア・靴・バッグ・アクセはどの程度?

ヘアスタイルについても、社会人転職の場合は「特段これがNG」というものはないとか。

 

「例えば明るめの茶髪や、個性的な髪型について。もちろん、お堅い業種であればマイナスな印象を持たれる可能性は高まります。しかし、IT系のスタートアップ企業などであれば、実力さえあれば見た目は派手でも全く問題ないという企業もあります。逆に、ボサボサしているなど清潔感がない印象は、たとえ黒髪でも微妙な印象を持たれてしまいますよね」

 

では、靴やバッグアクセサリーは?

 

「例えば、すごく派手なネイルとかだと目がいってしまいますが、ネイリストやアパレルならそれが評価される場合もあります。何がNGということではなく、希望する会社の環境にあっているかどうかを見極めて」

 

アパレルなど、センスを重視したい職業では、控えめにしたつもりが“センスがない”と判断され、マイナスに映ることもあるとか。

 

「また、仕事をしながら“自分がどう過ごしたいか”を考えてもいいかもしれません。例えば、おしゃれが好きな人なら、自分の好きなスタイルやネイルが認められない会社で働くことは自分にとって幸せなのかと考えるのも一つの選択基準ですよね」

 

服装選びは、「受ける企業の雰囲気に合った、清潔感のある服装」を心がけるのが良さそうです。

 

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監修者PROFILE 毛利優子さん


女性のキャリア・働き方の専門家、Flexible Career(フレキシブルキャリア)代表、兼 プロジェクト型の働き方で企業と個人をマッチングする『CARRY ME』のCMO(最高マーケティング責任者)。大学在学中に長男を出産。大学卒業後、新卒でありママであるという状態で就職したという経験を持つ。その後、20代後半で子どもが3人いるという状態で監査法人の事務職から完全未経験のWebサイトの企画・ライター職種に転職。それらの経験を生かし、仕事をしながら子育てをする女性を応援するためのノウハウをまとめたWebサイト『働くママプラス』を企画・リリース。月間10万PV以上、収益化を実現し、MVPを受賞する。現在では、4人の子育てと仕事を並行しながら、「時間」ではなく「成果」で評価される新しい採用・働き方を広めるために奮闘中。著書に『働きたいママの就活マニュアル』(自由国民社)、『これで解決。働くママが必ず悩む36のこと』(日本実業出版社)がある。

 

取材・文/松崎愛香 イラスト/村林タカノブ