「妻の妊娠中は夫が浮気する」という〝浮気あるある〟は、よく聞きます。妊娠中のセックスレスや妻の情緒不安定、里帰り出産での不在など、夫婦によって浮気の原因はさまざま…でもそれって「仕方ない」と許すべきなんでしょうか? 実際にその体験をした妻たちに聞きました。
産後に漠然と「帰らなきゃ…」と (由美さん/38歳/事務職)
私が妊娠中、旦那が2人の相手と浮気をしました。どちらも「一夜限りだった」そうですが、それでも浮気は浮気です…ホテルの領収書なんて持って帰らなければいいのに!デリカシーのない行動に失望し、堪えきれない怒りに任せて旦那と大げんかが勃発。結局、その日のうちに実家に帰りました。 そのまま出産を迎え半年が経ち、気持ちも落ち着いてきた頃に、漠然と「旦那のところに帰らなきゃ」という思いが芽生えました。いま思えば「子どもには父親が必要だ」と思ったのかな。いちおう旦那とは連絡は取っていたし、住む家も変わっていないのは確認済みでした。 旦那に連絡を入れて、久しぶりに自宅へ帰ることにしました。「あれ以来、誰とも関係を持っていない」こと、猛省したこと…そんな話をしながら土下座まで。あのプライドの高い人が…と思うと、私は許すしかなかったです。結果、いままでよりも本音で話せるようになり、夫婦仲はかえってよくなった気がします。
汚らわしく思えて、どうしてもダメだった(千佳さん/27歳/パート勤務)
妊娠中、安定期に入ってもつわりがおさまらず、私は入退院を繰り返していました。家のことは旦那に任せっきり、頼りっきりで甘えすぎていたのだと思います。それにストレスが溜まっていたんでしょう、旦那は浮気をしました。 私たちはおめでた婚だったこともあり、「結婚後に即浮気するのか」と汚らわしく思えて、本当に旦那のことが受けつけられませんでした。 浮気が発覚するまでは、小さな喧嘩はよくあったけど仲良く暮らしていました。お互い別れるなんて考えてもいなかったし「浮気する・される」なんてことも想像もしてなかったです。これからもこういう生活が続くんだろうな…と思っていたのに。 出生届を出しに行くのと同時に離婚届をもらい、その日のうちに書くように頼みました。旦那はかなり不満げでしたが、私の本気に押される形で、しぶしぶ了承しました。養育費や面会の取り決めも淡々と行い、旦那は荷物をまとめて出て行きました。本来なら子どもと3人で、幸せの絶頂なのに…そう思うと残念でなりません。
不妊治療を支えてくれた旦那に愛がある (春子さん/43歳/経理事務)
私はもともと、気分の浮き沈みが激しい性格でした。妊娠中はそれに拍車がかかって、旦那にはたくさん迷惑をかけていたと思います。それが相当なストレスで、旦那には重すぎる負担だったんでしょう。 浮気が分かったのは、不妊治療を経てようやく子どもを授かったとき。「どうして? 二人で心から望んだ子どもが出来たのに」と思いましたが、いままで支えてくれて寄り添ってくれた旦那のことを、心の底から憎めずにいました。 離婚したほうがいいのではないか、また今後もこんなことがあるのではないか…と思うと気が気じゃなかったです。だけど何度も流産し、あきらめかけていたときの妊娠で、落ち込む私を励まして支え続けてくれた旦那。裏切られたことは悲しいのですが、今まで苦労を乗り越えてきた旦那への愛情がありました。 「二度と浮気をしない」と約束してもらい、旦那のストレスを少しでも減らそうと、私も変わる努力をしています。最初は耐えるという気持ちしかなかったですが、いまとなってはそれもなく、この人と一緒になれてよかったな、と思っています。
浮気を許すしかない?悲しい事情
夫側から見れば「仕方ない」理由でも、妻からして見れば妊娠中の大変な時期に裏切られたことは、心にも体にも影響を与えかねない「裏切り」に変わりはありません。決して「妊娠中だから仕方ない」ことではないと思うのですが…。 金銭的や世間体の問題で、離婚はできなかったという意見もあります。生まれてくる赤ちゃんのことを考えて夫を許した奧さんも少なくありません。夫婦円満のためにも、妊娠中こそコミュニケーションを大事にしたいですね。