親友と3億円を探しながら気づいたこと
九十九を探すために、一男が会う人物たちはとにかく濃い!特にぶっ飛んでいるのが藤原竜也演じるマネーセミナーの教祖・千住。胡散臭いキャラなのですが、思わず「入会します! 」と言ってしまいそうなほど、怪しげな説得力を持ちあわせています。
他にも、北村一輝演じるギャンブル好きの実業家(元エンジニア)や、沢尻エリカ演じる主婦として静かに団地暮らしをしながら、実は家のあらゆる場所にお金を隠し持ち「お金に囲まれることに幸せを感じている」十和子など、いろいろな形で大金と関わりながら生きている人間がたくさん登場します。
大金とは無縁だった一男が、億万長者たちから九十九そしてお金に関する話を聞きながら、自分自身を見つめ直していきます。
借金返済に躍起になるあまり、妻や娘が求めていた幸せに気づかなかったこと、そして、九十九に関する知らなかった一面を知り、忘れていた一面をも思い出して行くのです。
3億円という大金を手にしたことで、お金で買えるもの、買えないものに気づくきっかけを得た一男。無事に九十九に再会することはできるのでしょうか? 九十九の行動のヒントとなるのは、落語「芝浜」です。劇中でも披露されるのでぜひ、チェックしてみてください。
文/タナカシノブ