■ちゃんこの特徴とルーツは?

力士の食べ物としても知られている「ちゃんこ」が誕生したのは、明治時代と言われています。体を大きく成長させることが仕事の力士にとって、さまざまな栄養を効率よく摂取することは重要なこと。野菜やお肉、魚介類などを一度にたくさん摂取できるちゃんこ鍋は、まさにうってつけのメニューだったのでしょう。 もともと「ちゃんこ」とは、力士の食事全般を示す言葉でした。しかし現代においては「ちゃんこ鍋」のことを指すケースが一般的です。 ちゃんこ鍋を作る際には、お肉や魚介類、野菜など、さまざまな具材を大鍋で一気に煮ることがコツとなります。こうすることで、各素材から良い出汁が出て、うまみへと変わっていきます。昔は牛や豚など、「手をつく」動物は、「力士にとって縁起が悪い食べ物」として避けられていました。しかし近年では、牛肉や豚肉を使ったちゃんこも、ごく一般的になってきています。 ちゃんこには、これといって決まった味付けがあるわけではありません。しいて言えば、相撲部屋ごとに伝統の味付けがあるくらいでしょうか。好きな素材、好きな味付けで自由に楽しめる鍋料理ですから、家庭にも取り入れやすいことでしょう。

■石狩鍋の特徴とルーツは?

石狩鍋は、北海道石狩市周辺地域にルーツを持つ、郷土料理です。この地域では昔からサケの地引網漁が盛んで、石狩鍋は地域の恵みを活かした鍋と言えるでしょう。 石狩鍋は、サケのぶつ切りやアラと共に、キャベツやタマネギ、長ネギ、豆腐などを入れて作ります。大根や人参などを入れるケースも多いです。昆布の出し汁に白味噌を使って味をととのえていきましょう。 もともとは漁師たちの間の「地元飯」として知られていた「だいなべ」が、観光客にもふるまわれるようになった際に、「石狩鍋」と呼ばれるようになったと言われています。 サケの身だけではなくアラまで手に入ったときには、ぜひ石狩鍋を楽しんでみてください。

 

■まとめ

日本には、地域ごとに多種多様な鍋料理があります。定番の味も良いですが、こうしたご当地鍋も時折取り入れることで、飽きずに楽しむことができるでしょう。 それぞれの鍋料理には、独自の歴史があり、調べてみると興味深いものです。ぜひ家族や友人たちと美味しい鍋をつつきながら、「鍋料理のルーツ」について会話の華を咲かせてみてはいかがでしょうか。心もお腹も満足できる、素敵な時間を過ごせそうですよ。