2018年も終わりを迎え、もうすぐ2019年がやって来ます。続々と来年の鉄道情報を耳にするわけですが、特に来年の関西の鉄道はアツいようです。それではさっそく見ていきましょう。

新快速に座席指定車「Aシート」が誕生!

train201901-1

福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県を時速130キロで駆け抜けるJR西日本の新快速。子どもだけでなく大人も新快速のスピードに魅了されています。この新快速が、2019年はさらにパワーアップ!なんと、通常の座席よりも豪華な座席指定車「Aシート」がデビューします。新快速車両223系1000番台2両を「Aシート」に改造し、9号車に連結されます。

 

「Aシート」には特急車両で使われるリクライニングシートを採用。すべての座席にコンセントが付き、WiFi利用も無料です。車内は落ち着いた雰囲気となっており、ラグジュアリーな新快速の旅が楽しめます。しかも、「Aシート」の着席料金はなんと500円!ワンコインで確実にリクライニングシートに座れることを考えると、かなりお値打ちではないでしょうか。

 

休日であっても京都駅~三ノ宮駅間を中心に、新快速は混雑します。また、停車駅が少ないので立っている時間が長時間に渡ることも。大人でもツライのに、子どもだとなおさらですよね。新快速を使って子どもと旅するときは、確実に座れる「Aシート」を利用してみましょう。 「Aシート」は2019年春にデビューしますが、運転本数は1日上下4本とのこと。個人的にはもっと本数を増やしてほしいですね。

新たな観光列車がデビューする阪急電鉄

train201901-2

「Aシート」がデビューするJR西日本を他の大手私鉄が黙って見ているわけがありません。京都、大阪、神戸で活躍する阪急電鉄は京都線に新たな観光列車「京とれいん 雅洛(がらく)」をデビューさせます。 「京とれいん 雅洛」は7000系1編成を改造させたもの。外観は従来のマルーン色をベースに京都らしい装飾が加わり、扉は3扉から2扉になります。

 

車内は観光列車らしいレイアウトに。2号車と5号車には「坪庭」が、3号車と4号車にはより車窓が楽しめるように窓向き座席が設置されます。また、各車両の真ん中には京都らしく円窓を設ける、とのことです。 これだけ豪華な列車でありながら、なんと特別料金はなし!従来の観光列車「京とれいん」と合わせて乗車すると、子供も大喜びでしょう。デビューは2019年3月のダイヤ改正。運転区間は従来どおり梅田駅~河原町駅間で、停車駅は十三駅、淡路駅、桂駅、烏丸駅です。

 

ところで、2019年1月19日のダイヤ改正から「京とれいん」が十三駅を通過します。2018年12月現在、阪急電鉄において十三駅を通過する営業列車はありません。阪急ファンの子どもは十三駅の通過シーンは見たいと思います。なお、先ほど紹介した「京とれいん 雅洛」は十三駅に停車します。

兵庫県西部に電車特急が堂々と入線、JR西日本「らくラクはりま」

train201901-3

またまた、JR神戸線の話題です。2019年春に大阪駅~姫路駅間で電車特急「らくラクはりま」がデビューします。車両は特急「くろしお」にも使われている289系です。「らくラクはりま」は通勤特急のような役割を果たし、平日朝は大阪駅方面、平日夕は姫路駅方面に運転されます。したがって、土休日は運行されません。

 

「らくラクはりま」のポイントは尼崎駅~姫路駅間では久しぶりに定期で走る電車の昼行特急が見られることに。かつて、特急「雷鳥」が神戸駅まで運行していましたが、現在、同区間では定期の昼行特急は気動車特急のみとなっています。特に撮り鉄の子どもにとってはビッグニュースだと思います。平日のみの運行なので、夏休みに撮影するといいでしょう。

新大阪から奈良への直通列車が走る!おおさか東線の延伸

train201901-4

おそらく、関西の鉄道界におけるトップニュースはJR西日本のおおさか東線の延伸かもしれません。現在、おおさか東線は久宝寺駅~放出駅間ですが、2019年春に放出駅~新大阪駅間が開業します。これにより、おおさか東線は全通となります。 おおさか東線の開業により、新大阪駅~奈良駅間を結ぶ直通快速がデビューします。おおさか東線における直通快速の停車駅は新大阪駅、高井田中央駅、JR河内永和駅、久宝寺駅です。運転本数は以下のとおりです。

 

  • 平日朝:奈良→新大阪4本
  • 平日夕:新大阪→奈良 4本
  • 土休日朝:新大阪→奈良 2本、奈良→新大阪 2本
  • 土休日夕:新大阪→奈良 2本、奈良→新大阪 2本

 

子どもと乗るときは奈良観光や新幹線ウオッチングとセットにするといいでしょう。なお、直通快速の本数は少ないので、事前にJR西日本のホームページなどで、ダイヤを確認することをおすすめします。

 

関西では2025年に大阪で万博が開催されるなど、ホットな話題が続いています。それに伴い、鉄道でも新たな動きがどんどん出てくるでしょう。子どもも大人も関西の鉄道からは目が離せませんよ。

 

取材・文・撮影/新田浩之