職場への通勤で満員電車に乗る人は多いかもしれません。混み合った車内ではお互いのスペースが少なく、不快感を覚える人も少なくないでしょう。職場復帰を果たして“子連れ通勤”を決めたママは、そんな朝の光景に少し不安を感じているようです。
子連れ通勤のポイントは?
彼女は最近、職場の保育園に2歳の子どもを入園させることが決まりました。職場までは乗り換え1回を含む片道30分の道のり。「朝の電車に“子連れ”は迷惑かも…」と不安を感じましたが、「働くのをやめる」や「車通勤する」といった他の選択肢は取れない状況に置かれています。
彼女が“子連れ通勤”の経験者にアドバイスを求めたところ、具体的な助言をするママたちが続々登場しました。ポイントの1つは「乗る車両の選択」とのことで、「乗り換え駅の階段の位置は知っておいた方がいい。階段から遠くなる車両は不人気だから、子連れでも乗りやすいはず」「女性専用車両があれば比較的空いているから、狙って乗るべき!」などの声が相次ぐことに。
さらに“車両内でのコツ”に言及する人もいて、「車内には紙袋やハンドバッグみたいな“固い危険物”が多い。子どもには帽子を被せてあげたほうがいい」「お子さんはお母さんの方を向かせてあげて。電車が揺れてもお母さんに掴まれるから」「子どもは床に近いから、できればマスクをしてあげよう」といったアドバイスが見られました。
肩身が狭い“電車内でのベビーカー”
また、何かと物議を呼ぶ「電車内でベビーカー」についても話は展開。「お子さんはベビーカーに乗せるの? 混んだ車内でのベビーカーに批判的な人もいるから気をつけてね」「前にサラリーマンが、電車を降りる時にあからさまにバッグをベビーカーにぶつけてきて腹立った」「降車駅にエレベーター無いとベビーカーは結局使えないしね…」と苦労を経験したママは多いようです。
一方で、一部には“ベビーカーを使うママの態度”に物申す人が。「当たり前のように混雑した車両に入ってくるベビーカーはどうかと思う。タイヤが靴にガンガン当たっても謝らない母親はさすがにない」「ベビーカーで赤ん坊がギャン泣きする中、素知らぬ顔でスマホ見てるママって周りの迷惑考えなさ過ぎ」といった厳しい意見も見られました。
議論を呼ぶ“子連れ通勤”ですが、中には「昔子どもがどうしても泣き止まなくて困っていたら、近くにいたおじいさんから『元気な子だねー! お母さんも大変だろうに、荷物持ってやろうか?』と言われて思わず泣いた」「駅の階段でベビーカー運んでくれたサラリーマンには今でも感謝してる」など心温まるエピソードも披露されています。
職場で我が子がプールに入る!?
これからの日本では“働くママ”がさらに増えていくかもしれません。では実際に「子連れ出勤」が可能な企業はどれくらいあるのでしょうか。「子連れ出勤制度」を公表している企業を、いくつかピックアップして見ていきましょう。
「みずほフィナンシャルグループ」は、ワーク・ライフ・バランス推進のために様々な制度を設けています。その中の1つが、千駄ヶ谷の事業所内にある「みずほキッズかるがも」と内幸町本部ビルにある「みずほキッズがじゅまる」。いずれも“事業所内保育所”であり、この施設のおかげで職場復帰を果たした社員は多いようです。
続いて体験ギフトの政策・販売を行う「ソウ・エクスペリエンス株式会社」は、1歳~3歳の子どもと“同じオフィス内で”過ごせる制度を設立。オフィスの一角にビニールプールやお昼寝場所があり、子どもを抱っこしながら働くママの姿も見られます。ただし「子連れでは仕事の効率が下がる」という現実的な課題もあり、現在は“子連れの場合は給与の一部を減額する”仕組みを採用。
ますます少子高齢化の進む日本社会。「“子連れ”をいかに許容できるか」が、今後大切なポイントになりそうですね。
文/内田裕子