出会いがタイジの心を動かす!

 

「母僕」サブ2
©2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会

 

大好きな母親から拒絶され、友達にも恵まれず、つらい幼少時代を過ごしたタイジ。大人になったタイジが見せる、心を塞いだような伏し目がちな表情から、母親から離れても壮絶な過去をどこか引きずっているような印象を受けます。

 

「母僕」サブ4
©2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会

 

しかし、「今のタイジが好き」と言ってくれる友人との出会い、そして、幼少時から支えてくれた木野花演じる“婆ちゃん”の存在が、タイジの背中を押してくれます。母親との関係が壮絶だった分、救いがあってよかった…とホッと胸をなでおろす素敵な出会い。優しいだけではなく、“愛”をしっかりと感じる婆ちゃん、そして友人とのやりとりは必見です。母親とのシーンとは違う涙が溢れます。

 

「母僕」サブ3
©2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会

 

母親がなぜここまで自分の息子を愛せないのか…、息子の心も体も傷つける母親に目も耳も塞ぎたくなるシーンもたくさん出て来ますが、クスッと笑えるユーモアが感じられる場面もアリ。友人、婆ちゃん、そして主題歌を歌うゴスペラーズの包み込むような温もりを感じながら、凍りついた母親の心に立ち向かうタイジを見守ってみませんか。

 

文/タナカシノブ